歯周病細菌遺伝子(DNA)検査 :その5

2015年 9月 7日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

休診案内です。

今週は休みが多いので患者様にはご不自由をおかけ致します。

9月 9日(水曜日)午後から休診
医院研修勉強会のため休診

9月12日(土曜日)
9月13日(日曜日)
第58回秋季日本歯周病学会学術大会
のため休診

今週は診療日数が少ないので
9月8日:火曜日
9月9日:水曜日 午前中
9月11日:金曜日
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予約は24時間インターネットで可能となります。
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今日のテーマは
『歯周病細菌遺伝子(DNA)検査 :その5』になります。

この話も5回目になります。

DNA検査と言うと
歯科医院とは関係がないように感じている方も多くいらっしゃると思います。

実際にほとんどの方は歯科医院でDNA検査を受けたことがないと思います。

歯科でDNA検査なんて行なっていること自体
知らない方がほとんどではないでしょうか?

それでは歯科医院で行なうDNA検査でなにが分かるのでしょうか?

どのような方がDNA検査を受けた方が良いのでしょうか?

私は歯周病専門医ですので、
歯科医院で行なうDNA検査の中で
歯周病細菌について話をしていきます。

歯周病は国民病と言えるほど
かなり多くの方が罹患している病気です。

その歯周病の原因には、さまざまなことが関連しています。

毎日の歯磨きが適切にできていることが
最も重要になりますが、
歯周病が進行している方の場合には、
歯磨きをきちんとしていても
問題が大きくなる方がいらっしゃいます。

まず口腔内のことで言えば、
噛み合わせです。

噛み合わせについては、一言で言い表すことは難しいです。

歯並び等が凸凹していることで口腔清掃が十分にできないこともありますし、

ある特定の歯に噛む力の負担が強く加わることで
問題が起こる方もいらっしゃいます。
この問題がある噛み合わせと外傷性咬合と言います。

また、口腔内以外にも
喫煙者は歯周病が悪化するリスクが非常に高いです。

当医院で患者様にお渡しする歯周病の治療計画書にも
歯周病が進行した方は、喫煙すると治らない(治りにくい)ことを
記載しています。

喫煙者は、本当に歯周病が治りにくいです。

これは科学的にも根拠が高いことです。

他にも生活習慣が大きく関わってきます。

これは食生活も当然ですし、
睡眠、ストレス等も歯周病を悪化させる大きな要因になります。

今回は、上記のことはテーマではありませんので、
歯周病細菌遺伝子(DNA)検査という内容からの話をさせていただきます。

口腔内には非常に多くの細菌が生息しています。

どれくらい口腔内に細菌がいるのか
ということですが、
口腔内細菌は1日の中でも大きく変動します。

一日のうちで最も口腔内細菌が多いのは、起床直後です。

朝起きてすぐの唾液の中に含まれる細菌数は、
1,000,000,000〜100,000,000,000個/mlです。

数字を並べても なんだか分からないとおもいますので、

便(うんち)と比較してみましょう。

朝起きてすぐの唾液の中に含まれる細菌数は、
同じ量の糞便に含まれる量に匹敵します。

もちろん 唾液 と 便(うんち)に存在する細菌の種類はまったく違いますが、
数というと同じくらいなのです。

すごいですよね!

また、歯垢(しこう:プラーク)中には、
10,000,000,000〜100,000,000,000個/g
ですから
同じ量の糞便の10〜100倍の菌が生息しています。

口の中って相当な細菌数がいるのです。

しかし、口腔内細菌には、
存在していてもさほど問題を起こさない細菌もいれば、
存在することで歯周病に大きく問題を起こす細菌もいます。

歯周病の話にまとを絞れば
さまざまな研究から
悪性度の強い細菌が多く存在している方が
約10〜20%程度いると言われています。

こうした方は
侵襲性歯周炎(しんしゅうせい ししゅうえん)と言われます。

このブログでも何度も出てきた言葉です。

本日の始めに書きました

DNA検査でなにが分かるのでしょうか?

どのような方がDNA検査を受けた方が良いのでしょうか?

ということですが、
全ての方にDNA検査を行なう必要性はまったくありません。

進行した歯周病と診断された場合や
歯周病がなかなか治りにくい方
ご家族等 周囲の方が進行した歯周病であった場合や
若くのうちに多くの歯を失っている場合には
DNA検査を行う意味があります。

ご両親等が若くして歯周病で歯を失っていた場合には、
お子さんが親から歯周病細菌の感染を受けている可能性があり、
感染の状況 や 現在の歯周病の進行状況を調べるためにも
歯周病検査と一緒にDNA検査を行なうことは有効です。

実際に家族等の近親者から歯周病細菌は移ります。

また、歯周病治療を行なっているが、
なかなか治らない方や
年々歯を失っている方も
侵襲性歯周炎の可能性がありますので、
DNA検査を行なうことは有効です。

歯周病は進行してしまうと
歯周病専門医であっても100%治せるわけではありません。

あまりにも進行した歯周病は抜歯となることもありますし、
歯周病治療によって改善したとしても
再発するリスクが高いのも事実ですし、

重度歯周病の方が治療によって改善したとしても
再度歯周病となることで
結果的に抜歯となることも多いです。

そのため、
早期発見、
早期治療が最も大切なのです。

次回の歯周病ブログではさらにDNA検査について説明致します。

このブログが始まって以来 毎週月曜日にアップしていましたが、
現在 毎週 大学病院で外来診療と講義を行うことになったため、
ブログの更新が不規則になると思います。
毎週ご覧になっていただいている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ご理解いただければと思います。
できるかぎり毎週月曜日にアップしたいと考えております。

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