今日のインプラント:1回法と2回法
インプラントの手術方法(1回法と2回法の違い)
インプラントの手術方法には1回法と2回法があります。その名のとおり、1回の手術を必要とする場合と2回の手術を必要とする場合の2つの方法があります。様々なホームページで1回法が良い、2回法が良いといった意見がありますが、本当のところはどうなのでしょうか?
先に結論から話しますが、どちらの治療法が良いということではありません。もともとインプラントは1950年にスエーデンの化学者ペル・イングウァール・ブローネマルク博士によって発見されたもので、その当時は2回法でした。このインプラントシステムはブロネマルクインプラントと言い、最も歴史のあるインプラントであり、研究や臨床報告も非常に多数あり、現在でも最も信頼性のあるインプラントの一つです。その後2回法の欠点を補うべくスイスから1回法のインプラントが開発されました。これがI.T.Iインプラントです。現在日本において30種類以上のインプラントが使用されていますが、 I.T.Iインプラントはその中で最も研究報告が多く、優れたインプラントと言えるものです。
つまり、1回法、2回法というものはもともとはインプラントの開発コンセプトの違いから生じたものです。現在のインプラントの多くはブロネマルク、I.T.Iを模範して作られたものです。
当医院ではI.T.Iインプラントを使用しています。その理由は顎の小さい日本人には適しているインプラントであることと、歴史的な背景(研究成果)、臨床成績に非常に優れたものであること、治療期間が短いことがあげられます。
その他のインプラントがダメということではありません。私達歯科医師自信も使用するインプラントを選択するためには色々な条件のもとに選択をしていきます。インプラント自体の器具の料金もその選択肢にはいります。安いインプラントであれば治療費自体も安くできます。(医療以外では当たり前ですが)しかし、体(骨)の中に埋め込む医療器具ですから先程説明した信頼(研究と臨床の使用期間からの実績)がなにより重要になってきます。その信頼を見極めるには、『そのインプラントがどのような経緯で基礎研究がなされてきたのか?』 『臨床において世界中でどの程度使用されているのか?』 『臨床使用年数はどれくらいで、問題は起きているのか?』 『正確な判断ができる臨床機関での成功率はどれくらいであるのか?』から判断します。
話しは長くなりましたが、まず歯科医師自身がどのインプラントを使用(選択)するかによって1回法か2回法かが決まります。
インプラントの杉山歯科医院