内科的歯周病治療:飲み薬(抗菌薬)による歯周病治療:その1
5/16(月曜日)です。
このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。
今日のテーマは、『内科的歯周病治療:飲み薬(抗菌薬)による歯周病治療』になります。
この話しはとても面白い話しです。
何回かのシリーズで解説したいと思います。
本日は最初なので、
「内科的歯周病治療:飲み薬(抗菌薬)による歯周病治療とはなにか?」
という話しから始めたいと思います。
内科的歯周病治療とは、通常の歯周病治療と並行して 歯周病細菌に対して効果のある薬(抗菌薬)を併用することにより、歯周病を治そうとする治療法です。(抗菌療法)
内科的歯周病治療(抗菌療法)は、通常の歯周病治療と比較して多くの研究論文で その効果が実証されています。
しかし、以下のようなことをきちんと分かっていないと
「薬を飲めば 歯周病は治る!」
という誤った知識 や 治療法になってしまいます。
まず 内科的歯周病治療(抗菌療法)は治療を受けられる患者様にとって
「飲み薬を飲むだけで歯周病が治る!」
といった誤解を生んでいる ということです。
次に 使用する歯科医師側にも問題があり、きちんとした適応症を守らずに使用されていることがあります。
適切な時期に 適切な処方が行われないと 効果がないだけでなく、
以下のようなことが起こる可能性があります。
1. 薬剤耐性(薬剤に対して抵抗性を持ち、これらの薬剤が効かない、
あるいは 効きにくくなる現象のこと)が起こることがある!
耐性菌については、以下のページを参考にして下さい。
抗生剤と耐性菌の話し
2. 薬物アレルギーが起こる可能性がある!
3. 他の服用している薬との相互作用がある!
例えば、ワルファリン(抗血栓薬)を服用されている方が
ペニシリン系の抗生剤を服用すると作用を増強します。
4. 菌交代現象が起こる可能性がある!
菌交代現象とは、抗生剤の長期投与等により正常細菌が減少し、
通常では存在しない細菌や少数しか存在しない細菌が異常に増殖する現象のこと。
上記の中でも特に
薬剤耐性(耐性菌の出現)と
菌交代現象
について考慮をしていかないと単に薬(抗生剤)を服用しただけでは、効果がないだけでなく
さまざまな問題を引き起こしてしまいます。
そのため 次回からは、治療を受ける患者様にとって有益な治療となるための情報として
科学的根拠に基づく 内科的歯周病治療(抗菌療法)を明確にしていきたいと思います。(Q & A 形式)
次回のブログは、5月23日(月)になります。
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