今日のインプラント

今日の午前中は1件のインプラントです。
下顎に3本、上顎に1本の埋入です。

下顎は3歯分欠損しています。3歯分欠損している場合、何本のインプラントが必要であるかということですが、多くの場合には2本のインプラントを埋入し、ブリッジとします。
3本の場合もあります。
2本か3本の違いですが、まずインプラントにはさまざまな長さがあります。私が使用しているI.T.Iですと短いもので6mm、それから2mm間隔で12mm(それ以上長いものもありますが一般的にはこの長さまでです)までの長さがあります。
インプラントの長さによってその成功率(生存率)は異なります。
例えば骨の幅や高さがしっかりしていて、歯ブラシの状態も非常に良い、歯周病ではない、噛み合わせもしっかりしている、歯ぎしりもないとなれば12mmの長さのインプラントが埋入されればその成功率は非常に高いものでです(統計的には10年後の生存率で98%以上の報告が多くあります)。
しかし、6mm程度のインプラントしか埋入できないとするとその生存率はかなり低くなります。
単純に短いインプラントしか埋入できなければ力学的に噛む力に耐えきれないということです。

話しは戻りますが、3歯欠損であっても上記のような条件あり、骨がしっかりしていて10mm以上のインプラントが埋入できるとすれば2本のインプラントでブリッジは可能です。
しかし、8mm程度のインプラントしか埋入できないような骨の状態であれば2本でブリッジは厳しいことになります。
そのような状態であれば3歯欠損に3本のインプラントを埋入した方が予知性(安心感)があります。

このように同じ3歯欠損であっても骨の状態等により埋入本数は変わってきます。逆に言えば条件さえよければインプラントの本数は少なくても問題は起りません。
4歯欠損においても2本のインプラントを埋入してブリッジをすることも十分可能です。

このようなことを考えると歯が1本もない(総入れ歯の方)方で完全に固定式を希望される場合、骨の状態さえ良ければ6本のインプラントを埋入し、ブリッジとすることも可能です。
インプラントは費用がかかる治療ですから最小の治療(最小のインプラント埋入)で最大の効果を得るように計画をたてることが大切です。
しかし、無理をするような計画(埋入本数)であれば将来的に問題が起りますので、厳密な診査が必要です。

インプラントの杉山歯科医院