歯周病におけるバイオフィルムってなに? バイオフィルムは歯周病の原因となる
2017年12月18日(月曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。
今日のテーマは、
『歯周病におけるバイオフィルムってなに? バイオフィルムは歯周病の原因となる』
になります。
前回のブログでは
メインテナンスにおけるPMTCについて解説しました。
PMTCとは
歯科医師 や歯科衛生士 等の専門家が
歯の表面に付着したプラークを
回転器具のブラシ や ゴムのカップ 等で 汚れを取り除き、ツルツルに磨く行為です。
歯の汚れを取り除くことで虫歯や歯周病の予防となるのです。
それではこの取り除く汚れとは何でしょう?
それがバイオフィルムなのです。
バイオフィルムとは、
個体の表面に
微生物 と 微生物から作られる
菌体外多糖などの生産物が集まってできた集合体
です。
難しい言葉で分かりにくいですよね。
歯の表面には、歯石 や 歯垢(プラーク)が付着します。
汚れですよね。
歯石 や 歯垢(プラーク)は、細菌の塊なのです。
それでは今日の本題である
バイオフィルムについて図で解説します。
結構難しく、一般の方が分かる範囲ではないかもしれませんが…
STAGE1
まず歯を磨きます。
歯の表面(エナメル質)の汚れが取れたとします。
歯の表面を清掃後 1〜2分程度経過すると
歯の表面にはペリクルという
ちょっとネバネバしたものが付着します。
まあ 歯を保護している粘膜ですね。
でもこの粘膜は細菌を付着させやすいのです。
STAGE2
そのペリクルの上に細菌が付着していきます。
これが初期のバイオフィルムです。
STAGE3
そして2〜3時間もすると
さらに他の細菌が積み重なるように付着していきます。
様々な口腔内細菌が塊となっていくのです。
STAGE4
そして2〜3日もすると
この積み重なった細菌群がバイオフィルムとなるのです。
つまりバイオフィルムは、細菌の塊なのです。
2〜3日です。
バイオフィルムは、バリアーみたいなもので、
外部から中の細菌を保護しているのです。
そのため、強力なマウスヴォッシュを使用しても
バイオフィルムの中には届きません。
バリアですから
薬液なんて届かないです。
いくらマウスヴォッシュでブクブクしても効果はないんですよ。
バイオフィルムのバリアで保護された細菌群は、
増殖し、炎症となる原因物質を放出します。
STAGE5
成熟したバイオフィルムは唾液等の作用によって歯石を形成し始めます。
これは3日もすると始まります。
もう一度バイオフィルムの成り立ちを解説します。
歯面を綺麗に清掃しても
1〜2分で歯の表面には
ペリクルが生成されます。
歯垢(しこう)という状態です。
この段階であれば歯磨きで取り除くことができます。
しかし、2〜3日もすると
バイオフィルムとなってしまいます。
バリアーで囲まれた細菌は
外部からの影響を受けにくくなるため、悪性化していきます。
こうなると歯ブラシで取り除くことはできません。
それではどうしたらバイドフィルムを取り除くことができるのでしょうか?
それがPMTCなのです。
再度PMTCについて解説します。
PMTCとは
歯科医師 や歯科衛生士 等の専門家が
歯の表面に付着したプラークを
回転器具のブラシ や ゴムのカップ 等で 汚れを取り除き、ツルツルに磨く行為です。
こうした専門的な行為によってようやく細菌の塊であるバイオフィルムを取り除くことができるのです。
さらに3日経つと歯石となってきます。
歯石は硬く、当然のことながら歯磨きでは取れませんので、
専門的な器具を用いたクリーニングが必要になります。
我々はこれをスケーリングと呼んでます。
以下が総まとめです。
バイオフィルムってあっと言う間にできてしまいますし、
一度バイオフィルムになってしまうと歯磨きでは完全に取り除くことは難しくなるのです。
ちょっと難しい話でしたが、
なぜ定期的に歯科医院で歯石除去等のクリーニングが必要であるかの基礎を解説しました。
ご参考になればと思います。
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