歯周病はいつからなるの?(若くても歯周病になることがある!!):その2

2018年11月26日(月曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。
今日のテーマは『歯周病はいつからなるの?(若くても歯周病になることがある!!):その2』になります。
まず前回のブログをおさらいしましょう。
前回のブログで以下のような論文を紹介しました。
歯を磨く習慣のない
また 歯を治療した経験もない
スリランカの紅茶農園の労働者480人を
未治療のまま15年間定期的に検査し
歯周病の発生 や 進行 がどのように起こるかを観察。
その結果、
約81%が中程度の歯周病の進行がみられました。
約8%が急速な歯周病の進行がみられました。
約11%は歯周病に全くなりませんでした。
歯を全く磨かなくても
約1割は歯周病にならなかったのです。
でも約1割は進行性の高い歯周病になってしまいました。
このようなタイプの歯周病を
侵襲生歯周炎(しんしゅうせい ししゅうえん)と言います。
この研究では、
約1割の方は、
歯周病の発症が早く(侵襲生歯周炎)、
ものすごい勢いで歯周病が進行し、
35歳で歯を平均12本失い、
40歳で20本、
45歳前に歯を全部失いました。
同じような生活習慣にも関わらず
なぜこのように歯周病の進行状態が違ったのでしょうか?
その理由の一つが細菌の種類と質です。
歯周病に関連する細菌の中で
特に問題視されているのが以下の3種類の細菌です。
1. P.g.菌
2. T.f.菌
3. T.d.菌
です。

これらの菌をRed Complex(レッドコンプレックス)と言い、
悪性度の非常に高い最近に位置付けています。
細菌の詳細は以下を参考にして下さい。
1. P.g.菌( Prophyromonas gingivalis )
  慢性歯周炎の発症に関連が深い菌
  年齢に比較して骨吸収が大きく この菌の比率が高い場合
  侵襲性歯周炎と診断される 非常に悪性度の強い細菌
2. T.f.菌( Tannerella forsythensis )
  慢性歯周炎の発症に関連が深い菌
3. T.d.菌( Treponema denticola )
  慢性歯周炎の発症に関連が深い菌
特に問題となるのがP.g.菌とされています。
このP.g.菌の量や質に歯周病が進行する原因があるのです。
そのため、患者さんの歯周病の状態を詳細に把握するためには、
細菌の種類を検査することが有効です。
そのための検査方法が、
歯周病細菌遺伝子(DNA)検査リアルタイム PCR法です。
リアルタイム PCR法は、
今まで検出が難しかったP.g.菌 A.a菌等の細菌をのDNA
短時間で増幅させることが可能になりました。
映画のジュラシックパークであった方法と同じような手法です。

歯周病は歯周病細菌による感染症です。
細菌を適切に減らすことが歯周病を治すことになります。
歯周病でお悩みの方は、まずご自身の口腔内が
どのような状態であるのかを適切に知ることが大切です。
遺伝子検査(リアルタイムPCR法)の検査費用は以下です。
3菌種(例:P.g.菌 T.d.菌 T.f.菌)検査: 15,000円
5菌種(P.g.菌 T.d.菌 T.f.菌 A.a.菌 P.i.菌): 20,000円
* 検査1回分の費用
* 細菌検査は治療前後の2回は必要
* 消費税は別途
次回の歯周病ブログも侵襲生歯周炎について解説します。

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