重度歯周病患者様に適している歯周病治療:FMD
2020年 3月 2日(月曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。
今日のテーマは、『重度歯周病患者様に適している歯周病治療:FMD』になります。
ここ何回かは、
COVIDー19(新型コロナウイルス感染症)の流行によって話題になっているPCR検査の話をしてきました。
前回のブログでも歯周病細菌検査(リアルタイムPCR法)の必要性について解説しました。
2020年 2月24日(月曜日):歯周病ブログ
その中でも解説しましたが、
現時点で歯周病に最も影響が大きい細菌は以下の5菌種であることが分かっています。
A.a.菌( Aggregatibacter actinomycetemcomitans )
侵襲性歯周炎の発症に関連が深い菌 非常に悪性度の強い細菌
P.g.菌( Prophyromonas gingivalis )
慢性歯周炎の発症に関連が深い菌
年齢に比較して骨吸収が大きく この菌の比率が高い場合
侵襲性歯周炎と診断される 非常に悪性度の強い細菌
T.f.菌( Tannerella forsythensis )
慢性歯周炎の発症に関連が深い菌
T.d.菌( Treponema denticola )
慢性歯周炎の発症に関連が深い菌
P.i.菌( Prevotwlla intermedia )
思春期性 や 妊娠性歯周炎 の発症に関連が深い菌
特に特に
P.g.菌 、
T.f.菌 、
T.d.菌
の3菌種は非常に悪性度の高い細菌と言われています。
歯周病は、歯周病細菌による感染症です。
しかし、全ての人に同じ細菌が感染するわけではありません。
様々な研究報告から
10人がいれば、
1人は、非常に悪性度の高い細菌の数が多く認められ、
こうしたタイプの人は、非常に歯周病の進行が早く、治りが悪いことが言われています。
しかし、10人中1人は、
全く逆で、悪性度の高い細菌が少ないもしくはいない状態であり、
極端に言えば、歯を全く磨かなくても歯周病になりません。
先にも説明しましたように
歯周病は、歯周病細菌による感染症です。
その歯周病細菌がほとんどいない場合には、
歯周病にはなりません。
そのため、
悪性度の高い歯周病細菌の感染がない場合には、
歯を磨かなくても歯周病にはならないのです。
さて残りの10人中8人ですが、
これらの方は、歯周病細菌の数はある程度存在すると考えられるため、
歯をきちんと磨かないと歯周病になってしまいます。
しかし、
こうした方は、歯周病であっても
徹底した口腔清掃(歯磨き)が十分され、
徹底した歯周病治療を行い、
治療終了後も定期管理をすることで
歯周病の悪化を最小限にすることは十分可能です。
問題となるのは、
悪性度の高い歯周病細菌に感染している
10人中の1人です。
このようなタイプの歯周病は、
非常に治すのが難しいですし、
歯周病治療によって改善したとしても
再発率が高いのが特徴です。
そのため、
通常の歯周病の方より
徹底した細菌のコントロールが必要になります。
このような方は、侵襲性歯周炎(しんしゅうせい ししゅうえん)と言います。
*世界的には現在分類名が変わってきていますが、日本では現時点ではこの名称で分類されています。
同じ歯周病であっても
感染している歯周病細菌には、大きく差があります。
そのため、歯周病が進行している方の場合には、
まず細菌検査を行うことが良いでしょう。
それがここ何回説明させていただいている
リアルタイムPCR法です。
本日は、ここまでの話です。
次回は、
リアルタイムPCR法の後に行う歯周病治療について解説します。
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