最新インプラント治療:症例報告

2016年 1月14日(木曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科 インプラント症例専門サイト」です。
さて、本日の症例を始めます。
本日のケースは、重度歯周病です。
重度です。
私自身、日本歯周病学会の歯周病専門医ですが、
歯周病専門医だからといって
進行した歯周病を全て治せるわけではありません。
あまりにも進行した歯周病の場合には、治療は困難です。
初診時には、歯周病により 骨吸収がひどく 起こっていました。
このブログは、インプラント専門ブログですので、
歯周病について簡単に解説します。
まず、歯周病は感染症 です。
感染が進むと歯を支えている骨が吸収(溶ける)するのです。
以下の図の左側は、正常な(健康な)状態の図です。
右側は歯周病が進行した状態です。
歯周病が進行すると骨吸収が起こるのです。
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下の写真は、骨吸収がまったくない健康な状態のレントゲン写真です。
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下の写真は、骨吸収が2/3以上ある重度歯周病のレントゲン写真です。
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歯周病になると骨吸収が大きくなってくるのが分かるかと思います。
このように歯周病になると骨吸収が進行するのです。
本日ご紹介する患者様は、初診時すでに歯が8歯欠損していました。
全て歯がある方は
上顎で14歯、
下顎で14歯
の合計28歯が存在します。
今回のケースでは、
上顎で9歯、
下顎で11歯
が残っている状態でした。
そして その残っている歯の骨吸収が非常に大きかったのです。
合計20歯のうち
50%以上の骨吸収があった歯が3歯、
60%以上の骨吸収があった歯が4歯、
70%以上の骨吸収があった歯が4歯、
95%以上の骨吸収があった歯が5歯
でした。
これだけ 聞いても かなりの骨吸収があったことが分かるかと思います。
前置きはこれくらいにして早速 初診時のレントゲンを見てみましょう。
以下が初診時です。
スライド01
多くの歯が グラグラ、
良く腫れ、
膿みが出て、
歯磨き を行うたびに 出血がある状態でした。
スライド02
また、歯が欠損しているために、
審美的にも問題があり、
噛むことができない状態でした。
スライド03
いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために
骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
かなりの骨吸収が起こっているのが分かるかと思います。
スライド04
さらに わかりやすくするために、
骨吸収部位を赤色で表示します。
スライド05
先に説明しましたように骨吸収の程度をみてみましょう!
まず、顎です。
残っている9歯のうち
60%以上の骨吸収のある歯が4歯、
70%以上の骨吸収のある歯が4歯、
95%以上の骨吸収のある歯が1歯
という状態です。
スライド06
次に、顎です。
残っている11歯のうち
30%以上の骨吸収のある歯が4歯、
50%以上の骨吸収のある歯が3歯、
95%以上の骨吸収のある歯が4歯
という状態です。
スライド07
どの歯をとっても良い状態とは言えません。
特に上顎は、歯科医院によっては全て抜歯と診断されることもあるかもしれません。
スライド08
なぜ このような状態になってしまったのでしょうか?
いつものように原因を考えることから始めましょう!
スライド09
原因1
歯周病 です。
歯周病になったから 骨吸収があり、歯肉が腫れ、膿みがでているのです。
歯周病は早期の段階できちんと治療すれば、十分治る病気です。
また、今回の患者様のように骨吸収が起こるには、かなりの期間がかかっています。
おそらく、10年から15年以上は経っているでしょう。
づっと歯周病を放置していたのですから 当然このような結果になってしまったのです。
現在、
出血があったり、
歯肉が腫れたり、
歯がグラグラ
するような方は、早急に歯科医院を受診し、歯周病検査 を受けて下さい。
歯周病の検査は非常に簡単な検査です。
基本的にどこの歯科医院でも行えます。
今まで歯石を取ったことがある方は、歯周病検査 を行っているはずです。
スライド10
原因2
次に 奥歯が欠損したままで放置してしまったことです。
奥歯が欠損しているために、残っている前歯に負担が加わってしまったのです。
残っている前歯自体が骨吸収のため、噛む力に耐えきれない状態ですから
さらに負担が強く加わってしまったのです。
現在、歯を欠損したままでいる人は、本当に要注意です。
大きな問題にならないうちに対応されることが重要です。
スライド11
結論として、
上顎左側の奥歯の1歯と
下顎前歯部の3歯、
下顎左側の奥歯の1歯
は抜歯と判断しました。
スライド12
ここで患者様のご希望を列挙します。
1.きちんと噛めるようになりたい!
