インプラント症例:28回目
3/8(月曜日)です。
今日も『インプラント症例の28回目』になります。
本日の症例紹介の前にお知らせです。
このブログ以外にも 2つのブログを毎週書いているのですが、
現在インプラント基礎ブログ では、『骨粗鬆症治療薬 と 歯科治療の関係』 について 今週から シリーズで解説をしています。
ご興味のある方はご覧になって下さい。
インプラント基礎ブログ(骨粗鬆症治療薬 と 歯科治療の関係)
さて本日の症例になります。
本日の患者様は 他歯科医院でインプラント治療を行ったが、
インプラント部分が腫れてきて 出血もあり、膿みも出てくる
とのことで転院し、当医院を受診された方です。
初診時に歯周病検査 、レントゲン検査等を行いました。
口腔内全体に大きな問題がありました。
まず、他歯科医院で治療したインプラント周囲の骨が吸収していました。
インプラントが歯周病になったのです。
このような状態をインプラント周囲炎(インプラントの歯周病) と言います。
また、上顎の歯は全てグラグラしており、
指で触ってただけでもすぐに取れてしまうような状態でした。
上顎は重度歯周病であったのです。
前医が口腔内全体をなにも考えずに治療を行ったことが分かる状態でした。
以下のレントゲンが初診時の状態です。
まず、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病) の話をしたいと思います。
以下の赤丸がインプラント周囲炎 となっている部分です。
チタンという金属でできたインプラントでも 汚れが付着すると 天然歯のように歯周病になってしまいます。
インプラント周囲の歯肉が腫れ、出血が起こり、
それが進むとインプラント周囲の骨が吸収(溶けて)してしまいます。
以下のレントゲンは、インプラント周囲の骨吸収を書いたものです。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
骨の吸収が起こっているのが分かるかと思います。
こうなるとかなり深刻な状態です。
インプラント周囲炎 は進行してしまうと 治療がかなり困難になってしまいます。
インプラント周囲炎 の治療方法については、以下を参考にして下さい。
インプラント周囲炎の治療方法
問題なのは、インプラント部分だけではありません。
先にもご説明したように 上顎は全て グラグラしています。
指で触ると取れそうな状態です。
重度歯周病です。
本当であれば、このような重度歯周病の状態でインプラント治療を行うことは、良いことではありません。
インプラント治療を行う前に必ず歯周病の治療 を行うことが必要です。
歯周病の治療 を行わないでのインプラント治療は考えられません。
今回ご紹介する患者様は、歯磨きも十分できない方であり、重度歯周病の状態でインプラント治療を行えば、必ずインプラントがダメになることは 始めから 分かっていたことです。
上顎の骨吸収の状態をあらわしたのが、以下のレントゲンです。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
骨が吸収してしまったのが分かるかと思います。
緑線は上顎洞です。
上顎洞(緑線の上方)は空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
上顎洞
結論として上顎の天然歯は全て抜歯です。
以下は抜歯した後のレントゲンです。
抜歯当日から歯がないということはありません。
抜歯前に型を取り、抜歯当日に義歯を装着するため、歯がない期間は1日もありません。
しかし、問題なのは、歯周病を放置していたために起こっている 骨の吸収です。
これが、かなりの骨吸収でした。
大変です!!
