なぜ 金属の詰め物は 取れるのか?:虫歯治療で行う 金属治療 の問題点!:その10
始めに夏期休診案内です。
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このブログは、歯周病に関するブログです。
現在は歯周病の内容ではなく、
オールセラミックの接着方法について解説しています。
今日のテーマは、
『なぜ 金属の詰め物は 取れるのか?:虫歯治療で行う 金属治療 の問題点!:その10』になります。
本日は、オールセラミッククラウンについて詳細に解説します。
ちょっと難しい話になりますが…
オールセラミッククラウン:e.max(イーマックス)の特徴
はじめに オールセラミッククラウンの話をする前に
セラミックとの違いについて解説します。
セラミッ ク とオールセラミックは何が違うのでしょうか?
また、どちらが良いのでしょうか?
患者様が知っていられるセラミックという素材の正式名称は、
メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)と言います。
中(セラミックの内部)は金属で作製されており、
外から見える部分のみにセラミック(陶器)を貼付けた冠(クラウン、差し歯)です。
メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)の歴史は非常に長く、現在も使用されている素材です。
メタルボンド(セラミック)の利点として、
1.金属製と比較すると審美性に優れている
2.前歯、臼歯を問わず、ほとんどの症例に使用できる
3.連結、ブリッジ 等対応可能な範囲が多い
4.使用されてきた期間(歴史)が長く、利点、欠点がはっきりしているの
で 使用しやすい。
メタルボンド(セラミック)の欠点として
1. 保険が適応されない
2. 内部が金属であり、作製するタイプによっては内側に金属の部分が見える
3. 金属アレルギーの方には適さない
4. 内部に金属を使用しているため、歯肉が退縮すると金属部分が見えてきたり、歯肉が黒く見えることがある
5. 内部が金蔵製のため、光の透過性が悪く、審美的には金属をまったく使用しないオールセラミックと比較すると劣る場合がある
メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)の審美的なことを言えば、
セラミックの内部に金属を使用しているため、
金属色を消すために下地(オペーク)が必要になるので、
セラミックに当たる光の状態によっては、作り物感がでてしまいます。
オールセラミックと比較すると自然感が劣ります。
次にオールセラミックですが、
最大の特徴として金属をまったく使用しないことがあります。
そのため、審美性に優れ、金属アレルギーの心配もありません。
利点もいっぱいあるオールセラミックですが、
従来あまり使用されなかった理由の一つとして、破損することがありました。
オールセラミックが破折する 理由はいくつかあるのですが、
1.オールセラミック自体の強度の問題、
2.オールセラミックを歯に着ける技術的な問題(接着)
がありました。
しかし、この両方とも医療技術が進み、劇的に改善されています。
また、神経のない歯に対して以前は
金属製の土台(メタルコア)が使用されていることが多かったのですが、
これを金属をまったく使用しないファイバーコアという素材に変わってきたことも
オールセラミックの成功率を向上させた要因の一つになっています。
ファイバーコア(ファイバーポスト)により、
歯の根が破折する確率も減少しましたし、
審美性も向上しました。
ファイバーコア(ファイバーポスト)の詳細については、
以下を参考にして下さい。
オールセラミックといってもさまざまな素材があります。
ここではe.max(イーマックス)という素材を中心に解説したいと思います。
e.max(イーマックス)は、
Ivoclar Vivadent社から発売されているオールセラミックであり、
二ケイ酸リチウムという素材からできています。
e.max(イーマックス)には、大きく分けて
「キャド:IPS e.max CAD」 と
「プレス:IPS e.max Press」
という方式がありますが、
ここでは「キャド:IPS e.max CAD」について解説します。
従来のセラミック(メタルボンド:陶材焼付鋳造冠)の硬さは、
80〜120Mpa(メガパスカル)という強度があります。
IPS e.max CADは、
360Mpaという硬さを持っていますので、
従来のセラミックの3〜4倍の硬さがあることになります。
この点は、従来のセラミックの強度を遥かに超えています。
次にオールセラミックの問題点であった歯とセラミックの接着ということを解説します。
まず 最初の従来の金属を使用した虫歯治療について解説します。
従来の虫歯治療は、
虫歯を削り、
型を取り、
金属製の詰め物 や 被せ物を 歯に装着します。
この時に使用するのが「セメント」という材料です。
従来の金属材質を使用した虫歯治療は、
「セメント」という素材でつけていますが、
厳密に言えば、歯と金属が接着しているわけではありません。
従来の虫歯治療に使用する金属製材料は、歯と合わさっているだけなのです。
これを「合着」と言います。
金属を合着するセメントを大雑把に解説すると
家の周囲にある外壁を作る時に
ブロックを積み上げる行為と同じです。
ブロック と ブロックの間に セメントという泥をはさみ込み、
固めてブロックを維持させる行為と同じようなことです。
ブロック間のセメントが固まることで、壁を維持しているのです。
歯科で使用する金属の詰め物 や 被せ物も同様であり、
金属と歯との隙間にセメントを介在させ、
セメントが硬化することで、金属性の詰め物が取れないように
維持しているのです。
決して金属と歯がくっついているわけではありません。
歯を削った穴に 金属性の詰め物を入れ、
セメントという泥で固めているのです。
固まったセメントが崩壊すれば、取れてしまうのです。
オールセラミック自体は、硬さはあるが、脆い素材であり、
しっかりくっついていないと壊れます。
オールセラミックは、歯としっかりとくっついていないと壊れてしまいます。
そこで歯とオールセラミックを しっかりとくっつけて一体化させる方法が
「接着」と言います。
この「接着」が劇的に進化したことにより
オールセラミックの成功率が格段に向上したのです。
現在当医院では、オールセラミックの一つとして、
e.maxを使用しています。
しかし、これは現時点での選択肢の一つでしかありません。
それは、歯科で使用する材質は、日々進化しているからです。
今、優れているとされる素材でも
1年後には、さらに良い材質が開発される可能性が高いです。
新しい素材が開発され、その臨床評価が高ければ当医院でも採用することになります。
ここで気をつけなければいけないのが、新しい素材の長期予後評価です。
オールセラミックに限らず、日々多くの新しい歯科素材が提供されています。
毎年、毎年新しい素材を目にします。
しかし、それらが5年、10年と使用され、
全ての製品 素材が高評価を受けるかと言いますと
そうではありません。
始め良いとされた製品でも 数年後には
なくなってしまってしまう製品 素材もあります。
そのため、きちんとした情報を知った上で、使用する材質を選択していかないといけません。
また、良い素材であれば あえて新しい素材に変える必要性もありません。
次回のブログは、8月18日(月)になります。
このブログが始まって以来 毎週月曜日にアップしていましたが、
今年の4月から毎週 大学で講義を行うことになったため、
ブログの更新が不規則になると思います。
毎週ご覧になっていただいている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ご理解いただければと思います。
できるかぎり毎週月曜日にアップしたいと考えております。
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