最新インプラント症例:230回目
2015年3月26日(木曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科 インプラント症例専門サイト」です。
『230回目のインプラント症例』になります。
本日は先日行なった治療経過について見ていきたいと思います。
昨日手術後の治療経過で来院された方です。
まだ治療途中ですので、完了していません。
何症例か同じようなケースでしたので、比較しながらみていきます。
ソケットリフト法で対応したケースです。
ソケットリフト法は、かなり頻繁に行なわれる術式です。
まず1症例目です。
今回見ていただくのが、
上顎の左側の奥歯の欠損です。
上顎左側の一番奥にある 根っこだけ残っている歯は、保存が厳しいため抜歯となります。
患者様は、この上顎の奥歯の欠損部にインプラント治療を希望されました。
しかし、骨吸収が起こっており、
かなり大変な状態でした。
骨吸収の状態を分かりやすくするために
骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
さらに わかりやすくするために、骨吸収部位を赤色で表示します。
次に上顎洞という空洞を見てみましょう!
以下のレントゲンの緑線は上顎洞という空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
さらに分かりやすくするために上顎洞を緑色で塗ってみましょう!
いつも このブログを見られている方にとっては、
赤線、
青線、
緑線
はおなじみのことと思います。
どの程度骨吸収しているかということをもう少し分かりやすく見ますと
こんな感じです。
このまま骨の高さが少ない状態でインプラント手術を行なうと
以下のようになってしまいます。
これでは明らかに短いインプラントであり、
とても不安な状態ですよね。
なぜこのようなことが起こったのでしょうか?
一般的には以下のような理由が考えられます。
歯周病 を放置したり、
歯根破折 を放置したり、
歯がないまま長期間そのままになって いたり
した場合には、骨吸収がどんどんと大きくなります。
骨吸収が大きい場合には、治療が非常に困難になるだけでなく、
骨吸収の状況によっては、インプラント治療自体が不可能となることもあります。
また、治療が困難ということは 治療が複雑になるため
治療後に大きく腫れたり、痛みを伴う場合もありますし、
治療費も高額にかかる場合もあります。
インプラント治療を考えられている方は、状況が悪くなる前に対応することが本当に重要なのです。
それでは、上顎の奥歯においてインプラント治療を行う場合には、
骨の高さがどれだけ残っていれば良いのでしょうか?
以下の話しはこのブログでよく解説する内容ですが、
始めてブログを見られる方 や ソケットリフト法 や 上顎洞について分からない方は
是非飛ばさずに見て下さい。
上顎の奥歯にインプラントを埋入するためには、
12ミリ以上の骨の高さがあると理想的です。
しかし、多くのケースで上顎の奥歯に十分な骨の高さが残っていることは少なく、
骨吸収が起こっていることが多いのです。
その理由は先に説明したとおりです。
上顎の奥歯では10ミリ以上の骨の高さがあれば、
インプラント治療が可能となります。
しかし、今回の症例では、骨吸収がかなり起こっており、
骨が少ない部位ですと
2ミリ程度の骨の高さしか存在していません。
これは、難症例と言えます。
通常今回の症例のように上顎の奥歯に骨吸収が大きい場合(骨の高さが5ミリ以下)には、
上顎洞の中に骨移植を行います。
こうした治療法を
サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)
と言います。
この治療法は、インプラント手術の中でもかなり大変な治療です。
腫れ、痛み等が非常に大きく起こる可能性が高い治療法です。
もちろん こうした治療法に 患者様のご理解が得られれば
サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)
を行なった方が良いです。
サイナスリフト法(上顎洞底挙上術) は、
治療期間が長くなる!
治療費が高額になる!
治療後の腫れ 等が非常に大きい!
