最新インプラント症例:244回目
2015年11月 5日(木曜日)です。
このブログはインプラント症例を紹介するブログです。
始めに休診案内です。
11月14日(土曜日)
11月15日(日曜日)
はCAD/CAM学術講演参加のため休診となります。
『244回目のインプラント症例』になります。
本日ご紹介する症例は、上顎の歯が1本もない方です。
(上顎総入れ歯の患者様)
もともと 他歯科医院に通院されていました。
上顎が総入れ歯であり、食事に不自由を感じていたため、
インプラント治療をご希望されていました。
しかし、上顎の骨吸収が非常に大きく、インプラント治療が困難のため、
通院されている歯科医院から紹介を受けて当医院を受診されました。
当医院には、こうした他の歯科医院からの紹介がよくあります。
以下が初診時のレントゲン写真です。
上顎は、歯が1本もありません。
あとで詳細は解説しますが、骨吸収が非常に著しく起こっています。
下顎右側のインプラントは、紹介先の歯科医院ですでに行ってありました。
いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために
骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
かなりの骨吸収が起こっているのが分かるかと思います。
毎回このブログを見られている方は、かなり見慣れた線であるかと思います。
さらに わかりやすくするために、
骨吸収部位を赤色で表示します。
非常に骨吸収が大きいのが分かるかと思います。
次のレントゲンは、上顎洞という空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
いつもこのブログをご覧になっている方はもうすでにご存知のことと思います。
現状のままでは、穴の中にインプラントを埋め込むことはできません。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
上顎洞
上顎洞 を緑色の領域であらわします。
奥歯では、この上顎洞 の存在のために、骨の高さが少なくなっているのが分かるかと思います。
次は、鼻腔という鼻の穴です。
当然鼻の穴の中にインプラントを埋め込むことは不可能です。
これらの情報をみると骨吸収、
上顎洞の存在、
鼻腔の存在から
インプラント治療が困難であることが分かるかと思います。
奥歯においては、骨の高さが1〜3ミリ程度しかありません。
これでは、インプラント治療は難しい状態です。
もし、このままの状態でインプラントを埋め込むと
以下のように非常に短いインプラントを埋め込むしか方法はありません。
実際には以下のような短いインプラントはありませんし、
短いインプラント埋め込んだとしても 将来性は非常に低いものとなります。
もし、この奥歯にインプラントを行うとなると
上顎洞 内部に骨移植を行うことが必要になります。
この骨移植をサイナスリフト法(上顎洞底挙上術) と言います。
上顎の奥歯で骨吸収が大きい場合には、この治療法を行うことが最も確実になりますが、
治療の大変さがかなりあります。
治療後の腫れ 等がかなり起こるのです。
患者様にサイナスリフト法(上顎洞底挙上術) について説明をさせていただいとところ
「大変な治療は避けたい!」
というご希望もありましたので、
骨移植を伴うサイナスリフト法(上顎洞底挙上術) は行わないことにしました。
今回のケースでは、骨の高さが1〜3ミリ程度しか存在していなかったため、
非常に困難なケースと言えます。
本来 上顎の奥歯にインプラント治療を行う場合、
理想的には10ミリ以上の骨の高さが存在することが必要です。
しかし、10ミリ以上の骨の高さが存在するケースは、
少ないのが現状です。
それでも骨の高さが5ミリ程度存在すれば、
インプラント治療は可能となります。
上顎の奥歯において骨の高さが5ミリ程度存在する場合には、
ソケットリフト法 という治療法を併用することにより、
比較的簡単にインプラント治療が可能となります。
今回の症例とは違いますが、参考資料としてソケットリフト法 を解説します。
今回の症例とは違います。
先に説明しました上顎洞は、硬い骨ではありません。
分かりやすく説明すると
少し硬い布が垂れ下がっている状態
と思って下さい。
しかし、この布は破れやすいのです。
それではソケットリフト法 の具体的な治療方法について解説します。
骨の高さが少ない状態で 無理に長いインプラントを埋入しようとすると
上顎洞を突き破ってしまいます。
そして、上顎洞が破れてしまいます。
そこで、以下のように治療を行います。
図1:
上顎洞の手前 1ミリまで骨に穴を開けます。
この1ミリ手前までというのが重要なポイントです。
図2:
開けた穴に 人工骨 を入れます。
人工骨の種類については今回省略しますが、
当医院で使用しているのはβーTCPという完全な人工で精製された骨です。
安全性が非常に高い材質です。
この人工骨を穴に入れた状態で、下から(穴を開けた骨の入口から)
棒状のオステオトームと言われる器具でたたきます。
この時 患者様には、コンコン とたたかれている感じがあります。
人工骨(βーTCP)を入れてたたき、
上顎洞の中に人工骨(βーTCP)を入れていきます。
この作業を何回か繰り返します。
そうすると上顎洞の中に少しずつ人工骨(βーTCP)が入り込みます。
図3:
結果的にインプラントを埋入するための骨の高さが確保されます。
ここまでがソケットリフト法 の術式です。
次にソケットリフト法 の参考症例を見てみましょう!
