患者様から受ける質問特集:その6
9/1(月曜日)です。
今日も続きで、『患者様から受ける質問特集:その6』になります。
今日の質問は、
『インプラントは何年保つの?』
『インプラントはダメになるの?』
『インプラントは一生保つの?』
等の質問です。
インプラント治療を考えている患者様の多くは、
『インプラントは天然歯より強い(保つ)』
と考えているようです。
しかし、これは間違いです。
インプラントもダメになります。
今日はそうした話をしたいと思います。
質問11
インプラントは、一生保つのでしょうか?
ダメになったりしないですか?
回答11
インプラントは虫歯になることはありませんが、歯周病にはなります。
また、他にもダメになる原因はあります。
インプラントは、人工の物だからといってダメにならない ということではありません。
ご自身の歯がダメになると同じように インプラントもダメになる可能性はあります。
例えば、インプラントの歯の部分になる『セラミック』等は、欠けたりする可能性があります。
毎日噛むことにより被せ物は必ず磨り減るのです。
例えば、右で良く噛む人は 右側が磨り減ったりします。
特に、『歯軋り』や 『くいしばり』がある方は磨り減り方が大きいものです。
ですからセラミック等の被せ物は消耗品です。
噛む力によってはセラミックに日々負担がかかり、かけたりする場合もあります。
インプラントは、天然歯と違い『歯根膜』というクッションのようなものが存在しないため、噛んでも動かない(沈み込まない)ので噛む力が直接インプラントの被せ物にかかります。
被せ物を装着した時にはそうならいように噛み合わせの調節を行いますが、時間の経過とともに噛み合わせは変化し、インプラント部に負担がかかってくることがあります。
特に問題となるのが、先程説明しました『歯軋り』や『くいしばり』による問題です。
私達がインプラントを行う際に最も注意するケースです。
先程インプラントには天然歯と違い『歯根膜』というクッションが存在しないために噛む力が直接加わるという話しをしました。
『歯軋り』や『くいしばり』がある方はこうした力をさらに受けやすいのです。
こうした傾向が強い方にはインプラントをお勧めしないこともあります。
次にインプラントがダメになる原因として、最初に書きましたように 歯周病があります。
インプラントが歯周病になった状態を 『インプラント周囲炎』と言います。
『インプラント周囲炎』になるとご自身の歯(天然歯)を抜歯するようにインプラントも除去(撤去)しなければなりません。
よく、歯周病の方がインプラント治療を受けられる際に 以下のような質問があります。
『インプラントを埋入した隣の歯が歯周病でダメになった場合、先に行ったインプラントを利用して歯を作製することはできますか?』
このような質問です。
ご自身の歯(天然歯)が歯周病でダメになるような状態であれば、
その時には、隣に行ったインプラントもおそらくダメになるでしょう。
ダメになっていなくても 『インプラント周囲炎』にはなっています。
インプラント治療を受ける患者様の多くは、
『自分自身の歯(天然歯)は、ダメになってもインプラントはダメにならないだろう』
と考えています。
これはまったくの間違いです。
逆に言えば、ご自身の歯が歯周病でダメになった場合、その後にインプラントを行っても歯ブラシ等の生活習慣が改善されなければ、インプラントも 『インプラント周囲炎』でダメになります。
『リスク』と言えば、 『インプラントと喫煙の関係』も大きく影響します。
また、それ以外の『リスク』として、食生活、運動、睡眠、ストレス 等の生活習慣もインプラントがダメになる大きな因子です。
インプラント自体は、金属(純チタン)でできた人工の物ですが、インプラントを支えている『骨』や『歯肉』は、患者様ご自身のものです。
生活習慣が乱れ、病気になれば、『骨』や『歯肉』も弱ってきます。
当然、インプラント自体もダメなる確率が高くなります。
次回のブログは9/4(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者様から受ける質問特集:その7』です。
今週(8/29〜31)のインプラント手術報告
今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎の前歯部にインプラント埋入を行った1症例について解説します。
上顎前歯部は、このコーナーでもよく解説する部位です。
前歯部は、他の部位と比較して審美性が大きな問題となるため、難易度が高い部位です。
特に骨の吸収が大きい場合には、完全な審美性を獲得するのは困難です。
前歯部にインプラントを行う場合、十分な骨の高さや幅が存在していることは少なく、ほとんどの症例において骨の増大治療(GBR法)を併用します。
それでは、『骨が少なければ、GBR法で、増大(再生)すれば大丈夫では?』
と思われるかもしれません。
しかし、GBR法は魔法の治療ではなく、どんな状態であっても思い通りに骨を元通りに再生(復元)できるわけではありません。
また、難症例であればあるほど、治療は困難を極めます。
治療のわずかな “エラー” が審美性を損なう結果を生んでしまうこともあります。
また、骨を大幅に増大させるということは移植する骨の量も多くなります。
難易度の高い骨の増大治療(GBR法)は、患者様の負担も大きく、 治療後の腫れが長く続くこともあります。
今回のケースでも骨の吸収は、非常に多く、 CT撮影による インプラントのシュミレーション(シンプラント使用)では、骨幅は、『3ミリ以下』でした。
大幅なGBR法が必要になります。
また、GBR法では、骨を増大するために、『人工の骨』や『ご自身の骨( 自家骨)』を使用します。
使用した『人工の骨』は、 β―TCPです。
β―TCPは完全に人工に生成された骨です。
『β―TCP』は人工的に生成された骨なので、それ自体が完全に骨になったりすることはありませんが、ご自身の骨や血液中の細胞が混ざることにより、骨に置換しやすいものです。
また、完全人工生成のため、非常に安全性が高いのも特徴です。
日本において 『β―TCP』は、歯科よりも整形外科等で、複雑骨折の治療等で普及している材料です。
また、 GBR膜 として吸収性の『コラーゲン膜』を使用しました。
吸収性膜は、歯肉とのなじみも良く、インプラント同時の GBR法 では世界的に最も使用されている膜です。
吸収性膜なしでは、 インプラント同時GBR法は成り立たない治療法です。
日本人にインプラント治療を行う場合、骨の幅が不十分であることが多く、
多くのケースにおいて GBR法を行います。
当医院においてもインプラント治療の約半数はGBR法を併用しています。
吸収性膜なしでは、インプラント治療は行えないと言ってもくらい重要な材料です。
使用したインプラントは、 プラットホーム・スイッチング システムの アンキロス・インプラントです。
アンキロス・インプラントは、インプラント自体が細く、幅の狭い部位に適しており、審美的な部位に効果を発揮する プラットホーム・スイッチング になっています。
手術時間は、約15分程度でした。
今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取り、
3. 型取りの後、 約10日で完成した被せ物を装着し、完了です。
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 、 サイナスリフト、 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例、 無料相談コーナーもあります。