老化:1
今日から新しいテーマになります。
『老化』です。
なぜこのテーマかと言いますと歯科は老化現象が現れやすいものだからです。
顎骨が吸収していくことにより義歯は合わなくなりますし、骨の吸収が進行するとインプラント治療も困難になります。
年をとるとともに唾液の分泌は減少傾向にあり、虫歯にもなりやすくなります。
また老化とともに起る骨粗鬆症は歯周病のリスク因子にもなります。
歯科医療は治療が完了した時点で終りということではなく治療した状態をいかに維持できるかということが大切になります。
つまりメインテナンスが重要であるということです。
メインテナンスについてはHPのいろいろなところに書いてあります。
それだけ重要なことであるからです。
より良い状態を維持するためには患者さんご自身の毎日のブラッシング、メインテナンスによる検査(問題点があれば早期発見、早期治療)、プロフェッショナルクリーニング(歯科衛生士による専門的なクリーニング)、その他噛み合わせのチェック等…必要なことはたくさんあります。
毎日食事をすれば汚れも付着しますし、歯(被せ物)もすり減ります。
ずっと同じ状態を維持することことは難しいことです。
しかし、患者さんや歯科医師がいくらがんばってもできないことがあります。
それが『老化』です。
我々は歯科治療を行うとともにこの『老化』を考えなくてはいけませんし、受け止めなくてはならないことです。
一度治療した患者さんをメインテナンスにてずっと診ていくのですから。
このようなことから本日より何回かに分け『老化』についてお話していきたいと思います。
なかなか歯科のHPで『老化』をテーマにした話はないと思います。
ご興味のある方は是非ご覧になって下さい。
それでは『老化』とはなにかということから始めていきたいと思います。
老化とは年齢ととにも体の機能が衰えていくことと考えられます。
そのため同様に年をとる現象として使用されている『加齢』や『寿命』とは異なり個体差が非常にある(個体差を考えた)用語です。
100歳になっても元気で歩いている方もいらしゃいますし、60歳でも歩くのに不自由な方(あくまでも病気ではなく)もいらしゃいます。
同様に歯科においても個体差はあります。
同じ治療をしても同じ結果をたどるわけではないのです。
『老化』には大きく分けて
1. 糖尿病や高血圧等の多因子性疾患
2. 環境因子
3. 遺伝因子
が考えられます。
この中で『老化にかかわる遺伝子』の話から始めたいと思います。
『遺伝子』というと難しい話と思われるかもしれませんが、できるかぎり簡単にお話していきたいと思います。
現在『遺伝子』はものすごいスピードで解明されています。
もちろん私は研究者ではないのでほとんどわからないことばかりです。
このブログで書く内容は『遺伝子』のほんの“さわり”の部分だけですが…
1960年代にレナード・ヘイフリックが『ヘイフリック限界』という現象を見つけました。
これは人間の細胞は約50回程度分裂を繰り返した後、分裂を停止し死んでしまうというものです。また動物ではこの細胞分裂の回数と寿命が関連するということも分かっています。
その原因の一つが『テロメア』というものによって起ることがわかってきました。
『テロメア』ちょっと聞き慣れない言葉ですが、これが今回のテーマのキーワードの一つです。
覚えておいて下さい。
次回はこの『テロメア』についてお話します。
インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター