老化:5
前回は『クローン羊のドリーちゃん』と『テロメア』との関係でした。
『ドリーちゃん』は6歳の親羊から遺伝子を提供されていたため生まれながらに6歳の短い『テロメア』を持っていました。
そのため老化が早かったという話でした。
そして最後に意味深な話で終わりました。
『不老不死』…
こんなことは現実的に可能なのでしょうか?
年齢とともに『染色体』の末端に存在する『テロメア』の長さはどんどんと短くなります。
最終的に細胞は分裂できなくなり活動を停止します。
これが『老化』であることはこのシリーズで何度も話してきました。
それでは『テロメア』が短くなることを防止させることができれば『細胞の老化』は防げるのではないでしょうか?
『テロメア』の長さをコントロールする物質があります。
『テロメアーゼ』という酵素です。
これは分裂により短くなった『テロメア』を長い状態にできます。
それはすごい
『不老不死』も夢ではない。
実際に『テロメアーゼ』という酵素は『ある細胞』から発見されています。
その『ある細胞』は無限に細胞分裂をします。
死なない細胞です。
す、すごい…そんな細胞があるなんて
ますます『不老不死』も夢ではない。
その細胞の名前は…
『ガン細胞』です。
『テロメア』の正常機能を欠いた染色体は不安定になります。
分解を起したり、染色体の末端同士の融合が起ります。
このような『染色体』の不安定が『発ガンの原因』になります。
同じことの繰り返しですが、『老化』とは年齢とともに『染色体』の末端に存在する『テロメア』の長さはどんどんと短くなり、最終的に細胞は分裂できなくなり活動を停止することです。
『老化』は悪いことではなく、細胞分裂を停止することで細胞の不安定化を阻止し、発ガンなどから細胞を守る働きであるとも考えられています。
世の中なかなかうまくはいかないものです。
ただし、生殖細胞には特別な機構が備わっています。テロメアを伸張させる酵素を持ち、どんなに分裂してもテロメアは短縮しません。
生殖は種の保存に欠かせないものだからです。
『テロメア』のその性質を利用して『抗ガン剤』の開発が行われている。
つまり『テロメア』の長さを伸展させる『テロメアーゼ』の機能を阻害することで『ガン細胞』が無限に細胞分裂するのを防ぐ試みです。(機能阻害型テロメアーゼ)
それ以外にもテロメラーゼのアンチセンスRNAの導入も行われているこれは副作用が軽減でき期待されている治療法です。
ちょっと難しかったですね。
次回は『テロメア』は終了して『老化』に戻ります。
インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター