ブリッジ、インプラント、被せ物 の平均寿命は?:その2
6/30(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『ブリッジ、インプラント、被せ物(差し歯、セラミック、金属冠…等)の平均寿命は?:その2』になります。
前回の生存率のデータをもとにし、インプラント と ブリッジの生存率のデータを具体的に見ていきましょう。
ブリッジは、装着後約10年で50〜70%が生存(残る)
インプラントは、装着後約10年で90〜95%が生存(残る)
という論文が多いのです。
これだけを比較するとインプラントの方が優れているということになります。
しかし、この平均生存率は、患者様 個々によりかなり違います。
例えば、
1. 歯周病はないか?
2. 噛み合わせには、問題がないか?
3. ブラッシングが毎食後きちんとできているのか?
4. 歯ぎしり等は、ないのか?
5. 全身疾患(糖尿病 等)は、ないか?
6. 喫煙していないか?
7. もともと持っている(歯周病細菌 や 虫歯菌)のリスクは、高くないか?
8. 定期検査(メインテナンス)をきちんと受けているか?
9. 被せ物の精度
等 さまざまな因子のより治療の予後(将来性)は変わってきます。
また、ブリッジの場合には、土台となる歯が『神経があるか ないか』によってもかなり違います。
上記の生存率は、さまざまな条件により異なるのです。
あくまでも平均です。
しかし、
『ブリッジ と インプラント のどちらが長く持ちますか?』
という質問があれば、
『インプラントの方が多くの臨床研究(論文)によれば、平均的には、トラブルも少なく、生存率は高い!』
と言ってもいいでしょう。
ただし、インプラントは、平均生存率が高い といっても100%ではありません。
先程、ブリッジの生存率が、装着後約10年で50〜70%と書きましたが、これは、あくまでも平均的なデータです。
ブリッジが20年、30年と問題なく経過している症例もあれば、
ブリッジをして、1年、2年でダメ(抜歯)になる症例もあります。
ダメになるかならないかは、ブリッジ自体の耐久性ではなく、
歯自体の問題 等 上記の1〜9の問題があるからです。
歯自体がダメになってしまえば、当然ブリッジもダメになるわけです。
インプラントは、ブリッジと比較して成功率は、かなり高いものですが、
1〜2年でダメになる症例もあります。
そのため、ブリッジが良くてインプラントが悪いということではありません。
しかし、こうした生存率のデータは、治療方針を決定する上で非常に参考になります。
次回のブログは7/3(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『ブリッジ、インプラント、被せ物(差し歯、セラミック、金属冠…等)の平均寿命は?:その3』です。
今週(6/27〜29)のインプラント手術報告
今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎の奥歯にインプラント埋入を行った1症例について解説します。
患者様は、約6ヶ月前、上顎の奥歯にインプラント治療を希望されて来院されました。
しかし、レントゲン検査の結果、骨の高さは、1ミリ以下であり、そのままでは、インプラントは、まったくできない状態でした。
インプラントを埋入するためには、最低でも6ミリの骨の高さがないと行えません。
理想的には、10〜14ミリ程度の骨の高さがあることが必要です。
患者様は、1ミリ程度しかありませんでしたので、まったく不可能ということでした。
そこで、骨が吸収している部位に骨の移植を行いました。
サイナスリフト法です。
骨が吸収してインプラントができないのであれば、
『骨を増やせば良いのでは?』
と思われている患者様が多くいらしゃいます。
もちろんそうした治療( サイナスリフト法)を行えば、骨を増大(増やす)ことは可能です。
ただし、あまりにも骨が吸収している場合には、治療は困難になってしまいます。
治療後の腫れ や 治療費等を含め、患者様の負担は大きくなります。
また、骨吸収があまりにも大きい場合には、骨を増やす(増大する)ことができなくなってしまうこともあります。
前回のブログのインプラント手術報告にも書きましたが、骨吸収を早く防止することは、その後の治療を簡単にします。
話は、今回の症例に戻ります。
上顎の奥歯に高度の骨吸収が認められていたため、約半年前に サイナスリフト法を行いました。
今回は、レントゲン写真で、骨の増大(再生)を確認できたため、インプラントの埋入になりました。
埋入したインプラントは、合計で5本です。
使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント) SLAタイプ
です。
全て、直径4.1ミリ、長さ10ミリです。
元々(初診時)、骨の高さが1ミリしかなかった状態でしたが、 サイナスリフト法により、10ミリの長さのインプラントが埋入できました。
また、先程骨の再生(増大)に約半年かかったと書きましたが、移植した骨が半年で100%安定した骨になるわけではありません。
そのため、今回埋入したインプラントがさらに安定しやすいように 『スプリッティング法』を応用しました。
この方法は、ドリルをさほど使用せず、骨の幅を押し広げながらインプラントを埋入します。
サイナスリフト法を行った後で、まだ骨の成熟が100%完了していないような場合には、有効な方法です。
また、ドリルをほとんど使用しないため、骨にダメージが加わりにくく、術後の腫れが少ない治療法でもあります。
さらに骨の増大(再生)促進のため、 P R P法を併用しました。
P R Pは、ご自身の血液を利用した骨増大法ですので、安全性が高い方法です。
最近は、美容整形外科でよく使用されているようですね。
麻酔方法は、 『静脈内鎮静法』 です。
静脈内鎮静法は、寝ている間に治療が完了できるため、治療時間が長くかかる場合や、ご不安が強い患者様に対しては非常に有効な方法です。
手術時間は、 静脈内鎮静法であったため、時間がかかり、約60分程度でした。
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 、 サイナスリフト、 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例、 無料相談コーナーもあります。