インプラント症例:34回目

3/29(月曜日)です。
今日も『インプラント症例』です。
この症例シリーズもすでに34回目です。
つまり、34症例も紹介したことになります。
どの症例もさまざまな問題があり、大変な治療もありました。
現在インプラント治療で悩んでいる方の中にも
今までの『インプラント症例』の中に当てはまるような症例もあるかもしれません。
是非探されて ご覧になって下さい。
今回の症例も骨吸収が大きくあったために、治療方法を工夫したケースです。
本来は、骨吸収が起こる前に
きちんと治療するとか
ダメならダメで抜歯するとか
なにかの手だてを行うことが必要ですが、
現実問題として、悪い状態を放置してしまっている方が多くいらっしゃいます。
本日ご紹介する患者様も 悪い状態が放置したために
骨があまりにも吸収しすぎてしまったのです。
話より実際の症例を見た方が分かりやすいので早速見てみましょう。
以下は、初診時のレントゲンです。
上顎の左側の奥歯がグラグラして腫れて 痛い!
とのことで来院されました。
スライド1
以下のレントゲンの赤丸が問題となっている歯です。
スライド1
上顎左側の奥歯は、もうグラグラです。
指一つで取れてしまいます。
その手前の2歯は、だいぶ前に抜歯となっていました。
現在は、この欠損部は義歯(入れ歯)を使用していました。
いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために 骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
緑線は上顎洞です。
上顎洞(緑線の上方)は空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
上顎洞
スライド2
さらに分かりやすくするために
以下のレントゲンは、
上顎洞(空洞部分)を緑色
骨吸収した部位を赤色であらわしたものです。
現在残っている骨は、緑色赤色の間のみになるのです。
奥歯では、骨がかなり吸収しているのが分かるかと思います。
スライド4
上顎左側の奥歯は、抜歯です。
スライド3
抜歯を行うと欠損は、3歯分になります。
それでは、骨吸収ががった奥歯には、インプラントを埋め込むことが可能なのでしょうか?
もし、抜歯を行った奥歯にインプラントを埋入すると以下のようになります。
スライド5
抜歯を行った奥の部分には、このままではインプラントを埋入することは無理なことは分かると思います。
もし、この部分にインプラントを埋め込むためには、骨の移植手術が必要になります。
骨の移植手術とは、サイナスリフト法(上顎底挙上術) のことです。
私自身もサイナスリフト法(上顎底挙上術) を行うことはあります。
しかし、可能なかぎり避けたい治療です。
その理由として、かなり大変な治療だからです。
まず、移植を行う骨を 口腔内のどこからか取ってこないといけません。
これが、大変なのです。
また、取ってきた骨を上顎洞の中に挿入する治療も大変です。
治療後に大きく腫れる確立が非常に高く、
治療を受ける患者様にとって非常に大変な治療になります。
そのため、可能であれば、避けたいと考えています。
患者様自身も
『仕事のこともあり、腫れるような大変な治療は行いたくない!』
とのご希望がありました。
そこでカンチレバー という治療方法を行うことにしました。
具体的には以下のような治療方法です。
スライド6
3歯欠損に対し、手前に2本のインプラントを埋入し、
奥にはインプラントを埋入しない方法です。
ただし、作成する歯の部分は、3歯分です。
抜歯後、インプラント手術が終了した直後が以下のレントゲンです。
スライド7
埋入した2本のインプラントの奥には、大きな穴が開いています。
以下のレントゲンは、治療終了後です。
スライド8
治療終了後の状態に骨吸収を表す線を記入したのが以下のレントゲンです。
スライド9
インプラントを埋入しなかった奥歯の部分には、骨吸収による穴があるのがわかると思います。
それでは、こうしたカンチレバー は、大丈夫なのでしょうか?
噛み合わせ等が安定していれば、問題はありません。
しかし、この患者様は噛み合わせが強い方でした。
そのため、就寝時にはナイトガード という歯ぎしり防止装置を着用していただいています。
また、インプラントの被せ物自体に過大な力が加わった場合には、
わざと 被せ物自体が緩んでくるようなシステムをとっています。
具体的には、インプラントの被せ物を『ネジ固定式』 にする方法です。
通常、セラミック等のインプラントの被せ物は、強力な接着剤で取り付けます。
一般的な差し歯やブリッジと同じです。
しかし、こうした接着剤でしかかり固定してしまうと
もし、過大な力がインプラントの被せ物に加わった場合、
インプラント本体にも過大な力が加わることになります。
このようなことが起こるとインプラント本体が動いてしまうことがあります。
万が一、インプラント本体が動くと インプラント治療は失敗です。
また、セラミック等のインプラントの被せ物に過大な力が加わると欠けたりすることがあります。
もし、セラミック等の被せ物を強力な接着剤で固定した場合には、
欠けてしまっても修理が難しくなってしまいます。
そのため、なにか問題があった場合でも インプラントの被せ物が取り外すことができれば、
欠けたセラミックを修理することも可能ですし、
インプラントの被せ物に過大が力が加わった場合にも
インプラントの被せ物自体が緩んでくれるため、インプラント本体のダメージも防げます。
これが、『ネジ固定式』 です。
具体的には、歯の噛む面に小さなネジの穴が開いています。
メガネに使用するような小さなネジです。
接着剤で被せ物を固定するのではなく、この小さなネジで被せ物とインプラント本体を固定する方法です。
これが、『ネジ固定式』 なのです。
『ネジ固定式』 の場合、過大な力が加わるとネジが緩んできます。
そうすると被せ物が少しグラグラしてきます。
被せ物自体がグラグラと緩んでくるとにより、
インプラント本体に負担が加わるのを防ぎます。
患者様ご自身は、食事をすると『なんか歯がグラグラする!』と感じるようになります。
このようなことが起こったら、来院していただきます。
そして、歯科医院で被せ物を固定してあったネジを再度締め付けます。
こうすれば元に戻るのです。
インプラント治療が終われば、絶対に一生問題が起こらないということではありません。
インプラント治療は ブリッジ や 差し歯 の治療と比較すれば その成功率は非常に高いものです。
しかし、100%という治療法はありません。
そのため、リスク回避といったことを考えることが重要なのです。
この方は、実際にメインテナンス(定期検査) の中で被せ物を固定していたネジが緩んできたことがありました。
この時には、再度ネジを締め付けなおし、現在問題なくご使用していただいています。
次回のブログは4/1(木曜日)になります。
次回も『インプラント症例』です。
さまざな症例をどんどんと報告します!
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インプラントの本当の治療費は?:隠された追加費用のなぞ:その1
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