インプラントにおける難症例:12
前回は『コンポジット移植材』についての概要をお話しました。
今回はさらに詳しくお話したいと思います。
前回も書きましたがこの『コンポジット移植材』が『GBR法』や『サイナスリフト(上顎洞底挙上術)法において私が現在行っている方法です。
『自家骨』移植に使用される骨にはさらに2つの種類に分かれます。
『皮質骨』と『海綿骨』です。
この2つの骨も骨の増大手術を行う際に非常に重要なキーワードになります。
1.『皮質骨』は骨の表面にある硬い骨のことです。
2.『海綿骨』はその内部(皮質骨の内側)にある柔らかい
骨です。
この2つの骨の性質はだいぶ違います。
まず『海綿骨』の方が分かりやすいのでこちらから解説したいと思います。
『海綿骨』の特徴として骨の新生(再生)を起こす細胞が豊富に含まれています。
骨の新生(再生)を目的とした『GBR法』や『サイナスリフト(上顎洞底挙上術)法』には最も適した骨です。
この『海綿骨』は先程書きましたように『皮質骨』の内側
にあるため場所(骨を採取する場所)によっては採取(骨を取る)するのに困難な場合があります。
下顎の骨はこの硬い『皮質骨』が厚く(多く)、その内部にある柔らかく骨の新生(再生)に有利な骨の細胞を多く含んでいる『海綿骨』を採取(取る)ことが難しいのです。
逆に上顎は硬い『皮質骨』は少なく、柔らかい『海綿骨』が多くあります。
つまり上顎には骨が新生(再生)するための骨の細胞を多く含んでいる『海綿骨』が多いため『自家骨』の移植材として適しているのです。
『GBR法』や『サイナスリフト(上顎洞底挙上術)法』を
行う際に『自家骨』の移植が必要になりますが、『自家骨移植』の最大の欠点として骨を採取する部位が必要になります。
そのため患者さんの負担を軽減こととして『GBR法』を行う際にはできるかぎりその手術部位から骨を採取することにします。
上顎においてインプラントと同時に『GBR法』を行う際には
インプラントを埋入した周囲の骨を利用することになります。上顎の骨は『海綿骨』が多いため骨の新生(再生)には非常に適しています。
しかし、下顎においては『海綿骨』を採取するのは上顎より困難になります。
次回も『海綿骨』と『皮質骨』の話しになります。
インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター