歯周病は治るのか?
2013年1月21日(月曜日)です。
始めに新しいブログの新規開設のお知らせです。
昨年 歯周病ブログでも説明してきました「口臭外来」ですが、
いよいよ今年の4月2日(火)より予約を開始することになりました。
それに先立ち新しくブログも公開します。
口臭外来ブログ です。
まだ、何曜日にアップするかは決まっていませんが、
いまのところ1週間に1から回程度アップ予定です。
ご興味のある方は口臭外来ブログ をご覧になって下さい。
このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。
昨年末から
「正しい歯磨き方法」と
「一般的な歯磨き剤の問題点(合成化学薬品の有害性!)」
というテーマを解説してきました。
誤った予防知識では 虫歯 や 歯周病 を予防する効果がないだけでなく、
悪い点も起こってしまうのです。
今日からは、歯周病の基礎に戻りたいと思います。
今年になってからも多くの歯周病の患者様が来院されています。
その中で軽度の歯周病の方もいらっしゃれば、
中程度の歯周病の方もいらっしゃいます。
また、非常に進行した重度の歯周病の患者様もいらっしゃいます。
もちろん、歯周病を治したいと思って来院されるわけです。
それでは、歯周病は治るのでしょうか?
今日のテーマは、『歯周病は治るのか?』になります。
歯周病の患者様にとっては、
『歯周病は本当に治るのか?』
ということは、最も気になるところだと思います。
まず 始めに その答えからお話します。
中程度までの歯周病であれば、十分改善します。
状況しだいで、重度の歯周病であっても改善する可能性もあります。
骨再生治療を行えば、骨の回復(再生)もかなり行えることができます。
しかし、あまりにも非常に進行した歯周病の場合には、治りません。
それでは、
『中程度とはどのような状態であるのか?』
『非常に進行した歯周病(重度歯周病)とはどのような状態か?』
『どこまで進行したら、抜歯となるのでしょうか?』
『また、治る場合、どこまで改善するのでしょうか?』
歯周病は、歯周病細菌による感染症です。
そして、感染が進行すると 歯を支えている骨が吸収します。
この骨吸収がどの程度進行しているかが、歯を残せる大きなポイントになります。
ただし、骨の吸収だけで、治る基準 や 抜歯の基準 を正確に決めることは非常に難しいことです。
この理由として、歯周病は、生活習慣病であり、さまざまな要因から成り立っているからです。
歯周病の原因は、
1. 歯周病細菌
2. 歯磨きが適切にできていない(1.の原因になります)
3. 噛み合わせ(歯ぎしりを含む)
4. 喫煙
5. 食生活、運動、飲酒、睡眠、ストレス
…等です。
そのため、単に骨の吸収があるからダメ(抜歯)ということではありません。
中程度以下の歯周病で、骨吸収がさほど少なくても、
歯磨きができていない、
歯ぎしりが強い、
噛み合わせが悪い、
喫煙している
ということが重なっている患者様では、治らない可能性が高くなります。
逆に骨吸収がある程度ある 重度歯周病でも
今後 徹底して歯磨きをきちんと行うことができる、
喫煙 や 生活習慣が適切である、
噛み合わせに問題がない、
等も問題がなければ、治る可能性も十分あります。
中程度の歯周病とは?
まず歯周病ポケット検査 において、
5ミリ以上の歯周ポケットであった場合には、中程度になります。
ちなみに7ミリ以上は、重度歯周病です。
以下の図は歯周病ポケット検査 です。
しかし、もっとも重要なのは、レントゲン写真による骨吸収程度の検査です。
歯周ポケットが7ミリ以上あっても、レントゲンで骨吸収がない場合もあります。
骨吸収がなければ、歯周ポケットが7ミリ以上でも中程度以下の歯周病です。
言い換えれば、骨吸収が進行していると 状態としては悪いのです。
また、同じ歯周ポケットでも検査時に出血がある場合には、問題があります。
出血があるということは、現時点で進行している歯周病であるということです。
例えば、
5〜6ミリ程度の歯周ポケットでも、
出血があり、
レントゲンで骨の吸収が進行していれば、
重度歯周病ということになります。
* ただし、出血がなくても歯周病が進行している場合もあります。
これは、喫煙者に多く見られる症状です。
1/3程度以下の骨吸収であれば、中程度の歯周病と言えます。
非常に進行した歯周病とは どのような状態か?
