ワンピースインプラント:その4

11/2(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『ワンピースインプラント:その4』になります。
当医院は、2日(月)と3日(水)は休診です。
そのかわり、通常は、休診の木曜日(11/5)は、診療致します。
11/5(木)のご予約は、オンライン予約は行えませんので、電話でご予約お願い致します。
また、救急の場合には、メール(info@sugiyama-d.sakura.ne.jp)でご連絡下さい。
さて、今日もツーピース インプラントの利点についてです。
前回から解説しているように世界中のインプラントのほとんどがツーピース インプラントです。
その理由として、ワンピースインプラントと比較して 圧倒的に多くの利点があるからです。
本日は、その中でも 前回予告した セメント固定式 と スクリュー固定式について解説します。
スクリュー固定式は、具体的に言うと、型を取ってできた被せ物を接着剤で付けるのではなく、『ネジ』で固定する方法です。
完成した被せ物の噛む面や 被せ物の横の部分に メガネで使用するような『小さなネジ』が付いています。
インプラントとは この『ネジ』で固定されることになります。
インプラントに被せ物を取り付ける際に、ドライバーのネジのようなもので、
締め付けて固定します。
『スクリュー固定』の最大の特徴として『取り外し』ができることです。
この『取り外し』ができることは 将来性を考えた場合、非常に利点となります。
被せものが セラミック や ハイブリッドセラミックのような白い材質の場合、 歯ぎしり や くいしばりの程度等によりますが、磨り減ったり、欠けたりする可能性があります。
もし、欠けたりした場合、『取り外し』ができれば、一度取り外して修理できます。
長期間の間に磨り減った場合でも取り外し、修理が可能になります。
また、万が一、インプラント自体に問題があった場合、取り外しができた方が
その後の治療を行いやすいという利点があります。
この取り外し式ができるスクリュー固定式は、非常に利点が多いのです。
たたし、欠点として、小さな歯(セラミック等)の内部にネジが入ってるため、構造が非常に複雑になります。
そのため、作成するコストは、セメント固定式と比較すると圧倒的に高くなります。
次にセメント固定式ですが、これは、通常の天然歯の被せ物と同様に 接着剤でセラミック等をくっつけることになります。
非常にシンプルな術式で治療が行えます。
治療に対するエラーが少ない方法とも言えます。
また、治療に関わる材料費等のコストを抑えることができます。
しかし、セメント固定式は、審美性を重視した前歯部では、問題が生じることがあります。
前歯部の場合等、インプラントを審美的に行う場合、インプラントと上部構造(被せ物)の境目が見えないように この境目の部分を歯肉の内部に設置します。
なんのことだかわからない方のために、天然歯において被せ物を行う際の治療方法について解説します。
通常、天然歯を削って、被せ物を行う時には、削る境目をどこに設定するかは、前歯、奥歯等により異なります。
奥歯は、削る境目を 歯肉と同じ位置もしくは 若干歯肉より少し上に設定します。
つまり、被せ物と削った境目が歯肉の上になり、直接見える状態にします。
こうすることにより、境目に直接歯ブラシを当てることが可能となります。
また、被せ物は接着剤でつけますので、つける際にできる余分な接着材を取り除くことが確実に行えます。
しかし、削った境目が歯肉の上に直接見えるということは 前歯では審美的に問題を生じることがあります。
そのため、前歯等の審美性を重視する場合にはこの境目を歯肉の中(約1〜1.5ミリ)に設置します。
境目は、歯肉の内部にあるため、審美的には優れていますが、問題点もでてきます。
一つは 型を取ることが困難なため、エラー(再度型を取ったり、完成した被せ物がぴったりと合わない等)がでてきます。
次に先程あった、境目にある余剰な接着剤を正確に取り除くことが難しいのです。
これは 余剰な接着剤がきちんと取り除けたか確認することが困難であることとつながります。
もし、余剰な接着材が歯肉内部に残ると それが、原因で炎症が起ります。
話は長くなりましたが、審美性を重視する部位にインプラントを行う場合、
インプラントと被せ物の境目を歯肉の内部(歯肉縁下1〜1.5ミリ)に設定しますので、接着剤を取り残す可能性があります。
審美性重視するために、歯肉縁下にインプラントを埋入した場合には『スクリュー固定』の方が優れていると言えます。
本日の内容は、なかり難しい話になりました。
前回のブログにも書きましたようにインターネット等で良く広告されている 格安インプラント の多くは、
ワンピースインプラントです。
インプラントの土台(アバットメント)が一体型になっているタイプです。
全てが一体型になっているため、非常に安価でできます。
骨吸収がなく、埋入部位 や 欠損数…等さまざまな条件さえあえば、ワンピースインプラントでも 十分対応ができると考えられます。
しかし、現実的には、土台(アバットメント)の長さ や 角度 等の種類を後から選択できないことや 『スクリュー固定』も選択できない 等 多くの問題点を抱えてることも事実です。
ワンピース インプラント か ツーピース インプラントかの選択は、さまざまな条件を考慮に入れて選択することが大切です。
次回は、今回のシリーズの最終回になります。
次回のブログは11/5(木曜日)になります。
今週(10/30〜31)のインプラント手術報告
今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
それでは、今週のインプラント手術の中から下顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。
毎回この手術報告では、難症例を解説しています。
今回のケースも本当に難しい症例でした。
骨の吸収が非常に大きかったケースです。
インプラントの埋入部位は、下顎の奥歯でした。
骨の幅は、約3ミリ程度です。
インプラントを適切に埋入するためには、約6ミリの骨幅が存在しないといけません。
骨幅が3ミリですから 適切な範囲の約半分しかありません。
そのため、インプラントを埋入する際に、骨幅を広げる方法と併用しました。
スプリットクレスト法(リッジエクスパンジョン法) です。
決行大変な治療でしたが、予定どおり、行うことができました。
使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプが3本でした。
今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3ヶ月後に型を取ります。
治療費
インプラントが1本21万円(税込)×3本です。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、今回のスプリットクレスト法、GBR法の費用も全て含まれています。
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。