2014年最後の「最新インプラント症例ブログ」
2014年最後の「最新インプラント症例ブログ」です。
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今年もインプラント治療をご希望される患者様は、
本当に多くご来院されました。
入れ歯しか選択肢がない時代には、
我慢して義歯を使用されていた方が多かったのですが、
どうしても義歯に違和感があり、使用できない方や
今までは、
抜歯した後で一般的に行われていたブリッジという治療がありますが、
ブリッジはどうしても欠損部の両側の歯を削る必要性があり、
歯を削ることに抵抗がある方や
以前に歯を削りブリッジをしたが、
そのブリッジを行った歯自体がダメになり、
はやり歯を削るブリッジには抵抗がある
という患者様が多くいらっしゃいます。
インプラント治療がベストということではありませんが、
歯を削るブリッジには欠点が多いことも事実です。
できれば歯を削らない治療法を選択した方が
将来的なリスクが低くなるケースも多く存在します。
しかし、必ずしもブリッジが悪いということではありません。
ブリッジの土台となる歯の状態によっても
どのような治療法が良いのか
ということも違ってきます。
また、インプラント治療といっても
インプラントを埋め込むための骨の状態が悪い方では、
インプラント治療が適さないケースも存在します。
また歯周病がある状態でインプラント治療を行うと
インプラントに歯周病細菌が感染し、
インプラント自体がダメになることもあります。
噛み合わせの負担がインプラントがダメになるケースも存在します。
そのため、
必ずブリッジがダメで
インプラントが優れているということでもありません。
義歯、インプラント、ブリリッジのどれが良いのかは、
患者様それぞれの口腔内状況によっても大きく変わります。
そのため、まずは歯科医院で検査をされ、
ご相談をしていただくことが最も良いでしょう。
今年インプラント治療をご希望されて来院された患者様の中でも
義歯を勧めた方も多くいらっしゃいましたし、
ブリッジを行った方も多くいらっしゃいました。
なにが最も良い治療法であるのかは、
患者様によって異なるのです。
それでは今年最後の症例です。
本日ご紹介するケース(再アップケース)は、本当に大変な症例でした。
それは骨吸収が非常に大きかったからです。
以下が初診時です。
歯肉は腫れ、出血が多く、膿みが出て、
多くの歯はグラグラで ほとんど噛めない状態でした。
上下顎ともグラグラです。
いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために
骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
かなりの骨吸収が起こっているのが分かるかと思います。
さらに わかりやすくするために、
骨吸収部位を赤色で表示します。
非常に骨吸収が大きいのが分かるかと思います。
奥歯が欠損していることもあり、
残っている歯には、噛む力の負担が非常に加わりやすい状態です。
以下の歯は抜歯しか方法がない状態の歯です。
歯周病は、病状が進行すると 歯を支えている骨が吸収する 病気です。
支えている骨の吸収が進行すると 歯がグラグラ してきて 抜けてしまいます。
もちろん、歯周病が進行しないうちに 適切に治療を行えば、歯周病の進行を停止させることが可能です。
歯周病の治療とは、
ルートプレーニング 、
フラップ オペレーション 、
GTR法 、
エムドゲイン法
といった治療です。
しかし、こうした治療にも限界があります。
あまりにも骨吸収が進行してしまった場合には、私のような歯周病専門医 であっても治すことは不可能です。
抜歯になります。
全ての歯周病を治すこはできないのです。
しかし、患者様にとって抜歯は可能なかぎり避けたいものです。
そのため、完全に抜歯しか方法がない状態でも 抜歯をご希望されない方は、多くいらっしゃいます。
これが、大きな問題なのです。
こうしたことを患者様に 他の例でご説明することがあります。
お腹が痛くて内科を受診したとします。
診査の結果、病名が ガン(癌)と診断されたとします。
しかも、ガンは、かなり進行していたのです。
もっと早い段階でガンが発見されていれば、抗ガン剤 や 放射線治療で治ることが可能だったのですが、
ガンが進行してしまっている現状では、ガンの部分を切除するしか治療方法はなかったとします。
もし、切除しないと ガンは、他の臓器にも転移してしまうからです。
ガンが転移した結果、生死にも関わってくるのです。
そのため、外科処置によってガンを切除する方法を選択するのです。
歯周病も同じです。
歯周病は感染症 ですので、治療を行っても治らない歯を放置すると
必ず 他の歯に感染してしまいます。
