金属アレルギーの話1回目:歯科治療と金属アレルギー
2013年 9月30日(月曜日)です。
始めに院長不在案内です。
10月6日(日)
口臭学術講演出席のため院長不在となります。
このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。
今週から暫くの間 歯周病をテーマにした内容ではなく、
金属アレルギーについて解説したいと思います。
この理由として、最近金属アレルギーを主訴として来院される患者様が激増しているからです。
今日のテーマは、『金属アレルギーの話1回目:歯科治療と金属アレルギー』になります。
はじめに
金属アレルギーで来院される患者様は、年々増加しています。
最近では、金属アレルギーの患者様で
「口腔内金属を除去してほしい!」
という方が多くいらっしゃいます。
本日から始めるこのシリーズでは、歯科で使用される金属を中心に
• 歯科治療と金属アレルギー
• 金属アレルギーについて
• 金属アレルギーを起こす金属の種類
• 金属アレルギーの問題点
• 金属アレルギーの治療法
等 について解説したいと思います。
まだまだ 書き始めた時点なので、細かい内容はこれから考えますが、
このシリーズを全て見ると
歯科で起こる金属アレルギーについて相当のことが分かるかと思います。
• 歯科治療と金属アレルギー
世界的にみて日本人の口腔内は、非常に多くの金属が使用されていることが
知られています。
本当に稀な国といってもいいでしょう。
例えば、外国の方がしゃべったり(会話したり)した時に
「 キラット光る金属 」を見たことがありますか?
あまりそうした記憶がない方がほとんどだと思います。
それに対して、日本人の口腔内で
「 キラット光る金属 」を見たことがある方は本当に多いと思います。
実際に ご自身の口腔内にも
金属性の被せ物 や 詰め物が入っている方も
多いのではないでしょうか?
日本人は、世界的にみて 本当に稀な民族であることは確かなことです。
この理由として、良くも 悪くも 健康保険で ほとんどの歯科治療が認められているからです。
海外のほとんどの国では、歯科治療を行う場合に
ある程度の治療費がかかることが多く、
被せ物自体も自費(保険診療で認められていない)であることがほとんどです。
そのため、高い治療費を支払ってまで金属性の被せ物を装着することはほとんどなく、
セラミックを使用することが一般的であるからです。
ただし、これは金属製の被せ物 等が悪いということではありません。
金属製の被せ物は、耐久性に優れていることは事実です。
しかし、日本で使用されている金属とは違います。
金 や 白金(プラチナ)を主に使用した被せ物が一般的です。
日本では、保険診療で多くの歯科治療が行えるため、
海外と比較すると安価で治療は行えますが、
保険財政上の問題もあるためか
使用できる材質にはかなりの制限があります。
日本人の口腔内に見られる金属の成分は、
「12%金銀パラジウム合金」
といわれる合金です。
「12%金銀パラジウム合金」の成分ですが、
金 12%
パラジウム 20%
と定められておりますが、
その他の成分はメーカー や 商品により異なります。
以下は 日本で主に使用されている
各メーカーの「12%金銀パラジウム合金」の組成です。
A社:銀46% パラジウム20% 銅20% 金12%
その他(亜鉛・ガリウム・イリジウム・インジウム)2%
B社:銀49.5% パラジウム20% 銅16.85% 金12%
その他(亜鉛・ガリウム・イリジウム・インジウム)1.65%
多少の違いはあるにせよ
「12%金銀パラジウム合金」の組成は、こんな感じです。
日本であたり前に使用されている金属が 海外で使用されていることは ほとんどありません。
海外の歯科医師からすると
日本の歯科医療で使用されている材質は粗悪であることは良く知られている事実です。
*けして12%金銀パラジウム合金が悪いということではありませんが、
もっと もっと 優れた金属は他にもあるからです
金(GOLD)の高騰が続いていることはご存知のことと思いますが、
世界的に 他の金属も高騰しています。
そのため、現在金属を使用した歯科治療自体が少なくなっています。
欧米では、金属を一切使用しない
「オールセラミック」や
「ジルコニア」
といわれる材質を使用することが多くなってきています。
例えば材質のコストを考えても
金を主に使用した被せ物より
オールセラミック の方が安価である場合があり、
このことも 金属製の歯科治療が減少している理由の一つです。
しかし、日本の保険診療では、長い年月 いわゆる銀歯(12%金銀パラジウム合金)が使用されています。
おそらく今後も使用され続けるでしょう。
しかし、「12%金銀パラジウム合金」自体の価格も高騰しており、
このままでは、「オールセラミック」のコストの方が安くなることは間違いないです。
それでも 日本の健康保険 銀歯は使用されていくでしょう。
かたくなに この材質のみに こだわる理由はなんなのでしょうか?
私には分かりませんが…
審美的なことを考えても 口腔内の見える部位に
キラット光る金属を入れたがる患者様は少ないと思います。
話が長くなりましたが、
金属製の被せ物は、強度に優れているという利点もありますが、
日本の保険診療では、基本的に 金属製の被せ物しか認められていないことも
審美性を始めとした さまざまな問題を引き起こしているのです。
その代表的な問題が
金属アレルギーなのです。
本日は、日本の歯科医療における金属治療について解説しました。
次回からもっと具体的な内容に迫っていきたいと思います。
「金属アレルギーとは」
「なぜ金属アレルギーになるのか?」
という話をしたいと思います。
見られている方には、きっとためになる話になると思います。
次回のブログは、10月 7日(月)になります。
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