という欠点はありますが、
骨を大幅に増やすには非常に有効な治療法です。
以下は、
サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)
を行なった場合のシュミレーションです。
骨の移植を行なった後
約6ヶ月程度待ちます。
骨が増大できたことを確認した後で、
インプラントを埋め込む手術となります。
しかし、今回は患者様のご希望もあり
今回は、比較的腫れがなく、患者様への負担が少ない
ソケットリフト法
という治療で対応することにしました。
それでは、
ソケットリフト法 の術式の解説を行います。
この術式が分からないと先に進めませんので…
ソケットリフト法の術式
上顎洞は、硬い骨ではありません。
分かりやすく説明すると
少し硬い布が垂れ下がっている状態
と思って下さい。
しかし、この布は破れやすいのです。
それではソケットリフト法 の具体的な治療方法について解説します。
骨の高さが少ない状態で 無理に長いインプラントを埋入しようとすると
上顎洞を突き破ってしまいます。
そして、上顎洞が破れてしまいます。
そこで、以下のように治療を行います。
図1:
上顎洞の手前 1ミリまで骨に穴を開けます。
この1ミリ手前までというのが重要なポイントです。
図2:
開けた穴に 人工骨 を入れます。
人工骨の種類については今回省略しますが、
当医院で使用しているのはβーTCPという完全な人工で精製された骨です。
安全性が非常に高い材質です。
この人工骨を穴に入れた状態で、下から(穴を開けた骨の入口から)
棒状のオステオトームと言われる器具でたたきます。
この時 患者様には、コンコン とたたかれている感じがあります。
人工骨(βーTCP)を入れてたたき、
上顎洞の中に人工骨(βーTCP)を入れていきます。
この作業を何回か繰り返します。
そうすると上顎洞の中に少しずつ人工骨(βーTCP)が入り込みます。
図3:
結果的にインプラントを埋入するための骨の高さが確保されます。
ここまでがソケットリフト法 の術式です。
以下は、ソケットリフト法 を行い、
インプラント手術が完了した直後です。
こうした方法により
非常に難症例であった状態が、
比較的簡単に治療を行なうことが可能となったのです。
本日は、ここまでです。
2症例目は、次回解説します。
本日の症例との違いについても説明致します。
治療費
上記の症例をインプラントモニターで行った場合の治療費は以下になります。
インプラント 1本 160.000円(消費税別)
被せ物(白い歯) 1歯 100.000円(消費税別)〜 になります。
治療費をさらに抑える方法として 被せ物を金属製にする方法があります。
金属製の被せ物は、1歯 70.000円(消費税別)になります。
インプラントモニターの詳細は、以下をご覧下さい。
インプラントモニターは期間限定で行なっている制度です。
モニター終了後は通常料金となりますので、
ご希望される方は、お早めに受けられて下さい。
当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) 、
OAM(大口式)インプラントシステム 、
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合) 、
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。
現在オールセラミックのサイトを作成中です。
そのサイトに掲載させていただく症例を募集しています。
オールセラミック ジルコニアオールセラミック モニター募集
オールセラミック や ジルコニアオールセラミックは、非常に審美性の高い 治療です。
以下のような方に適しています。
1.歯の色を白くしたい方!
・オールセラミックの色は、見本の中から ご希望の色を選択していただけます
2.歯の形をきれいにしたい方!
・歯並びが悪いが矯正治療は行ないたくない
・歯が前に出ている
・歯と歯の間に隙間がある
ただし、多少の歯並びが悪い程度であれば
オールセラミックで審美的に改善可能ですが、
歯並びに大きく問題がある場合には、
オールセラミックのみで対応することは難しいです。
対応可能かどうかは、口腔内をみてから診断致します。
3.現在被せ物を行なっているが、審美的に問題を感じている方!
・歯肉が退縮して被せ物と歯肉との境目が黒く見える
従来のセラミックは、セラミック内面は金属製なので、
場合により金属部分が見えることがある。
オールセラミックは一切金属を使用していない。
・以前被せ物を行なったが、変色した
保険の差し歯は、プラスチック製なので必ず変色します。
オールセラミックは変色しない。
・被せ物の色が悪い、白くしたい
保険の差し歯は内部は金属製ででてきるので、
色の透過性が悪く、暗い色になる。
・被せ物の形が悪い
歯の長さ、形態に問題を感じられている場合には改善させることも可能
どのような状態に改善できるかは、噛み合わせ や 歯並び 等により決まります。
・被せ物が前に出ている(出っ歯)
歯が出ている状態を気にされる方は多くいらっしゃいます。
噛み合わせ 等によってもどこまで改善できるかが違います。
オールセラミックモニター治療費
オールセラミック 1歯 43.200円(消費税込)
ジルコニアオールセラミック 1歯 86.400円(消費税込)
まずこの治療費で行なえる歯科医院はないと思いますので、
ご希望の方は、この募集中の機会に是非ご利用下さい。
症例が集まり次第オールセラミックモニターは終了します。
募集症例
上顎前歯部
ご希望の方は、
電話(045-891-3334)
もしくは、インターネットオンライン予約(ネットでは担当医の指定はできません)
をご利用下さい。
初診時は、口腔内診査と今後の治療についての説明となります。
2回目には、治療計画書をお渡しし、治療方法、治療期間、治療費 棟をご説明致します。
その後、ご希望により治療開始となります。
このブログが始まって以来 毎週木曜日にアップしていましたが、
現在 毎週 大学病院で外来診療と講義を行うことになったため、
ブログの更新が不規則になると思います。
毎週ご覧になっていただいている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ご理解いただければと思います。
できるかぎり毎週木曜日にアップしたいと考えております。
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