最新インプラント症例ブログ:215回目
2014年6月12日(木曜日)です。
このブログはインプラント症例を紹介するブログです。
『215回目のインプラント症例』になります。
本日の症例は、前回の続きになります。
前回(6/ 5)のブログを見ていないと 本日のブログは分からないため、
始めに 前回のブログを再度アップした上で
本日の続きを解説します。
前回のブログを読まれた方は、飛ばして下さい。
それでは、前回の内容から始めます。
患者様は、非常に進行した重度歯周病の方でした。
上顎の前歯部から左側にかけては歯が欠損している部位が多数ありました。
また、下顎の右側も歯がグラグラしている状態でした。
そのため、左右の奥歯では噛めないため、
『どうにか噛める状態になりたい!』との思いで来院された方です。
重度歯周病の方です。
重度歯周病の方のインプラント治療は非常に難しいです。
その理由には、いくつかあります。
一つは、重度歯周病の患者様の場合、歯を支えている骨がすでにかなり吸収 しています。
インプラント治療は、骨の中にチタンでできたネジを埋め込む治療です。
そのため、骨の吸収が起こっている場合には治療を難しくします。
重度歯周病を放置している患者様の場合には、
抜歯後にインプラントを埋め込むこと自体が難しくなることがあります。
次に重度歯周病患者様の場合、
どの歯を抜歯し、
どの歯を残すのか?
という問題があります。
もちろん可能なかぎり抜歯せずに 残した方が良いのですが、
将来性が非常に低い歯を無理に残した場合には、逆にその後の治療を難しくすることになります。
例えば、歯が1歯欠損していたとします。
患者様は、その欠損部のみにインプラント治療を行い、
他の歯は、触らずに治療を進めたい
との希望があったとします。
しかし、欠損部周囲のほとんどの歯がグラグラ(重度歯周病)であった場合、
無理に欠損部のみのインプラント治療を行っても
すぐに周囲の歯がダメになるたびに
新たにできた欠損にインプラントを埋め込むことが必要になります。
この追加されるインプラントは、歯がダメになるたびに どんどんと増えていきます。
治療に終わりがありません。
当然のことながら そのたびに治療費はどんどんとかかります。
どのような歯科治療もそうですが、
悪い歯や欠損部だけを見て治療を行うのではなく、
口腔内全体を見て治療計画を立てることが重要なのです。
また、歯周病を放置した状態で、インプラント治療を行っても
インプラント自体も歯周病のような状態になってしまいます。
これをインプラント周囲炎(インプラントの歯周病) と言います。
また、重度歯周病になるということは、簡単に言えば
『歯磨きが十分にできていいない!』
ということです。
歯磨きが適切にできていないために 歯周病になったのです。
そうした方が、抜歯後にインプラント治療を行ったとしても
本当に適切に歯磨きができるか?
という問題があります。
多くの方は、インプラント治療前に歯周病についてご理解をされ、
徹底した歯周病治療を受けていただくため、
治療後には、適切な歯磨きを行っていただけます。
また、メインテナンス(定期検査) にもいらしていただいています。
しかし、これは100%の患者様に当てはまることではありません。
インプラント治療後も適切な歯磨きができなかったり、
メインテナンス(定期検査) に来院されない方もいらっしゃいます。
そのため、歯周病が再発してしまいます。
歯周病が再発すると インプラントにも感染を起こします。
結果的にインプラントもダメになってしまうのです。
こうしたことが起こることもあるため、
重度歯周病患者様の治療が非常に難しいのです。
今回ご説明していないことも、重度歯周病の方の治療の難しさは いっぱいあります。
前置きが長くなりましたが、症例を開始します。
以下が初診時のレントゲン写真です。
かなり前のケースですので、レントゲンが見にくくてすみません。
昔のレントゲンは、現在のデジタルレントゲンではなく、
フィルムのレントゲンでしたので、劣化してしまいます。
このままであると見にくいので、
いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために
骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
さらに分かりやすくするために 骨吸収部位を赤色の領域で表しします。
骨吸収が本当に進行しているのが分かるかと思います。
歯周病専門医 でなければ、ほとんどの歯を抜歯と診断されてもおかしくない症例です。
さらに上顎では、上顎洞 の存在が問題となっていました。
緑線は上顎洞という空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
いつもこのブログをご覧になっている方はもうすでにご存知のことと思います。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
上顎洞
これも さらに分かりやすくするために、上顎洞 緑色で表示します。
後で解説しますが、
上顎左側の骨吸収 と 上顎洞の存在がこの後の治療を非常に難しくするのです。
初診時本当に大変な状態でした。
先にも書きましたようにグラグラが歯が多くありました。
患者様にはさまざまなお話をしました。
現在の歯周病の状態、
歯周病治療による改善の程度、
将来性、
治療期間、
インプラント治療について
等です。
抜歯と判断した以外の歯は、徹底した歯周病治療 を行うことにしました。
このブログは、インプラントのブログですので、歯周病治療については省略します。
インプラント治療ですが、これが困難を極めました。
まず、上顎の左側についてです。