つまり、さらに多くの歯を失ってしまうのです。
歯周病は、感染症 であることをしっかりと認識することが 歯周病治療を行うための第一歩なのです。
しかし、100%治療ができない歯であっても どうしても抜歯を希望されない方がいらっしゃいます。
その結果、さらに多くの歯を失うことになるだけでなく、
骨吸収が進行することにより、歯が抜け落ちた後の治療が困難(不可能)になってしまうことが多いのです。
話しを今回の症例に戻します。
患者様には、抜歯しか方法がない歯の抜歯については、同意をしていただき
抜歯となりました。
下顎に関しては、本来は抜歯してもおかしくないような進行した歯周病でしたが、
徹底した歯周病治療を行い、保存することにしました。
以下は、抜歯が終了した状態です。
抜歯後の状態に先程と同様に骨吸収の線を記入した状態が以下になります。
さらに問題なのは、奥歯の骨吸収です。
これが大変な状態でした。
以下の緑線は上顎洞という空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
いつもこのブログをご覧になっている方はもうすでにご存知のことと思います。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
上顎洞
上顎の奥歯においては、インプラントを埋め込むための骨の高さがほとんどない状態です。
前回のブログでもそうでしたが、このままでは、奥歯にインプラントを埋め込むことは不可能です。
どうしたら良いのでしょうか?
このような場合には、上顎の奥歯の上顎洞の中に骨を移植することが必要になります。
サイナスリフト法(上顎洞底挙上術) と言います。
このサイナスリフト法(上顎洞底挙上術) を行なえば、奥歯にインプラントを埋め込むことが可能となります。
そして、その手前の欠損部にもさまざまな方法を駆使してインプラントを埋入します。
以下が理想的なインプラント埋入治療プランです。
しかし、このサイナスリフト法(上顎洞底挙上術) は、かなり大変な治療です。
特に今回のケースでは、左右側とも行なう必要性がありますし、
移植する骨の量もかなり多くなります。
そのため、治療を受けられる患者様には、大変な治療と言えます。
また、サイナスリフト法(上顎洞底挙上術) を行なうと
治療費もそれなりに多くかかります。
患者様に治療(サイナスリフト法(上顎洞底挙上術) )に対する説明を行なったところ、
「大変な治療は避けたい!」
とのご希望がありましたので、サイナスリフト法(上顎洞底挙上術) を行なわない治療方針を考えることにしました。
そこで奥歯には、インプラント治療を行なわないで
前歯部を中心としてインプラント治療を行なうことにしました。
下顎は徹底した歯周病治療を行ないます。
それでも上顎は骨吸収が大きいのでインプラント治療は非常に大変です。
インプラント手術も 以下のような さまざなま治療方法を駆使して行ないました。
ソケットリフト法 、
GBR法(骨増大法) 、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) 、
OAM(大口式)インプラントシステム 、
PRP法
等です。
1回目のインプラント手術が終了したのが以下のレントゲンです。
上顎の左側の2本のインプラントの間は、骨吸収が大きくGBR法(骨増大法) のみ行ないました。
その後、2回目のインプラント手術を行ない、追加のインプラント手術を行ないました。
以下は、インプラント治療が終了した状態です。
使用したインプラントは、
アンキロス インプラント と
ストローマンインプラント(ITIインプラント)
です。
治療費
上記の症例をインプラントモニターで行った場合の治療費は以下になります。
インプラント 1本 168.000円(消費税込)
被せ物(白い歯) 1歯 105.000円(消費税込)〜
治療費をさらに抑える方法として 被せ物を金属製にする方法があります。
金属製の被せ物は、1歯 73.500円(消費税込)になります。
当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) 、
OAM(大口式)インプラントシステム 、
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合) 、
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。
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今回のモニター募集は、できるかぎり多くの症例を掲載したいと思っているため、1歯欠損も募集しています。
何歯欠損でも大丈夫ですので、ご希望がございましたらご連絡下さい。