歯周病を理解するため バイオフィルムを図解する!

2018年1月29日(月曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。
前回までのブログでは
PMCTというクリーニング方法 
および
歯周病の原因となるバイオフィルムについて解説しました。
バイオフィルムについては前のブログの以下をご覧になってください。
歯周病におけるバイオフィルムってなに? バイオフィルムは歯周病の原因となる
今日のテーマは
歯周病を理解するため バイオフィルムを図解する!』になります。
私は毎月歯科衛生士さん向けの講演を行なっているのですが、
その際にできる限り簡単に歯周病を説明するために様々なテーマを図解で解説しています。
ワンランク上の歯科衛生士になる為のスキルアップセミナー”ペリオ編”
その中でこのバイオフィルムについて使用している内容を図解で少し紹介します。
まず始めに歯周病について簡単に説明します。
歯周病とは、
歯周病細菌による感染症です。
歯周病細菌が歯周ポケットない部で繁殖(増殖)することで歯周病が進行してきます。
歯周病細菌がいなければ歯周病にはなりません。
歯周病細菌の存在が大きな影響をしてくるのです。
まず歯周ポケットとは、
歯と歯肉はくっついておらず わずかな隙間が存在します。
この隙間を歯肉溝(しにくこう)と言います。
この隙間(歯肉溝)の中に細菌が入り込み、
深い部分へと侵入していくことで歯周病が進行していきます。
以下が歯周ポケットです。

歯周ポケット検査では、1歯について歯の周囲を6箇所測定します。

その時に使用する器具が以下のプローブというものです。

歯周病の進行を以下で図解します。
まず健康な状態です。
歯肉溝は、1〜2ミリ程度です。
歯肉の炎症はなく、
歯の根を支えている骨の吸収も認められません。

以下が少し歯周病が進行した状態です。
歯周ポケットは4ミリ以上になります。

さらに進行した状態です。
歯周ポケットはさらに深くなり、
6ミリ以上になります。

さらに歯周病は進行し、
歯の根を支えていた骨の吸収もさらに大きくなります。

こうなると歯はグラグラです。
実際のレントゲンで健康な方と歯周病の方を比較してみましょう。
以下は健康な方のレントゲンと口腔内写真です。


以下は骨吸収が進行した歯周病の方のレントゲンと口腔内写真です。


さて本日の本題です。
本日はこの歯周ポケットをみていきます。
以下の
赤い部分が歯肉です。
右側の黄色い部分が歯根です。
間の水色の部分が歯肉溝(歯周ポケット)です。
まずこの状態を理解して下さい。
(この状態がわからないと先に進めないです)

歯肉溝(しにくこう)の中には、
歯肉溝浸出液(しにくこうしんしゅつえき)という液体が流れています。
大雑把に言えば、
目では涙が出たり、
鼻では鼻水が出るようなものです。
歯肉溝の中でも正常な状態で常に歯肉溝浸出液が流れています。
深い部分から歯肉溝の外へと流れて出ているのです。


さて次の段階の話です。
ちょっと難しくなります。
根の表面にはペリクルという薄い膜が付着します。

ペリクルは根面を保護する役目もはたしています。
さて次の段階です。
歯肉溝に歯周病細菌が侵入してきます。


歯肉溝浸出液の中で歯周病細菌は増えていきます。


身体の中(歯肉溝内部)で歯周病細菌が増えることは当然の事ながら良いことではありません。
そこで身体はこう考えるわけです。
「このまま細菌の侵入を許すわけにはいかない」

そこで歯肉溝浸出液中にいる好中球は細菌を発見するわけです。
好中球とは、体の血液中の成分である白血球の一部で、
細菌を退治するための大切な成分です。

細菌を退治するのは他にも抗体や様々な成分がありますが、
複雑になるので
好中球を中心に話を進めましょう。

歯肉溝滲出液中には
好中球 や 抗体 その他 様々な物質が存在しており
細菌が悪さ しないように見張っているのです
まあ 警察官が
パトロールしているようなものです

好中球 達が警察官
細菌は犯罪者
と考えてください

そこで歯肉溝浸出液中の歯周病細菌はこう思うわけです。

「好中球達(警察官)がウヨウヨしているな奴らに捕まると逮捕されてしまう」

それに対して好中球達(警察官)はこう思うわけです

「よし細菌(犯罪者)を逮捕するぞ!」

「よし捕まえろ!」


細菌はやられました

歯周ポケット内に浮遊している細菌(犯罪者)は
好中球達(警察官)によって逮捕されました

好中球達は勝ったのです。

そこで歯周病細菌はこう考えるのです。

「好中球達から攻撃を受けないような要塞を作ろう!」

「そして 細菌同士みんなで協力して守ろう!」

「どこに住もうか?安全なところはどこだ?」

「俺は ペリクルにくっつくことができるぞ!」


「歯石もくっつきやすそうだな」


「歯石はいい住処になりそうだ!」

「よし 歯肉溝滲出液に流されないように歯石 ペリクルにつかまることができた!」

「俺はペリクルにくっつけないけど先に付いた細菌にくっつくことはできるぞ」




「俺もだ!」



「じゃあ 俺もだ!」


「よし これでチームができた好中球達(警察官)の攻撃情報も共有しよう」

「バリアも張ろう」

「菌体外多糖類発射」
これはネバネバした細菌を保護する体液のような物を思って下さい
(本当はちょっと違うけどまあいいか)

これがバイオフィルムです。
今日の本題の話にようやくなりました


今度は好中球達の立場をみてみましょう!

「あっ 細菌だ!逮捕しよう!」

「コラ ここから出てけ」

「あれ? 攻撃できないぞ」

「中にも入れない」

「俺達が入れないようにバリアがあるぞ!」

歯周病細菌はこう思うわけです。
「バイオフィルムの中にいれば安全だ!」

それでは歯周病細菌を退治するために
消毒薬を歯周ポケットに入れればいいのでは?
消毒薬で歯周病細菌を退治することが出来きるのでは?


でもバイオフィルムの中の歯周病細菌には消毒薬は効果がないのです。
「バイオフィルムの中は消毒薬なんて効かないよ」

よし今度は抗生剤の軟膏を入れてやれ
抗生剤なら効くだろう。


「抗生剤も効かないよ! バイオフィルムの中は最強だ!」


でも時々でも時々バイオフィルムの中に入らず歯肉溝滲出液の中でウヨウヨしていたり

バイオフィルムから飛び出す奴もいるんだ


でもこうした奴らは好中球達に捕まったり


消毒薬で退治されちゃうんだ





こうした奴らには
マウスヴォッシュや薬は効果があるだ
だからうがい薬に効果がないわけではない
でもバイオフィルムの中の歯周病細菌には効果がないから
うがい薬 や 抗生剤で歯周病は治らないんだ
バイオフィルムを形成した歯周病細菌はどんどんと増えていく

これでなんとなく
バイオフィルムがわかってきたかもしれません。

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