奥歯が欠損しているわけですから 食事は十分にできないはずです。
食事が十分にできないことは、当然のことなら健康上よくありません。
将来的なことを考えても なんとか 噛めるようになりたいものです。
2.時間はかかっても良いので 歯周病治療を含めて 徹底して治療を行いたい!
この患者様の場合、歯周病治療 なくしては、将来はありません。
このままでいると 今後は全ての歯がなくなるでしょう。
ここまで骨吸収が進行しているため、今回が最後のチャンスといっても良いでしょう。
なんとしてでも歯周病治療 を行うことが必要です。
3.欠損部は義歯でない治療を希望!
義歯(入れ歯)は、違和感が強く、とても使用できないため、
インプラント治療をご希望されていました。
単に歯周病治療 のみを行っても奥歯をきちんとしないと
結果的に噛む力に耐えきれずにダメになっていくことが考えられます。
4.治療費を最小限に抑えたい!
これは、当然のとです。
歯周病治療 等 保険が適応できる治療は当然のことながら保険診療で行います。
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以下のような治療計画を立てることになりました。
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ただし、患者様の治療費を最小限に抑えたい
というご希望を考えてインプラント治療も最小限の範囲で行う計画を立てました。
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まず、抜歯から始めなければいけません。
この理由として、
歯周病治療 を行っても
感染原因を取除けない歯を放置しておくと、
取残しとなった歯周病細菌は必ず他の歯に感染します。
つまり 他の歯もダメになってしまいますので
どうしても 始めに抜歯が必要なのです。
次に問題なのが、上顎の前歯部の欠損部と下顎の前歯部の欠損部です。
ここをどうするか? です。
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上顎前歯部と下顎前歯部は、ブリッジで対応することにしました。
このことには理由があります。
まず、早期にブリッジの仮歯を作製することにより欠損部をすぐに回復できることです。
下顎の前歯部に関しては、抜歯と同時にブリッジの仮歯を作製すれば、
歯がない期間は、1日もありません。
上顎前歯部については、すぐにでもブリッジの仮歯を作製可能です。
また、上顎の前歯部はグラグラの状態です。
このグラグラをどうにかしないと いけません。
そのため、グラグラしている歯と 比較的問題ない歯を連結させ 固定します。
この治療はもちろん保険が適応されます。
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次に奥歯の欠損部のインプラント治療です。
以下のようにインプラントを埋入します。
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最小限の範囲とするために
上下後の一番奥の欠損部にはインプラントを行わない計画にしました。
これは、患者様の
「治療費を最小限の範囲で抑えたい」
という範囲を考えてのことです。
スライド19
最終的な治療計画は、以下になりました。
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このような治療計画の元、治療開始です。
始めに抜歯と同時にブリッジの仮歯を作製します。
次に徹底した歯周病治療 を行います。
これにより口腔内の感染が減少した段階でインプラント治療になります。
以下は、インプラント埋入直後です。
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以下は治療終了後です。
スライド22
今回の治療により以下のことが達成できました。
1.歯周病が治った!
歯肉の腫れも治り、出血もなくなりました。
当然残っている歯の将来性が高まったのです。
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2.ブリッジにより、グラグラの歯が治まった!
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3.インプラント治療により奥歯で噛めるようになった!
前歯の負担が少なくなり、将来性が高くなった!
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今回使用したインプラントは全てストローマンインプラント(ITIインプラント)
治療費
上記の症例をインプラントモニターで行った場合の治療費は以下になります。
インプラント   1本  160.000円(消費税別)
被せ物(白い歯) 1歯分 100.000円(消費税別)〜 になります。
治療費をさらに抑える方法として 被せ物を金属製にする方法があります。
金属製の被せ物は、 1歯分 90.000円(消費税別)になります。
インプラントの土台(アバットメント)は、1装置54.000円(消費税別)になります。
インプラントモニターの詳細は、以下をご覧下さい。
インプラントモニター制度(手術費用から20%割引)
インプラントモニターは期間限定で行なっている制度です。
モニター終了後は通常料金となりますので、
ご希望される方は、お早めに受けられて下さい。
治療費は現時点での費用であり、今後変更になる可能性があります。
当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合)
ソケットリフト法 の費用が含まれています。
インプラントモニター募集(インプラント手術費用20%割引
インプラントモニターの詳細については、下記をクリックして下さい。
インプラントモニター(手術費用20%割引)
今回のモニター募集は、できるかぎり多くの症例を掲載したいと思っているため、1歯欠損も募集しています。
何歯欠損でも大丈夫ですので、ご希望がございましたらご連絡下さい。
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