インプラント症例:76回目
10/18(月曜日)です。
このインプラント症例ブログは毎週 月曜日と木曜日にアップしていますが、暫くの間は 月曜日だけになります。
『76回目のインプラント症例』になります。
インプラント治療を考える上で重要になることとして
治療費があります。
治療費を考慮しないで インプラントを行うことは考えられません。
当然のことです。
特に欠損が多い方の場合、どこまでインプラント治療を行うかが大きな問題です。
例えば、上顎に歯が多数欠損している人がいたとします。
通常、上顎(片顎)には14歯分の歯があります。
14歯のうち 10歯分が欠損していたとすれば、何本インプラントを埋入する必要性があるのでしょうか?
もちろん 欠損している位置関係 や 残っている歯の状態 によりますが、
多くのインプラントを埋入することにはなります。
今回ご紹介する患者様も 多くの歯がない状態でした。
残っている歯は、
上顎では 5本(9歯が欠損)、
下顎では 6本(8歯が欠損)
でした。
下顎の左右奥歯が欠損しています。
上顎も多くの歯が欠損しています。
欠損部をわかりやすくするために×印であらわしてみましょう。
多くの歯がないことがわかると思います。
この欠損を全てインプラント治療で行うとなると 大変なことです。
もちろん治療費という点です。
残っている歯自体も良い状態ではありません。
以下の●印の歯は、神経がない歯です。
このブログでもよく書きますが、
神経のない歯は、非常によくありません。
神経のない歯の話しは 何度も書いていますが とても重要なことですので 説明します。
神経のない歯はもろく通常の咬む力でも割れてしまうことがあります。
こうした状態を患者さんに説明する時に”木”に例えてお話しすることがあります。
生き生きとした木はたたいたり、蹴ったりしても折れたりすることはありませんが、
枯れた木は折れる可能性があります。
神経を取った歯も枯れた木と同じような状態になります。
神経のない歯は血液供給がなくなるためもろくなってしまうのです。
この続きは、以下をご覧になって下さい。
歯根破折
さて この患者様は、1本を除いて ほとんどの歯が神経がありません。
今まで多くの歯を失った原因の一つがこの神経がないことだったと考えられます。
そう考えると 今後も残っている歯がダメ(抜歯)となる可能性が高いと言えます。
また、他にも問題は多くあったのです。
骨吸収が非常に大きかったのです。
いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために
骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
さらに分かりやすくするために 骨吸収部位を赤色の領域で表します。
奥歯では、骨吸収が大きいのがわかるかと思います。
さらに問題があったのが、上顎洞の存在です。
上顎洞の問題が起こっていました。
以下の緑線は上顎洞という空洞です。
緑線の内側は空洞なのです。
骨ではありません。
ただの 穴 です。
これも さらに分かりやすくするために、上顎洞 を緑色で表示します。
骨吸収と上顎洞の存在から 上顎の奥歯では、とてもインプラントを埋め込むことがでいないことがわかるかと思います。
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br />
骨吸収が大きい!
上顎洞の状態!
神経がない歯が多い!
といったことを考えると非常に悪い状態であることがわかるかと思います。
上顎左側のグラグラしている歯は、抜歯と診断しました。
それでは、患者様のご希望も含めて治療計画を立てます。
患者様は、上顎は義歯(入れ歯)ではない、固定式の治療をご希望されていました。
この場合、インプラント治療 と 天然歯でのブリッジ が考えられます。
以下のような治療法です。
上顎右側の3歯欠損には、3本のインプラントを埋入、
上顎右側の前歯は、ブリッジ、
上顎左側の前歯部には、3本のインプラントを埋入し4歯分を作製するブリッジ、
上顎の左側の奥歯は、天然歯のブリッジ
です。
上顎右側は 骨吸収が大きいので、現状ではインプラントが埋入できないため、
骨移植を伴うサイナスリフト法(上顎洞底挙上術) を行う必要性があります。
しかし、本当にこの治療計画で良いのでしょうか?
まず、上顎の右側です。
先程解説しましたように上顎の右側は、骨吸収が大きいため、現状ではインプラントを埋め込むことができません。
骨の移植を行うことが必要になります。
サイナスリフト法(上顎洞底挙上術) です。
しかし、この治療はかなり大変な治療です。
また、全ての欠損部位にインプラントを埋め込むと 治療費が高額になってしまうことも問題です。
患者様は、大変な治療は避けたい ! ということと
治療費を最小限に抑えたい!