GBR法(骨増大法) 、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) 、
PRP法 、
ソケットリフト法 、
等骨の増大治療を行いました。
もちろん、歯周病治療は先に終わらせています。
インプラント周囲炎 の治療も先に終了させています。
以下がインプラントシュミレーションです。
下顎の歯数に合わせて、上顎の11欠損に6本のインプラントを埋入し、ブリッジとした治療計画です。
以下のレントゲンは、インプラント手術直後です。
以下のレントゲンは、先程のインプラント手術直後のレントゲンに骨吸収の状態を書いたものです。
骨吸収に沿ってインプラントが埋入されているのが分かると思います。
手術直後のレントゲンだけをみると簡単そうに思えますが、結構大変なのです。
インプラントと骨が結合する間(約3〜4ヶ月)は、義歯が使用できますので歯がないということはありません。
使用したインプラントはアンキロス インプラント です。
以下のレントゲンは、インプラント治療終了後です。
今後の問題点(心配点)として、インプラント周囲炎 となったインプラントの予後です。
骨吸収がこれだけ進行したインプラントの場合、本来撤去することが良い方法ですが、
治療を受けられた患者様にとっては、腫れ や 痛みがなければ
できるかぎり撤去したくないと思うのは本音であると思います。
この部分のインプラントは、経過観察中にこれ以上骨吸収が進行するようであれば、やはり撤去する必要性があります。
ただし、現在はインプラント周囲炎の治療 効果もあって骨吸収の止まっており、歯肉の腫れ、出血ともにありません。
このままおちついてくれれば良いのですが…
本来は、こうなる前に きちんとした対応が重要なのです。
今回のように上顎に重度の歯周病が存在する状態で インプラントをすべきではありません。
歯周病治療が可能であれば、きちんと治療を行った後で インプラントを埋入べきです。
ただし、歯周病治療が不可能な状態まで進行している場合には 抜歯が必要です。
中途半端は 決して良い結果とはなりません。
本日のインプラント症例ブログは、診断と治療計画の重要性 についてでした。
次回のブログは3/11(木曜日)になります。
次回もまだまだ続きます『インプラント症例報告』です。
次回の症例は、歯周病治療とインプラント治療の組み合わせケースです。
今週(3/5〜7)のインプラント手術報告
今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。
本日ご紹介する患者様もインプラントモニターの方です。
インプラントモニターを募集する理由の一つに
HPでの症例集を新しく作成したいと考えていたためです。
インプラントモニターの応募が予想以上に多く、現時点でも症例集を作成するのに十分な数になりました。
しかし、あまりにもインプラントモニターをご希望される方が多いので
このまま継続したいと思います。
昨日インプラント手術を行った方もインプラントモニターの方でした。
初診時のレントゲンは以下になります。
歯根上顎右側と下顎左側の奥歯の両方とも歯根破折 を起こしています。
昨日は、上顎の右側に3本のインプラントを埋入しました。
骨吸収もあったため、GBR法(骨増大法) を併用してインプラントを埋入しました。
以下が昨日のインプラント手術直後のレントゲンです。
一番奥のインプラントとその手前2本のインプラントの間にスペースがあるのは、
この部分には、もともと歯根破折した歯があったため、抜歯後に大きな穴が開いているため、
この部分を避けてインプラントを埋入したためです。
使用したインプラントは、アンキロス インプラント です。
この症例も治療が終了しましたらブログで紹介します。
治療費
インプラントが1本168.000円(税込)です。
この中には、治療中のレントゲン撮影やGBR法 等の費用も全て含まれています。
インプラントモニター募集(20%割引
現在、新規にインプラント症例集のページを作成しています。
さまざまなケースを見ていただくことにより、よりインプラント治療についてご理解していただきたいと思います。
そのため、症例を公開しても大丈夫という方(インプラントモニター)を募集しています。
インプラントモニターの詳細については、下記をクリックして下さい。
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今回のモニター募集は、できるかぎり多くの症例を掲載したいと思っているため、1歯欠損も募集しています。
何歯欠損でも大丈夫ですので、ご希望がございましたらご連絡下さい。
最近インプラント治療を行う際に静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) をご希望される方が非常に多くなってきています。
そこで、静脈内鎮静法 による麻酔をもっと多くの方にご利用していただくために 今まで3万円かかっていた費用を無料にしました。
これは、静脈内鎮静法 でインプラント治療を行いたいが、麻酔費用がかかるのがネックと考えられ断念されるケースがでてきたためです。
そのため、暫くの間 試験的に無料とさせていただくことにしました。
ご希望の方は、ご利用下さい。
圧倒的に楽にインプラント治療が行えます。
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 、 サイナスリフト、 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例、 無料相談コーナーもあります。