PMTC(プロによる歯のクリーニング):その3

昨日の続きになります。

『バイオフィルム』の除去方法
それでは具体的な『バイオフィルム』の除去の仕方です。
まず、『スケーリング』です。
『スケーリング』とは歯石を除去することです。

方法は『手用器具』で取り除く方法と
『超音波スケーラー』と言うマイクロ振動と水圧により歯面や歯根面に付着している歯石とともに『バイオフィルム』の除去を行う方法があります。

次に『手用器具』ですが、
先程の『キュレット』と言われる器具を用いて、
歯肉の中に存在する歯石や歯周病菌の除去および歯の根の中にまで感染を起こしている根面の滑沢化します。
このことを『ルートプレーニング(SRP)』と言います。
ルートプレーニングに使用する器具(キュレット)の先は
刃のようになっており、根面に強固に付着している感染物質を除去するのに適しています。

次に『ポリッシング』です。
『歯石』や『バイオフィルム』を除去した表面は“ざらざら”しています。
“ざらざら”している状態は再度汚れが付着しやすいので表面を器械や歯ブラシ等で“ツルツル”に磨き、『歯石』や『バイオフィルム』が付着しにくいようにします。
またポリッシング時や虫歯予防のためにフッ素人りのペーストを歯面に塗り込みます。

このようなことを行うことにより『バイオフィルム』を取り除き、歯周病の再発を防ぎます。

『バイオフィルム』は以下のように進行していきます。
『バイオフィルム』の形成による歯周病の進行状態です。

1. 軽度の歯周病
   歯周病ポケット(歯と歯肉の境の溝)が3〜4mmの場合です。

まず、歯と歯肉の溝に細菌が集まりバイオフィルムが形成されると細菌が放出する酵素により歯肉に炎症が起こり、歯周ポケットができます。

2. 中程度の歯周病
   歯周病ポケット(歯と歯肉の境の溝)が5〜6mmの場合です。

歯周病ポケット内部でバイオフィルムが増殖すると、
細菌を食べる多形核白血球や抗体が登場します。
白血球は酵素を分泌し、細菌を攻撃しようとします。
しかし、細菌はバイオフィルムのバリアーにより保護されているため、白血球の攻撃を受けません。
逆に白血球が出す酵素により歯肉が破壊され、歯肉の炎症はさらに拡大します。

3. 重度の歯周病
   歯周病ポケット(歯と歯肉の境の溝)が7mm以上の場合です。

免疫細胞や抗体は細菌を攻撃し続けますが、バイオフィルムのバリアー効果により、細菌はダメージを受けません。それどころかバイオフィルムはどんどんと巨大化して行きます。その結果炎症は深部へと進行し、歯周ポケットはさらに深くなり、最終的には骨の吸収が始まります。
こうなると歯がぐらぐらしてきます。
バイオフィルムは歯ブラシの届かない部分でどんどんと増殖して行くのです。

このように『バイオフィルム』は形成され、歯周病は進行していくのです。

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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、GBR法、サイナスリフト、審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは治療費(費用)の説明やインプラント症例、無料相談コーナーもあります。