インプラント症例:46回目
5/17(月曜日)です。
このインプラント症例ブログは毎週 月曜日と木曜日にアップしています。
今日も『46回目のインプラント症例』になります。
本日ご紹介する症例のテーマは、
『患者様に合わせた治療計画!』です。
インプラント治療を行う場合、さまざまなことを考慮して治療計画を立てます。
第一に口腔内の状態です。(当たり前ですが…)
骨吸収の状態や、
歯周病の状態、
噛み合わせの状態、
残っている歯の将来性、
等を考慮して 最も良い治療法(将来性の高い治療計画)を患者様に提示します。
その中で『残っている歯の将来性』というのは、治療計画を立てる上で重要なことになります。
例えば、以下のようなケースがあったとします。
前歯が1歯欠損している症例です。
患者様がインプラント治療をご希望される場合には
通常であれば、1本のインプラントを埋入することになります。
しかし、歯周病 や レントゲン 等の検査をしたところ
その両側(左右)の歯もダメな状態であったとします。
つまり、欠損部の両側の歯の将来性は非常に低いということです。
このような場合、現在欠損している部位に1本のインプラントを埋入すると
治療後にインプラントの両側の歯がダメになれば、
再度 歯がなくなった部位へのインプラント治療が必要になります。
つまり、先に行ったインプラントの両側の2歯にもインプラントを埋入する必要性があるのです。
結果的に3本のインプラントが必要になるのです。
このように現時点では歯はダメになっていないが、将来性が非常に低い歯があった場合、
無理して歯を残すのではなく、将来性を考えて 抜歯を選択することも一つの方法です。
つまり、上顎前歯部の1欠損のみに対しインプラント治療を行うのではなく、
その両側の歯を抜歯し、3歯欠損として 治療計画を立てることです。
3歯欠損であれば、2本のインプラントを埋入してブリッジとします。
こうすれば、2本のインプラントですむわけです。
治療費、再治療の大変さ
ということから考えれば、先を見据えて抜歯する方法も有効なことです。
歯がダメになるたびにインプラントを埋入するのであれば、
毎回、毎回 大変な思いをするだけでなく、治療費も大変になります。
私自身の基本的な考えとして、その場限りの治療計画を立てるのではなく、
『将来性を考えた治療計画』が重要と思っています。
そのため、患者様には今後起こることをふまえた治療計画を提示させていただいています。
しかし、当然のことながら 患者様のご希望が優先されることもあります。
本日ご紹介する症例は、そのようなケースです。
前置きが長くなってしまいましたが、以下が初診時です。
まずこの患者様の大きなポイントとして
下顎の左右奥歯が欠損しています。
上顎の前歯も欠損しています。
欠損部位はそのままになっており、義歯(入れ歯)も使用していません。
当然これでは噛むこともできませんし、審美的にも問題があります。
また、残っている上顎の前歯はグラグラです。
指で触ってもすぐ取れそうなくらいです。
いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために
骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
骨がかなり吸収しているのが分かるかと思います。
この後での治療計画で必要な上顎洞についても記載しておきましょう。
以下のレントゲンの緑線は上顎洞という空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
いつもこのブログをご覧になっている方はもうすでにご存知のことと思います。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
上顎洞
こうした 上顎洞 と 骨吸収の状態を先にご理解していただくと
この後の話しが分かりやすくなります。
歯周病検査 等から以下の4歯は確実に抜歯するしか方法はありませんでした。
それでは、他の歯はどうなのでしょうか?
将来的には大丈夫なのでしょうか?
そうではありません。
以下のレントゲン写真の黄色丸の部分は将来性が低い歯です。
それでは黄色丸の歯は本当に抜歯しか方法はないのでしょうか?
残すことはできないのでしょうか?
将来性がないからといって先程の黄色丸の歯を抜歯すると ほとんどの歯が抜歯の対象になってしまいます。
本日の始めに解説したようにダメな歯は先に抜歯して治療計画を立てた方が
将来性が高い治療にはなります。
しかし、患者様のご希望、治療費の問題…等を考えての治療計画ということも重要です。
最終的な治療計画というのは決まっているものではありません。
さまざまなことを考慮して決定されるのです。
どの治療方法が一番ということではありません。
今回の症例においても
現在の問題点(骨吸収の程度、歯周病の進行程度、噛み合わせの問題…)を患者様にご説明し、
将来的にどのようなことが起こるのか?
