インプラント 歯周病 専門医のブログ:抜歯即時インプラント:その2
抜歯即時インプラント:その2
昨日は抜歯即時インプラントについて書きました。
今日は抜歯即時インプラントを行うために問題となったことの解決方法についてです。
昨日は 抜歯と同時にインプラントを行う場合、抜歯部の穴の大きさとインプラントの太さ(幅)には違いが生じることを書きました。
通常抜歯部のほうが幅が大きいので、インプラントの周囲には隙間(ギャップ)ができてしまいます。
この隙間を埋めるために GBR法という特殊な方法が用いられることも書きました。
この治療法を用いるとインプラントと骨との隙間に骨を再生させることが可能になります。
しかし、インプラントとの隙間が大きかったり、インプラントの初期安定性が得られない場合には適応しづらいこともありました。
また GBR法は技術的に難しいことも多いため、抜歯と同時のインプラント埋入には限界がありました。
こうした問題を解決すべく、ITIは2003年にまったく新しいタイプの『ITI TE(R) インプラント』を開発しました。
この新しいインプラントは抜歯した部位への使用を目的として開発されたもので、抜歯部との隙間を最小にすべく、テーパー上の形態(下図)になっていることと、骨との安定をよくするためピッチ(ねじ山の間隔)があります。
それでは実際の写真を見ながら解説した方が分かりやすいと思います。
上の写真は左下一番奥の歯が割れてしまい、他歯科医院にて抜歯と診断された状態です。
当医院で診査したところ、やはり歯の根が割れていたため抜歯と診断しました。
治療期間を短縮するために、抜歯即時インプラントを計画しました。
ただし、この症例は7年前に行ったものであり、まだ抜歯即時インプラントが一般的ではない頃でした。
次の写真です。
上の写真は抜歯当日にインプラントを埋入した状態です。
しかし、もともとの歯の直径(幅)よりもインプラントの直径(幅)の方が小さいため、インプラントと骨との間に隙間ができています。
(インプラントの左側にある黒い隙間です)
この隙間を改善するために GBR法を行いました。
インプラントの左に見える小さな丸いものはGBR膜を固定するためのピンです。
上の写真はインプラント埋入後8週間の状態です。
抜歯時にあったインプラント周囲の骨の欠損には白く骨ができています。さらに数ヶ月するとこの白く再生した骨は周囲の骨と識別できないようになってきます。
GBR膜を固定していたピンは取除く必要性があります。
しかし、こうした治療法は技術的に難しいものです。
うまくいかない場合に骨ができないだけでなく、インプラントもダメになる可能性もあります。
この抜歯した『穴』とインプラントの直径の違いを解消すべく、新しいインプラントが開発されました。
それが下の図の ITI TE インプラントです。
インプラントの上の方が広くなっており、抜歯部とインプラントのギャップを解消するようにできています。
分かりやすく図で説明します。
右上は『 従来の抜歯即時埋入法 』です。
インプラントの幅(直径)と歯(抜歯部)の直径には違いがあるため、インプラント周囲には骨との隙間が生じます。隙間が大きい場合にはGBR法の併用が必用です。
右の下がITI TEインプラントを使用した『新しい抜歯即時埋入法 』
インプラント上部の幅(直径)が広くなっているため、骨との隙間ができにくくなっています。
今日はここまでです。
この続きはまた明日解説したいと思います。
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
神奈川県横浜市にある日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、GBR法、サイナスリフト、審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは治療費(費用)の説明やインプラント症例、無料相談コーナーもあります。