ということから上顎右側の奥歯には、インプラントを行わないことになりました。
上顎右側は、欠損のままの計画になりました。
他の部位の治療を優先させて 将来的にご希望があれば、上顎右側を治療することも可能です。
また、上顎左側の奥歯も将来性は非常に低いため、
現時点でブリッジを行ったとしても 将来性は非常に低く、
すぐにダメになってしまうことが考えられます。
また、ブリッジにしたとしてもあまりにもグラグラで噛むことすらできない可能性もあります。
先程もご説明しましたように患者様は、骨移植 等の大変な治療は避けたい とのご希望がありました。
もちろん治療費の問題も大きくあります。
1.骨吸収の問題
2.治療費の問題
3.残っている歯の将来性
4.大変な治療は避けたい
ということから最終的なインプラントの治療計画は、以下のようになりました。
大変な骨移植を避けるために
1.ソケットリフト法
2.カンチレバー
という治療法で対応します。
こうしたプランで治療は開始されました。
治療を開始するにあたりさらに問題がありました。
患者様は、治療期間中は、上顎に義歯(入れ歯)を使用するのを避けたいとのご希望がありました。
そのため、上顎は固定式の仮歯(ブリッジの仮歯)を使用しながら インプラント治療を行うことになりました。
以下の黄色い○印がブリッジの仮歯を固定する歯(天然歯)です。
これにより治療期間中は義歯を使用しないですみます。
以下は、1回目のインプラント埋入が終了した直後です。
使用したインプラントは、アンキロス インプラント です。
本日のテーマにはなりませんでしたが、骨吸収が非常に大きかったため、
OAM(大口式)インプラントシステム 、
GBR法(骨増大法) を併用しています。
先に手前にインプラントを埋入したのには理由があります。
上顎左側の抜歯した部位が治るまで時間がかかるのです。
抜歯後、骨の回復を待つまで約3ヶ月かかります。
その間に手前に3本のインプラントを埋入したのです。
もちろん この治療期間中も仮歯を使用していますので、歯がないという期間は1日もありません。
ソケットリフト法 を併用してインプラントを埋入しました。
使用したインプラントは、ストローマンインプラント(ITIインプラント) です。
もちろん この期間も仮歯が使用されます。
インプラント以外の治療(ブリッジ 等)は、全て保険で治療してあります。
最小限の治療費ということであれば、保険が使用できる部位は可能なかぎり保険で対応した方が良いでしょう。
欠損が多くなると どうしても治療費の問題があります。
全ての欠損部をインプラントで治療すれば 最も良いですが、
治療費の問題 や 骨吸収の状態によって どこまでインプラントを行うかが決定されます。
今回のケースでは
1.上顎は義歯(入れ歯)は避けたい!
2.治療費を最小限にしたい!
3.骨移植 等の大変な治療は避けたい!
といったことを考えての治療になりました。
治療計画は患者様ごとに変わってくるのです。
次回のブログは10/25(月曜日)になります。
次回もまだまだ続く『インプラント症例』です。
さまざまケースを紹介しますので、きっと あなたと同じような症例があるはずです。
治療費
インプラントモニターの場合、1本168.000円(消費税込)になります。
被せ物は、
白い歯で 1歯84.000円(消費税込)、
金属製で 1歯58.800円(消費税込)
になります。
当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) 、
OAM(大口式)インプラントシステム 、
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合) 、
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含ま
れています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。
先週も
多くのインプラント手術がありました。
本日は、症例報告が長くなってしまいましたので、症例はまた時間がある時に報告します。
特に大変だったのが、抜歯即時インプラント でした。
上顎に7歯の歯が残っていましたが、全てグラグラでした。
指で触っても取れるような状態です。
全ての歯が抜歯しか治療法はありません。
抜歯してしまえば 総入れ歯 になります。
このような場合、一般的には抜歯前に入れ歯の型を取り、
抜歯と同時に義歯(総入れ歯)を装着します。
こうすれば、歯がない期間は、1日もありません。
しかし、暫くはどうしても義歯(総入れ歯)になってしまいます。
患者様は、どうしても義歯が嫌とのことでしたので、
抜歯と同時にインプラントを6本埋入し、
手術当日に固定式の仮歯まで作製する治療法を行いました。
この治療法により、本来抜歯して総入れ歯になっていたケースですが、
手術当日に固定式の仮歯まで行えるため、
治療を受ける患者様には、本当にすばらしい治療方法です。
しかし、治療を行う側からすれば、本当に大変な治療です。
治療時間もかかります。
午前中の10:30に手術を開始して、
6本のインプラントを埋め終わったのが、11:30です。
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) という麻酔方法で手術を行ったため、麻酔が切れるまで待ちます。
12:00頃から仮歯の作製を開始します。
約1時間(13:00)で固定式の仮歯が完成して終了しました。
歯を全て抜歯してから約2時間30分で固定式の仮歯になりました。
明日以降はおそらく腫れるとは思いますが、
歯がない日は1日もありませんので、
審美的な問題がない!
入れ歯を使用することの苦痛がない!
食事ができる!
といったことが数時間で達成されたのです。
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現在、新規にインプラント症例集のページを作成しています。
さまざまなケースを見ていただくことにより、よりインプラント治療についてご理解していただきたいと思います。
そのため、症例を公開しても大丈夫という方(インプラントモニター)を募集しています。
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