骨の吸収が大きいケースは、進行した歯周病と言えます。
噛み合わせ等にもより違いますが、
歯を支えている骨が1/3程度吸収してくると
“ 歯がグラグラ ”してきます。
骨の吸収が1/3以上ある場合には、
中程度〜重度歯周病といってもいいでしょう。
しかし、重度歯周病といっても まだまだ 半分程度の 骨が残っている場合には、抜歯にはなりません。
2/3以上の骨吸収がある場合には、非常に進行した重度歯周病になります。
また、“ 歯のグラグラ ”程度をあらわす数値として『動揺度検査』という簡単な検査があります。
以下のようにあらわします。
動揺度0:歯がほとんど動かない
動揺度1:歯が頬側、舌側のみに若干動く程度
動揺度2:上記+歯が横(左右)にも動く
動揺度3:上記+上下にも動く
動揺度2以上であれば、重度歯周病です。
動揺度3であった場合、抜歯となる可能性が高くなります。
どこまで進行したら、抜歯か?
ここまでで、
中程度の歯周病、
重度の歯周病
というのが、ある程度分かったと思います。
それでは、どこまで歯周病が進行したら抜歯になるのでしょうか?
最初にも書きましたように、歯周病の原因は さまざまあります。
そのため、抜歯の基準は正確にあるものではありません。
しかし、以下の場合には、抜歯になる可能性が高くなります。
1. 骨吸収が2/3以上ある
2. 動揺度が2もしくは、3
3. 6点法の歯周ポケット検査において、全てが7ミリ以上の歯周ポケット検査が存在する。
4. 歯磨きがまったくできていない
5. 噛み合わせに大きく大きく問題がある
6. 上記にプラスして 喫煙等の生活習慣に問題がある
等を考慮して抜歯が必要かどうかの判断を行います。
それでは、歯周病治療によりどこまで治るのか?(改善するのか?)
どこまで治るかを説明する前に 以下のことは患者様ご自身で徹底して管理して下さい。
1.徹底した歯磨きを行う
10分以上は、時間をかけ、歯科衛生士による適正な指示にしたがい 行って下さい。
2 生活習慣をきちんと見直す
何度も書きますように歯周病は、生活習慣病が不適切であると治らないと思って下さい。
また、口腔内も身体の一部ですから健康な身体こそ
健康な口腔内になります。
食生活、睡眠、適度な運動、ストレスの少ない生活をできるかぎり心がけて下さい。
それでは、歯周病治療によりどこまで治るのかを解説します。
まず、骨吸収がさほどなく、動揺度も大きくなければ、歯周ポケットは治療によりほとんど治ります。
もともと歯周ポケットが7〜8ミリあっても、
徹底して歯周病治療を行うことにより2〜3ミリ程度に改善します。
これは、歯周病治療により歯周ポケット内部に存在した
汚れ(歯周病細菌)を除去したことにより改善するのです。
しかし、治らないものもあります。
これは、吸収してしまった骨です。
吸収した骨は、基本的には元の状態には戻りません。
『骨再生治療のGTR法 や エムドゲイン法 を行うと骨が再生するのでは?』
と思われるかもしれませんが、
GTR法 や
エムドゲイン法
は魔法の治療ではありません。
どのような状態の歯でも再生治療を行えば骨が再生するのではありません。
再生するための適応基準に当てはまれば 骨が再生することは可能です。
しかし、それでも100%元に戻るわけではありません。
基本的には、歯周病治療により吸収した骨の量は、増えません。
しかし、歯周病治療の目的は、歯周病の進行を止めることにあります。
歯周ポケット内部の細菌を取り除き、歯周病の進行を食い止めることにより、
悪化を阻止することが最も大切なことです。
一番大切なのは、
早期治療の開始です。
歯周病は、放置すればするほど悪化します。
早く治療を開始することが最も大切なのです。
重度歯周病の患者様に歯周病の検査を行い、検査内容を説明すると
必ず「もっと早く検査していれば良かった!」と言われます。
歯周病の状態を10年、20年と放置されている方も多くいらっしゃします。
また、「歯周病が進行しているので、歯科医院に行くと抜歯されるので行きたくない!」
と考えられている患者様もいらっしゃいます。
これは明らかに間違っています。
重度歯周病であるからこそ 早く治療を開始しないといけません。
次回の歯周病ブログは、1/28(月)になります。
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オリコン歯科医院ランキング2012年度版発表!
オリコン(音楽のオリコンチャートが有名ですが…)の2012年度版が
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オリコンは、音楽以外でもさまざまな分野でアンケート調査を元にしてランキングを発表しています。
当医院はインプラント治療で 11部門中 5部門で ベスト10入りをしました。
ランキングされた多くの歯科医院は、大学病院 や 規模の大きい歯科医院ばかりでしたので、当医院のような小規模の個人歯科医院が選出されることはとても喜ばしいことです。
今後も多くの患者様に支持されるよう スタッフともどもがんばってきたいと思います。
ランキングの詳細は、以下をクリックして下さい。
オリコン2012年 インプラント治療前のケア・説明部門: 7位
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