インプラントモニター:その18

2/1(月曜日)です。
『インプラント症例18回目』です。
本日で18回目となりました インプラント症例報告ですが、このブログでは一般的な症例というよりは、患者様のご希望とか 骨の吸収状態 等があり、治療を工夫した症例を紹介しています。
本日ご紹介する症例もそのようなケースです。
今までの症例をご覧になっていない方は、下にスクロールし、過去のブログをご覧になって下さい。
さまざなケースをご覧にいただけます。
現在インプラント治療で悩んでいる方では、参考となる症例もあるかもしれません。
それでは、本日の症例報告になります。
歯が欠損しているとさまざまなことが起こります。
1.歯がない部分は、骨の吸収が起こります。
2.歯がないと その周囲の歯が動いてしまいます。
このようなことが起こった場合、治療は難しくなっていきます。
本日の症例は、まさにそのようなケースです。
まず、初診のレントゲンから見てみましょう。
症例は、10年程前の症例になります。
スライド01
上顎左右奥歯と下顎左右奥歯が欠損していた患者様です。
欠損した状態を長く放置したため、歯の移動も起こっています。
特に上顎左側の奥歯では、歯が大きく傾斜しています。
他の部位についても欠損奥の歯が斜めに傾いています。
また、欠損部位では骨吸収も起こっています。
いつもと同じように骨吸収の状態を線で書いてみましょう。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
骨が吸収してしまったのが分かるかと思います。
緑線は上顎洞です。
上顎洞(緑線の上方)は空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
上顎洞
スライド02
次に 以下も いつものように 骨吸収の程度を分かりやすくするために 骨が吸収した領域を赤色で明示します。
スライド03
次のレントゲンは、上顎洞 を見やすくした状態です。
緑色の部分は空洞です。
スライド04
骨吸収の程度 と 上顎洞の穴を合わせたのが、以下のレントゲン写真です。スライド05
緑色の部分と赤色の間が現在存在している骨になります。
骨が非常に少ない(薄い)のがわかるかと思います。
ここまでは、いつものパターンと同じですね。
毎回ご覧になっていられる方はだいぶ分かってきているのではないでしょうか?
それでは、上顎の右側の奥歯に注目してみましょう。
スライド07
このレントゲンに先程の骨吸収の状態と上顎洞の状態を表示してみましょう。
スライド08
骨の高さが非常に少ないのが分かるかと思います。
もし、この状態のままでインプラントを埋入した場合には、以下のレントゲンのようになってしまいます。
スライド09
非常に短いインプラントしか埋入できません。
もし、このような状態であれば、インプラントは長く維持されることはありません。
そこで、以下のような方法を行い、少しでも長いインプラントを埋入する治療計画を立てました。
1.インプラントを斜めに埋入することにより、
少しでも長いインプラントを埋入できるように
する!
これをインプラントの傾斜埋入と言います。
2.ソケットリフト法 を応用し、
少しでも長いインプラントを埋入する!
上記のような方法を組み合わせることにより以下のレントゲンのように治療を行う計画を立てました。
スライド10
さて、次は、上顎左側です。
欠損を長く放置してしまったために、奥の歯が斜めに傾斜してしまったのです。
この部分を拡大してみましょう。
スライド11
これでは、インプラントを埋め込むための隙間もありませんね。
また、骨の吸収もかなり起こっています。
スライド12
もし、現状でインプラントを埋入すると以下のようになってしまいます。
スライド13
こんな細いインプラントはありませんし、もしあったとしても噛むことには まったく効果はありません。
このような場合には、歯を矯正的に動かし、歯の隙間を確保することが必要です。
スライド14
歯を動かすのが完了したら、インプラントを埋め込むのです。
こちろん骨吸収がありますので、ソケットリフト法 等の処置も必要になります。
スライド15
歯がない状態を長く放置するとこのように治療は複雑になります。
以下が最終的な治療計画になります。
スライド16
治療途中経過を見てみましょう!
まず、上顎右側の奥歯です。
スライド17
インプラントの傾斜埋入とソケットリフト法 を行うことで、患者様にも大きな負担をかけずにインプラントを埋入することができました。
次に上顎左側の奥歯です。
私自身は、矯正医ではありませんので、日常 矯正治療を行うことはほとんどありません。
しかし、このような斜めになった歯をもとに戻すことはさほど難しいことではありませんので、矯正医でなくても多くの歯科医師は対応できる治療です。
このような状態の場合には、歯科医院でご相談されて下さい。
スライド18
以下が上顎右側と下顎のインプラント治療が終了した状態と上顎の左側の矯正治療が終了した状態です。
スライド19
矯正治療はどうしても時間(期間)がかかる治療ですので、歯を動かしている間に他の治療は完了できます。
完了できる部位は、早く終わらせることにより、噛む部位もできます。
きちんとした治療計画を立てることで、スムーズな治療が行えるのです。
今日は、途中になってしまいましたが、これから出かけるところがあるのでこれで終了です。
思っていたよりブログ作成に時間がかかってしまいました。
すみません!
次回のブログは2/4(木曜日)になります。
次回も『インプラント症例』です。
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
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