等を患者様にご説明したところ
患者様のご希望は以下のようなことでした。
1.上顎の前歯部のグラグラしている歯は、噛むこともできないので抜歯を希望
2.抜歯後は、入れ歯は避けたい
3.上顎の前歯部は、インプラント治療を希望
4.ただし、骨移植を伴うような大変な治療は避けたい
5.可能なかぎり簡単な方法でインプラント治療を行いたい
6.その他の状態の悪い歯は 厳しいとは思うが、可能なかぎり残したい
7.下顎の奥歯についてはインプラント治療を行いたい気持ちはあるが、費用的に無理
8.まずは上顎の前歯部を優先させて治療を行いたい
ということでした。
現時点での骨吸収の状態 や 噛み合わせ 等を考えると
患者様のご希望を全て取り入れることは難しい状態でした。
患者様のご希望(治療費、抜歯部位の希望…等)、
骨吸収の状態、
将来性
を考慮した結果、最終的な治療計画は以下のようになりました。
入れ歯を使用しない方法としては、最小限の範囲の治療計画です。
上顎の前歯部の欠損は8歯分です。
8欠損に対し、4本のインプラントを埋入しブリッジとします。
ただし、問題なのは骨吸収の状態です。
先にご説明したように上顎は骨吸収が非常に大きい部位です。
特に上顎右側の奥の欠損部は、非常に問題ありました。
上顎右側の奥歯にインプラントをい埋入するためには、骨移植を行う必要性があります。
サイナスリフト法(上顎底挙上術) です。
しかし、患者様は『大変な治療は避けたい!』というご希望が強かったため、骨がある程度存在する部位のみにインプラントを埋入する計画を立てたのです。
上顎の右側はカンチレバー で対応し、
上顎の左側はソケットリフト法 で対応しました。
以下が治療後約4年の状態です。
骨吸収をしている部位を避けてインプラントを埋入しているのが分かるかと思います。
現在治療終了後、メインテナンス(定期検査) が4年程度行っていますが、トラブルなく経過しています。
今回の症例は100%の治療計画とは言えませんが、患者様のご希望の中で可能なかぎりの治療は達成できたと思います。
最小限の抜歯の範囲、
骨移植等の大変な治療を避けて最小限の治療、
最小限のインプラントの本数
最小限の治療費
等で治療を行っています。
患者様の治療結果の満足度は高いものです。
しかし、今後この状態を維持していくことが最も重要なことです。
幸い患者様はご協力度は高く必ずメインテナンス(定期検査) にいらしていただいています。
本日のテーマは『患者様に合わせた治療計画!』でした。
可能なかぎりご要望に合わせた治療計画を立てたいと考えています。
次回のブログは5/20(木曜日)になります。
次回もまだまだ続く『インプラント症例』です。
さまざまケースを紹介しますので、きっと あなたと同じような症例があるはずです。
今週(5/14〜16)のインプラント手術報告
今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。
昨日行った手術をご紹介します。
GBR法(骨増大法) 、
PRP法 、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) 、
OAM(大口式)インプラントシステム 、
ソケットリフト法
等さまざまな治療法を駆使してインプラントを埋入しました。
使用したインプラントはストローマンインプラント(ITIインプラント)と
アンキロス インプラント です。
麻酔は静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) で行いました。
インプラントモニター ですので、治療が終了しましたら再度このブログでご紹介したいと思います。
今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型取りを行います。
治療費
インプラントモニターですので1本168.000円(消費税込)になります。
この費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) 、
GBR法(骨増大法) 、
ソケットリフト法 の費用、
PRP法 、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。
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現在、新規にインプラント症例集のページを作成しています。
さまざまなケースを見ていただくことにより、よりインプラント治療についてご理解していただきたいと思います。
そのため、症例を公開しても大丈夫という方(インプラントモニター)を募集しています。
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