ジルコニアを使用したインプラント症例

2017年 8月24日(木曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科 インプラント症例専門サイト」です。
まだまだ暑い日が続きますね。
さて本日の症例は、以前にもアップしたことがあるケースなのですが、
インプラントとジルコニアという症例です。
ジルコニアというのは、被せ物の素材のことです。
被せ物にはいくつもの種類があり、
金属製の被せ物、
セラミック、
オールセラミック(金属を一切使用しない素材)、
ジルコニア
があります。
ジルコニアは、オールセラミックと同様に金属を一切使用しない素材です。
金属とは違い、白い素材ではあります。
それでは、オールセラミック と ジルコニアの違いは何でしょうか?
オールセラミックは、簡単に言えば「ガラスセラミック」と言います。
ガラス素材です。
オールセラミックは審美性は非常に高いですが、
ガラス素材ですので強度に問題があります。
オールセラミックは、奥歯や噛み合わせの負担が強い方の場合には破損する可能性があります。
ジルコニアはその強度を高めた素材なのです。
ジルコニアにはいくつかのタイプがあります。
一般的にジルコニアオールセラミックと言われる素材は、
ジルコニアという硬い素材の上にセラミックを接着させて使用します。
ジルコニア自体は、オールセラミック程の審美性はありません。
硬いですが、ジルコニア単体では少し審美性は劣ります。
そのため、ジルコニアをフレーム材として使用し、見える部分には
セラミックという瀬戸物を焼き付けて使用します。
この瀬戸物であるセラミック部分は審美性が高いです。
しかし、セラミック自体は、瀬戸物ですので
破損する可能性があります。
実際にインプラントの被せ物にセラミックを使用すると
10年間で約10%が破損すると言われています。
そこでジルコニアを100%使用した素材が近年使用されるようになってきています。
これをフルジルコニアと言います。
100%が強度の高いジルコニアですから
破損する可能性は非常に低いです。
白い素材としては最も強度が高いと言えます。
この100%ジルコニア(フルジルコニア)は、
以前はあまり使用されることはありませんでした。
その理由の一つが審美性です。
白ですが、
真っ白でした。
画用紙のような白です。
歯の色とは、とても似つかない色です。
そのため、強度はあるが、審美性は良くないという問題点がありました。
しかし、近年 フルジルコニア(100%ジルコニア)の審美性が格段に向上してきており、
セラミック や オールセラミックとさほど審美性が劣らないようになっています。
本日の症例は、噛み合わせの問題があり、
通常のセラミックでは割れてしまうようなケースに対し、
強度を最優先としてフルジルコニア(100%ジルコニア)を使用したインプラント治療ケースを見ていきましょう。
初診時の口腔内を見てみましょう!
スライド01
患者さんの初診時の訴えは、上の前歯のセラミックが欠けたとのことでした。
前歯欠けてますよね。
この前歯が欠けた大きな原因として噛み合わせの問題があります。
まず前歯ですが、下の前歯が一部前方に出ており、
上顎の前歯部と尖端同士がぶつかっています。
これでは欠けてしまいます。
次の写真は上顎を噛む面(咬合面)から見た状態です。
スライド05
セラミックが欠けているのが分かるかと思います。
また前歯だけの問題ではありません。
奥歯の噛み合わせにも問題があります。
以下の写真は左手側が実際の口腔内では右側です。
スライド04
向かって右手側(口腔内では左側)の噛み合わせにはさほど大きな問題はありませんが、
向かって左手側(実際の口腔内は右側)では、噛み合わせの問題が起こっています。
さまざまな問題があるのですが、
大きな問題として、上下顎の歯の位置関係です。
スライド02
通常正常な噛み合わせは、上の歯の方が外側に出ており、
下の歯の方が内側に位置しています。上顎の方が大きいのです。
以下の写真は実際の口腔内では左側になりますが、
こちらの噛み合わせが正常であると思って下さい。
スライド03
歯石は多く付いていますが、噛み合わせとしては概ね正常です。
(細かいところには問題はありますが…)
さて問題のある右側を再度見てみましょう。
スライド02
下の歯の方が外側に出ているのが分かります。
次に再度正面を見てみましょう。
スライド01
細かく説明すると非常に難しい話になってしまうので
大雑把に言えば、犬歯の位置関係に問題があるのです。
こうした噛み合わせの問題がある場合には、
そのままの噛み合わせの状態で上顎の前歯を治そうとしても
同じようにセラミックが割れてしまいます。
根本的な治療方法は、矯正治療です。
歯の位置関係を改善させてから
セラミックの再製となります。
理想的な治療方法です。
しかし、どれだけの患者さんが矯正治療を行うのかと言いますと
かなり少ないです。
年齢の高い方の場合
「いまさら矯正なんて…」
「時間とお金がかかるので…」
「矯正装置を付けると見た目が…」
といったことをから矯正を断念される方が多いです。
今回の患者さんも矯正治療はせずに上顎の被せ物のみで対応することになりました。
以下が治療後です。
スライド08
通常のセラミックでは破損してしまいますので、
ジルコニア(100%ジルコニア:フルカンッアージルコニア)を使用しています。
一般的にジルコニアというのは、
ジルコニアセラミックという素材が多く、
ジルコニアという素材の上にセラミックを焼き付けて作製されます。
ジルコニアは非常に硬いのですが、
セラミック自体は割れやすいです。
そのため、今回の患者さんのように破損する可能性が高くなります。
こうしたことから今回は、セラミック部分を一切使用しない
ジルコニア 100%の素材を使用することで、
噛み合わせの改善ができなかった問題点をカバーするように設計しました。
以下が初診時とジルコニアを行った後の比較です。
スライド09
現在まだ問題点があるので治療途中ですが、
現在のレントゲンが以下です。
スライド10
本日の症例は、インプラントというより
ジルコニアという被せ物の素材の話になりました。
100%理想通りに治療が行える方の方が少ないです。
それは
時間的にも
治療費的にも
さまざまな制限があるのが現状だからです。
そのため、患者さんの希望をふまえた上で、
現実的に行える範囲で、
リスクの低い治療を考えて行くことも大切なことです。
100%ジルコニア(フルジルコニア)は、
オールセラミックと比較すると審美性という点ではまだ改良の余地はありますが、
破損しにくいという利点を考えると
適応される症例も多くあります。
被せ物は、それぞれの利点、欠点を十分考慮した上で選択することが大切です。
治療費
上記の症例をインプラントモニターで行った場合の治療費は以下になります。
インプラント   1本  160.000円(消費税別)
被せ物(白い歯) 1歯分 100.000円(消費税別)〜 になります。
治療費をさらに抑える方法として 被せ物を金属製にする方法があります。
金属製の被せ物は、 1歯分 90.000円(消費税別)になります。
インプラントの土台(アバットメント)は、1装置54.000円(消費税別)になります。
インプラントモニターの詳細は、以下をご覧下さい。
インプラントモニターは期間限定で行なっている制度です。
モニター終了後は通常料金となりますので、
ご希望される方は、お早めに受けられて下さい。
治療費は現時点での費用であり、今後変更になる可能性があります。
当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合)
ソケットリフト法 の費用が含まれています。
インプラントモニター募集(インプラント手術費用20%割引
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今回のモニター募集は、できるかぎり多くの症例を掲載したいと思っているため、1歯欠損も募集しています。
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
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