歯周病細菌PCR検査(オルコア)導入
2021年11月 1日(月曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。
今日のテーマは、『歯周病細菌PCR検査(オルコア)導入』 になります。
歯周病は歯周病細菌感染症 です。
しかし、
歯周病のリスクには個人差があります。
このブログでも以前解説したことがありますが、
歯周病のリスクを調査した論文があります。
スリランカ・スタディ と呼ばれている
歯周病に関わる人なら誰もが知っている有名な文献です。
これはスリランカ(スリランカ民主社会主義共和国)で
紅茶を栽培する農民のの歯周病の状態を15年間調査した研究報告です。
当時の紅茶農民には歯をみがくという習慣はありませんでした。
もちろん歯科医院で治療することもない状況です。
それでは実際の人々の状況はどうだったかと言いますと
約8割の方は、歯石の付着は多く、完全に歯周病が進行していました。
まあ歯を磨かず、歯石も取らず、
15年間も放置していたのですから当然と言えば当然です。
しかし、この8割の方は、歯周病は進行していましたが、
多くの歯は残っている状態でした。
この歯周病が進行していた方の中で2割の人が歯を失っていました。
それでも全て人が歯周病になったわけではなく、
約1割の方は、歯周病にほとんど問題がない状態でした。
しかし、約1割の人は、若い年齢でも急速に歯を失い、
1本も歯がない人もいました。
なぜ同じ生活習慣をしており、全ての人が歯を磨かないで状況でも
こんなに差があったのでしょうか?
歯周病にはリスクの差があるのです。
口腔内には約500種類の細菌が存在しているとされています。
歯周病になりやすい人は、歯周病細菌の種類や質に問題があるとされています。
現在歯周病の進行に影響が高いとされているのが以下の5種類です。
1. A.a.菌 ( Aggregatibacter actinomycetemcomitans )
2. P.g.菌 ( Prophyromonas gingivalis )
3. T.f.菌 ( Tannerella forsythensis )
4. T.d.菌 ( Treponema denticola )
5. P.i.菌 ( Prevotwlla intermedia )
日本人は、A.a.菌の検出率は非常に低いとされ、
最も悪性の高い歯周病細菌は、P.g.菌とされています。
そのため、P.g.菌を調べることが歯周病のリスクを特定するために
非常に有効であることがわかっています。
当院でも以前から歯周病細菌を調べるPCR法検査を実施していました。
しかし、これらの細菌検査(PCR検査)費用は当院では22.000円と高く、
専門機関に送って検査結果が出るまで、1〜2週間程度と長い期間がかかっていました。
それが当院内で行えるようになりました。
院内で行えるため、現在は期間限定ですが、3,300円(消費税込)であり、
検査時間も約45分と短時間で結果がわかります。
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