歯周病治療の欠点

2017年 7月 2日(月曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。
今日のテーマは、『歯周病治療の欠点』になります。
歯周病は放置するとどんどんと悪化していきます。
そのため、早期治療が非常に重要です。
歯周病専門医であっても進行してしまった状態では治すことはできないこともあります。
歯周病の治療を行うと
歯周病は改善してきます。
そのまま放置していれば抜歯となるような状態であったとしても
歯周病治療により長期的に維持されることも十分あります。
しかし、歯周病治療にも欠点もあります。
一つ目は、治療期間が長くかかることです。
歯周病治療は何回ということはできません。
それは単に歯周病といっても進行状態には個人差があるからです。
例えば軽度から中程度の歯周病であって、
歯周病以外の治療(虫歯等)がなかった場合には、
最短で以下のような治療ステップになります。
1回目:初診の検査
2回目:口腔内の清掃指導(クリーニング) 口腔内のブラッシングが確実にできるまで数回かかることもあります。
3〜6回:歯肉の中の歯石の除去(歯周病の基本治療)
7回目:再度の検査
8回目〜定期管理
という流れです。
これは軽度から中程度であり、
虫歯等歯周病以外の治療が全くなかったことを想定した治療の流れです。
重度の歯周病であったり、
虫歯等他にも治療することがある場合には、さらに治療回数は増えます。
進行した歯周病の場合、1回では治療は終了しないのです。
この治療期間がかかることが大きな欠点です。
2つ目の欠点ですが、
歯周病治療による歯肉の退縮です。
以下の写真を見てみましょう。
初診時です。

以下が歯周病治療後です。

これは極端なケースですが、
歯肉の退縮が起こります。
退縮の程度は、治療前の骨吸収によって変わります。
術前の骨吸収が大きければ 大きいほど 治療後の歯肉退縮も大きくなります。
本来、歯肉の位置は 生体によって決まってきます。
骨の一番高い位置から 約2ミリ上方に歯肉は存在するのです。
骨吸収が起こっている方は、簡単に言えば、歯肉が腫れている状態です。
歯周病治療により、歯肉の炎症が治まれば、骨吸収が起こっている上方2ミリ程度の位置まで歯肉が退縮してきます。
歯肉退縮は、歯周病治療の欠点とも言えます。
上記の症例は、ご理解されやすいように歯肉退縮の大きいケースを紹介しましたが、
このように歯肉退縮は起こります。
3つ目の欠点として、
歯周病治療後には、冷たい水などでしみることがあります。
これは、先程ご説明した歯肉が退縮することにより起こる症状です。
この状態を『知覚過敏症』と言います。
個人差はありますが、多くの場合 時間の経過とともに軽減してきます。
しみるのが強い場合には、知覚過敏の薬を塗布し、対応します。
これも 歯肉退縮とともに欠点と言えます。
このように歯周病は治療を行わないと
歯を失うことになってしまいますが、
進行した歯周病の場合には、治療による欠点もあるのです。

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