先日紹介した症例から抜粋します。
上顎左側の奥歯が欠損しています。
同部位では、骨の高さが4〜5ミリ程度しか存在しません。
このままであると短いインプラントしか埋め込むことができません。
そこでソケットリフト法 の治療計画を立てます。
以下がソケットリフト法 でインプラントを埋入した直後です。
ソケットリフト法 の状態を拡大して見てみましょう!
以下の丸で囲んだ部位を拡大します。
拡大したところです。
この写真に骨の状態と上顎洞の線を書いたのが以下です。
ソケットリフト法 により以下の青線まで上顎洞が押し上げられました。
以下は治療後です。
このようにして骨の高さが少ない場合でもインプラント治療は可能となるのです。
しかし、今回のケースでは骨吸収が大きいため、患者様のご希望もあり、
無理をせず、他の対処方法でインプラント治療を行いました。
それがカンチレバー という治療方法です。
以下のような方法です。
上顎前歯部のインプラント埋入が可能な部位に6本のインプラントを埋入し、
奥歯の部分には、連結した被せ物を延長させる形でブリッジを行います。
こうしたことは全てのケースで適応される治療法ではありませんが、
噛み合わせ等を考慮して決定されます。
今回のメインとなる考慮した方法です。
ちなみに上顎前歯部も簡単な状態ではありませんでした。
骨吸収は非常に大きく かなり困難を極めました。
GBR法(骨増大法) や
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) 、
PRP法
等 さまざまなことを併用して始めてインプラント治療が可能となる症例でした。
以下は、インプラント埋入後です。
治療期間中は、固定式の仮歯 を使用していただきます。
手術後の時点では、1本のインプラント(左から3番目)は骨との安定が悪いため、
インプラントの土台 は使用しない状態としました。
骨との安定(結合)を待ち型取りとなります。
それまでは、固定式の仮歯となりますので、噛めないということはありません。
以下は、治療終了後です。
このようなケースは、治療後も綿密なケアーを行っていくことが重要です。
使用したインプラントは、アンキロス インプラント です。
前歯部に適したインプラント(プラットホーム・スイッチング) となっています。
今まで長い間義歯(総入れ歯)をされていた患者様にとっては、大変快適な状態となり、
喜んでいただきました。
「硬い物も食べられるようになり、本当に良かった!」
とおっしゃっていただきました。
患者様は、定期的に きちんとメインテナンス(定期検査) にいらしていただいております。
今後 現在の状態が長く続くように努力していくことが重要です。
治療費
上記の症例をインプラントモニターで行った場合の治療費は以下になります。
インプラント 1本 160.000円(消費税別)
被せ物(白い歯) 1装置 100.000円(消費税別)〜
インプラントの土台(アバットメント) 1装置 54.000円(消費税別)
になります。
治療費をさらに抑える方法として 被せ物を金属製にする方法があります。
金属製の被せ物は、1歯 90.000円(消費税別)になります。
当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) 、
OAM(大口式)インプラントシステム 、
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合) 、
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
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