インプラント周囲炎:その2
4/20(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『インプラント周囲炎:その2』になります。
前回のブログでは、インプラントも歯周病のような状態になってしまうことを説明しました。
これを『インプラント周囲炎』と言います。
天然歯の場合、歯周病になったら、歯周病の治療を行います。
歯周病治療を行うと 歯周病の進行を停止させることが可能になります。
しかし、あまりにも歯周病が進行してしまった場合には、
歯周病の治療を行っても治らないのです。
抜歯になってしまいます。
それでは、インプラント周囲炎はどうでしょうか?
治るのでしょうか?
それとも摘出しなければならないのでしょうか?
まず、結論から言いますと、インプラント周囲炎も治療可能です。
しかし、インプラント周囲炎があまりにも進行してしまうと
治療は不可能になってしまいます。
以下は、インプラント周囲炎の進行程度による治療方法です。
1.出血があり、歯周病ポケットが3ミリ程度の場合
治療法:PMTC で治ります。
『PMTC』とは、『 Professional Mechanical Tooth Cleaning』の略で、
歯科医師 や 歯科衛生士 のように 特別に訓練を受けた専門家が 器具や
ペースト(フッ素入り歯面清掃剤)を用いて 歯面 および 歯周ポケット
内部に存在している汚れ(細菌)を機械的に除去することを言います。
2.出血があり、歯周ポケット4〜5mmの場合
治療法:PMTC と 薬液で歯周ポケット内部を洗浄し、グルコン酸クロルヘキシジンで毎日口洗することで治ります。
使用する薬液は0.1〜0.2%のグルコン酸クロルヘキシジンが有効
とされています。(商品名:コンクール)
また、0.2%のグルコン酸クロルヘキシジンジェルを歯肉に塗布する
ことも有効とされています。
こうした薬液による口洗を約3週間続けます。
もちろん歯ブラシを徹底して行うことは基本です。
徹底した歯ブラシができないと薬液の効果はありません。
3.出血があり、歯周ポケット5〜6mm程度の場合
まず、レントゲンによる検査が必要になります。
レントゲン検査の結果、骨の吸収がない場合には以下の処置を行います。
治療法:PMTC と 薬液で歯周ポケット内部を洗浄し、グルコン酸クロルヘキシジンで毎日口洗します。
そして、3週間程度経過したら再度検査を行い、問題がないか確認します。
問題があれば、次の治療に以降する可能性があります。
4.出血があり、歯周ポケットが5mm以上で さらに、骨吸収がある場合
まず、レントゲンによる検査が必要になります。
レントゲン検査の結果、骨の吸収が2mm以下であれば、以下の処置を行い
ます。
骨の吸収が起っているということは大きな問題です。
早急に対応しないと問題が広がり、インプラントを摘出する可能性があり
ます。
治療法:PMTC と 薬液で歯周ポケット内部を洗浄し、グルコン酸クロルヘキシジンで毎日口洗する。
+全身的 あるいは 歯周ポケット内部への抗生剤の使用
約10日間続けます。
上記のようなことを行い、改善しない場合には以下の治療を行う
必要性があります。
5.出血があり、出血があり、歯周ポケットが5mm以上で さらに、骨吸収が2ミリ以上ある場合
レントゲン検査の結果、骨の吸収が2mm以上であれば、以下の処置を行い
ます。
2mm以上の骨吸収は大きな問題です。
早急の対応が必要です。
場合により摘出する可能性があります。
治療法:PMTC と 薬液で歯周ポケット内部を洗浄し、グルコン酸クロルヘキシジンで毎日口洗する。
+全身的 あるいは 歯周ポケット内部への抗生剤の使用
+外科処置を行う
骨の吸収が著しい場合には外科処置を行う必要性があります。
外科処置とは麻酔をし、歯肉を切開し、内部の汚れを取り除きます。
インプラント周囲炎が 治るか 治らないかどうかの判断基準は、
骨吸収の有無に大きく左右されます。
インプラント周囲の歯肉が少しでも腫れた場合には、できる限り早期に対応することが最も大切です。
インプラントがダメになってしまった場合には、再度インプラント治療が必要になったりしますので大変です。
次回のブログは4/23(木曜日)になります。
今週(4/17〜19)のインプラント手術報告
今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。
この3日間のインプラント手術は、骨の吸収が非常に大きく、大変な治療ばかりでした。
その中の1症例ですが、上顎の奥歯において、
骨の幅が2〜3ミリ程度しかなく、
さらに骨の高さも4〜5ミリ程度しかないケースでした。
通常、上顎の奥歯において、インプラントを適切に行うためには、
骨の幅は6ミリ程度
骨の高さが10ミリ以上
存在することが良い条件です。
そう考えると今回のこの症例は、大変 難症例といっても良いでしょう。
そのため、今回行った治療は、
幅を増大するために、
『スプリッティング法』と『GBR法』を併用し、
高さを増大させるために、
『ソケットリフト法』を併用しました。
*各治療の詳細は、それぞれをクリックして下さい。
もう少し骨吸収が進んでいれば、インプラントを行うこと自体無理だったかもしれません。
最近、このように骨吸収が非常に進行してから
来院される方が多くなってきています。
早めに治療すれば、する程 治療が楽にできますので、インプラント治療をお考えの方は、できるかぎり早期にインプラント専門歯科医院を受診されることとお勧めします。
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 、 サイナスリフト、 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例、 無料相談コーナーもあります。