噛みしめ・くいしばりを防ぐために TCH(上下の歯の接触癖):その3最終回
2019年 6月 3日(月曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。
今日のテーマも前回の続きで『噛みしめ・くいしばりを防ぐために TCH(上下の歯の接触癖):その3』になります。
まず復習からです。
T C Hは、
Tooth Contacting Habit)
の略で 日本語では、歯列接触癖と言います。
本来
食事をする時(咀嚼時)、
飲み込む時(嚥下時)、
会話
等では上下の歯は触れますが、
それ以外の時には、歯は触れないのが理想的な状態です。
通常
正面を向き、
唇を閉じた状態では、
上下の歯は触れず、
少し隙間があります。
この状態を「安静位」(あんせいい)と言います。
しかし、何もしない状態でも歯が触れている方がいらっしゃいます。
結構多いですよ。
本を読んだり、
パソコン 等
下を向く動作が多い方では、
上下顎の歯が自然に接触する機会が多くあります。
他にも
スポーツ、
車の運転、
料理、
洗髪、
「黙って集中して作業する行為」や
趣味に没頭する時
等でも歯を接触させる機会があります。
さらに 緊張状態が続く方では、日常から歯を接触させる行為が続くことがあります。
例え 強く噛んでいなくても 上下顎の歯が触れると 口を閉じる筋肉(閉口筋)は働きます。
上下顎の歯が触れている間は、筋肉が働き続けるのです。
こうした歯の接触時間が長くなれば、なるほど筋肉は疲労してきます。
また、口を閉じる筋肉(閉口筋)が働くと、顎の関節は上方に押さえつけられるので、関節の血流循環が悪くなります。
このことを例えると 正座を長時間すると足がしびれることと同じようなことが起こっているのです。
ここまでは、1回と2回で解説した内容です。
本日はTCHの改善方法について解説します。
T C Hの治療(改善方法)として、
認知行動療法を応用したリマインダー法が有効とされています。
(TCHを行っているが確認する合図を設定する方法)
以下が具体的な方法です。
まず、
ポストイット や
シール
のような貼付ける印(10枚程度)を用意します。
この印を普段よく目にする場所に貼っておきます。
例えば、
携帯電話 とか
トイレの扉 とか
パソコン とか
冷蔵庫 とか
どこでもいいです。
そして、その印(ポストイット や シール 等)を見た時のみ
歯を接触させていることを自覚します。(TCHの自覚)
そして、その際にわざと一瞬ですが 歯を強く接触させてみます。(食いしばる)
この時、
肩に力をいれて
肩を挙げて
食いしばる仕草も一緒に行った方が良いでしょう。
歯を接触させた後
すぐに力を抜き
歯の接触を止めます。
肩の力も一瞬でぬき脱力させます。
わざと噛みしめるのは一瞬です。
こうした行為を付けた目印を見るたびに行います。
これだけです。
臨床研究では、こうした認知行動療法を応用したリマインダー法を行うことで、
数ヶ月から半年程度で多くの方でTCHが軽減してくるようです。
この方法は、
医院に行かなくてもご自身でできること、
治療費もかからないことが大きな利点です。
是非実施してみて下さい。
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