金属アレルギー治療の最前線:オールセラミック:その5

2015年 6月15日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

先週は データまとめで ちょっと忙しく 久しぶりのブログアップです。

始めに 院長不在案内です。
6月21日(日曜日)は、
インプラントセミナー参加のため、院長不在となります。

それでは今週のブログです。
今日のテーマは、
『金属アレルギー治療の最前線:オールセラミック:その5』になります。

今までの4回でオールセラミック治療はどういった治療であるかということを
利点、欠点とともに解説してきました。

オールセラミックは、
今まで行われてきた金属製の治療とは大きく異なり、
多くの利点があります。

今まで行なわれてきた金属性の詰め物 や 被せ物は、
単に審美的に問題あるわけではなく、
セメントという ものを使用しているため、
厳密に言えば、
歯と金属はくっついているわけではないのです。

このことは、今回のシリーズで解説してきたことです。

歯と金属の間にある「セメント」は、
噛む力の負担や
唾液、
金属の膨張や収縮の繰り返し

さまざまな要因によって劣化していきます。

その結果、
セメントは崩壊し、溶け出していきます。

セメントが崩壊すると
歯と金属の間に隙間ができます。

この隙間から唾液が侵入し、
虫歯となることが多くありました。

金属の詰め物 や 被せ物が取れたことを
経験されたことがある方は多いかと思います。

その時に
歯科医師に
「中で虫歯になっています!」
と言われたことがある方も多いかと思います。

詰め物が早期に取れてくれれば
中で虫歯が進行している可能性は低いですが、

比較的にしっかりした被せ物や詰め物であった場合には、
なかなか取れないことが多くあります。

この場合には、しらないうちに
中で虫歯が進行していることがあります。

結果的に
詰め物 や 被せ物が取れた 後で
虫歯を大きく削ることがあります。

場合によっては、
虫歯を削った段階で
神経が見えてきて、
神経を取り除く治療が必要になる場合もあります。

神経を取った歯というのは、
脆く
突然折れることもあります。

歯の根の先に膿みを溜めることもあります。

神経がない歯は、神経がある歯と比較すると
圧倒的にリスクが高いのは事実です。

そうならないためにも
詰め物 や 被せ物の中で虫歯が進行しないことが重要なのです。

もともと虫歯のリスクが高い方の場合、
現実的に100%虫歯にならないという方法はありません。

もちろん歯ブラシを適切に行なうことで
リスクは軽減できますし、
フッ素 等の使用も効果があります。

しかし、絶対に虫歯にならないという方法はありませんので、
虫歯のリスクが高い方の場合、
予防を徹底して行なうことが重要なのです。

オールセラミック治療というのは、
そうした予防という面でも非常に効果的な材質(方法)なのです。

先ほど記載した
一般的に金属治療で使用されるセメントは、
さまざまな条件で劣化していくことで、
隙間から細菌が含まれた唾液が侵入し、
虫歯となっていくのです。

前回のブログでも説明しましたように
オールセラミック自体は、
強度が弱い(脆い)材質です。

そのため、歯をしっかりとくっつけないと
破損してしまいます。

そこで、重要になってくることが
歯 と オールセラミックを取れないように
しっかりと接着させることが重要になってきます。

この接着がしっかりとすることで
歯 と オールセラミックは脱離しにくく、
オールセラミックも破損しにくくなります。

この時に使用するのが
レジンセメントという接着材です。

今まで金属治療で使用されてきた
歯とくっつける材質は、セメントであり、
厳密に言えば 歯とくついているわけではありません。

しかし、
レジンセメントは、
歯としっかりと接着しています。

このレジンセメントは、非常に強度であり、
破損しにくい材質です。

そのため、
今まで使用されてきたセメントのように
崩壊することで隙間ができることが少なくなりました。

歯とオールセラミックの隙間が少ないということは、
それだけ、虫歯になりにくいということです。

そのため、オールセラミックは虫歯になりにくいということなのです。

オールセラミック自体が虫歯になりにくいのではなく
この接着があるからこそ 虫歯になりにくのです。

また、金属性と比較すると
オールセラミックの方が汚れの付着が少ないことも
虫歯 や 歯周病 予防の点からも優れています。

いいことばかりのオールセラミックの話をしていますが、
本日は、オールセラミックの欠点についても説明します。

すべての虫歯治療でオールセラミックにすれば良いのかというと
そうではありません。

噛み合わせの状態によっては金属製の方が良い場合もあります。

また、オールセラミックを作製するためには、
オールセラミック自体に ある程度の厚み や 大きさが必要になります。

例えば、1ミリにも満たない 厚み や 大きさ のセラミックを作製しても
割れる可能性があります。

もちろん1ミリにも満たない大きさのセラミック自体
作製することが難しいこともあります。

そのため、セラミックに厚みを保たせるために
歯自体を一定量削ることが必要になります。
これも欠点になります。
(ただし 使用するセラミックの種類により必要な厚みは異なります
 近年では、薄いセラミックでも強度を十分にとれる材質もできています)

もし、虫歯が非常に小さい場合には、
どのような治療法が良いでしょうか?

先に説明しましたように
オールセラミックは、ある程度の厚みが必要になりますので、
虫歯が本当に小さな場合には、
その部位にオールセラミック治療を行なおうとすると
虫歯以上に歯を削ることが必要になってしまうケースもあります。

小さい虫歯の場合には、セラ
ミック治療を行うために
必要以上の歯を削ることがあるため良くありません。

この場合には、
虫歯の大きさ や 虫歯の部位、噛み合わせ 等
によって判断されることにはなりますが、
コンポジットレジン(以下CR)という樹脂で治療する方法もあります。

CR治療は比較的治療方法は簡単です。

ステップ1:治療前

ステップ2:金属を除去し、虫歯も除去。

ステップ3:CRは始めは軟らかい状態であり、削った穴に充填し、
      視光線(かしこうせん)という光を当てることで
      樹脂(CR)を固めます。

ステップ4:高さの調整をし、完了です。
      簡単なケースであれば、1回の治療で20分程度で終了です。
      

スライド1

健康保険が適応されますので、
患者様にとっても費用負担が軽減されることもあります。

どのような治療もそうですが、
これしか治療法がないということはありませんので、
虫歯の大きさや
噛み合わせの状態、
等 さまざまなことを考慮して治療法を選択することが必要です。

次回もオールセラミックの話になります。

最近テレビ等で金属アレルギーの特集があるようですが、
そうしたことがせいなのか
金属アレルギー検査を希望される方が本当に急増しています。

10年前では、あまりなかった金属アレルギー検査ですが、
年々増えています。

それだけ関心がある方が多いのですね。

金属アレルギー検査については、以下をご覧になって下さい
金属アレルギー検査(パッチテスト)

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