骨吸収が大きいことと、上顎洞の存在により、
残っている骨の高さは、本当に少ない状態でした。
具体的な骨の高さは、
残っている歯の部位で約4ミリ、
その前後では1ミリもない状態でした。
本当に大変な状態です。
通常、上顎にインプラントを行う場合、
最低限必要な骨の高さは、約10ミリです。
この高さ以下であると適切なインプラントが行えません。
今回は、1ミリ以下 と
残っている部位(1カ所ですが…)でも4ミリです。
これでは、とてもインプラント治療が適切にできる状態ではありません。
困ったものです。
こうした骨吸収が高度に起こっている場合には、骨移植を伴うサイナスリフト法(上顎底挙上術) という治療法を行います。
しかし、この治療は、かなり大変です。
治療後の腫れ もかなり起こります。
患者様は、できるかぎり負担の少ない治療法をご希望されました。
この治療計画では、さまざまな治療法を併用し行うことが必要です。
GBR法(骨増大法) 、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) 、
ソケットリフト法 、
カンチレバー 、
インプラントの傾斜埋入
等です。
ここで注目したいのが、上顎左側の抜歯した穴です。
『 穴 』です。
ここまでが前回の内容でした。
以下はその続きになります。
前回のブログの内容では、上顎の左側の抜歯した
この抜歯した穴をさらに見やすいように線で書いてみます。
少しは分かりやすくなりましたか?
残っている骨の高さがいかに少ないかが分かると思います。
GBR法(骨増大法) 、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) 、
ソケットリフト法 、
カンチレバー 、
インプラントの傾斜埋入
といった方法を併用してようやくインプラントが埋入できるのです。
以下のレントゲンは上顎左側のインプラント治療が終了した状態です。
この状態で下顎右側の奥歯を抜歯しました。
上顎左側の奥歯のインプラント治療でも非常に大変だったのですが、
下顎も骨吸収が大きかったのです。
ちなみに上顎は大変だったといっても 骨移植を伴うサイナスリフト法(上顎底挙上術) は行わなかったので、患者様にとっては最小限の簡単な治療で済んだということです。
でもこれで患者様の負担が減ることができました。
これは、治療の大変さ ということだけでなく、
治療費用 も大幅に削減できること
治療期間 も大幅に短縮できたこと
が患者様にとって大きな利点となりました。
さて、話しは下顎の右側に戻ります。
骨吸収が本当にすごい状態でした。
いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために
骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
この下顎右側で問題なのは、骨吸収だけではありません。
下顎神経という神経の存在も大きな問題でした。
骨吸収が非常に大きいため、骨吸収部の真下に下顎神経が見えている状態になっていました。
こうした場合、まず 骨吸収部位に骨を増大することが必要になります。
具体的には、骨移植を行い、GBR法(骨増大法) を行うことです。
そして、骨の増大が完了した時点でインプラントを埋入するのです。
これが、正当な治療方法です。
しかし、この時点で すでに上顎の治療にある程度の時間がかかっています。
そのため、さらに下顎右側の治療に時間をかけることは、
長期的に噛めない期間が長くなってしまうことがありました。
ただし、こうしたことの最終判断は患者様ご本人がお決めになることですので、
現在の骨吸収 等を含めた状態、
今後の治療期間、
治療内容、
治療費、
将来的なリスク
等
あらゆることをご説明した上で治療方針を決定しました。
骨吸収部位 と 下顎神経を避けて少し奥に
インプラントを埋入する治療計画です。
カンチレバー と
インプラントの傾斜埋入
を併用したプランです。
治療終了後の状態に
上下後の骨吸収 と
上顎洞、
下顎神経
を記入したのが以下のレントゲン写真です。
今回の症例がいかに難しいケースであったことが分かるかと思います。
今回のケースは、解説することが多かったため、2回に分けて解説しました。
今回のケースでは、
治療期間 の短縮、
治療費用 の削減、
サイナスリフト法(上顎底挙上術) 等の大変な治療は避ける
といったことで治療プランを考えていきましたが、これは全ての症例で行うことではありません。
サイナスリフト法(上顎底挙上術) を行ってインプラントを埋入することもありますし、
十分なGBR法(骨増大法) を行ってからインプラントを埋入することもあります。
全てのケースが全て同じ治療プランになることはありません。
治療費
インプラントモニターで行った場合の治療費は以下になります。
インプラント 1本 160.000円(消費税別)
被せ物(白い歯) 1歯 100.000円(消費税別)〜 になります。
治療費をさらに抑える方法として 被せ物を金属製にする方法があります。
金属製の被せ物は、1歯 70.000円(消費税別)になります。
当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) 、
OAM(大口式)インプラントシステム 、
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合) 、
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。
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