歯周病の基本治療(ルートプレーニング):その2

11/21(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

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今日のテーマは、『歯周病の基本治療(ルートプレーニング):その2』になります。

前回のブログでは、ルートプレーニングの基礎的なことについて解説してきました。
だいぶ ルートプレーニングについて 分かってきたと思います。

また、前回のブログでは、
当医院における ルートプレーニングの治療回数は、
1回に7歯程度行いますので、
口腔内を全体的に行う場合には、4回の治療回数がかかることを解説しました。(ただし、多くの歯科医院では、6回程度の治療回数が一般的であると思います)

当医院では、できるかぎり少ない回数で行うことを目標としています。
治療回数が少ないと患者様の通院負担も軽減できますが、
それ以上に大きな利点もあります。

前回解説したように
短期的に治療を完了させないと せっかくルートプレーニングを行っても
まだ未完了の部位から、菌を除去した部位(ルートプレーニングした部位)に次々に感染してしまうからです。

そのために、できるかぎり1回の治療本数を多くすることが重要であり、
治療間隔も短くすることが重要です。

それでは、できるかぎり少ない治療回数ということであれば、
『1回で口腔内全体のルートプレーニングは行えないのか?』
ということになります。

答えとしては、
『1回で行うことは、理論上は可能ですが、現実的には難しいのです』

その理由は いくつかあります。

まず、1回の治療時間です。
先程 当医院では、1回に7歯程度のルートプレーニングを行うことを説明しました。
歯石等の汚れの付着状況にもよりますが、
1回の治療時間は、約30分〜1時間かかります。(最低でも30分程度かかります)
そのため、全て歯が残っている方に対し(28歯)行う場合には、
長い場合で 4時間程度の治療時間が必要です。(最短では2時間程度で可能な場合もあります)
現実問題として、4時間も づっと口を開けていることは 不可能なことです。

また、ルートプレーニングを行う際には 麻酔をしますので、
1回で口腔内全体を行うことは、全ての歯(歯肉)に麻酔をすることになりますので、
治療を受けられる患者様にとっては、あまりにも大変なことになります。

こうしたことを考え、当医院では 1回の治療時間を1時間を超えない程度で、
無理をしない治療間隔と考え
1回のルートプレーニングを7歯程度にして、
1週間に1回のペースで治療行うことを推奨しています。

治療間隔が開いてしまうと どうしても効果が得られないことがありますので、
歯周病治療をご希望されている方は、ご注意下さい。

そして、ルートプレーニング を1回で全て行うことのもう一つの問題点として、
菌血症という問題があります。

血液中に細菌が侵入した状態を菌血症と言います。

菌血症は日常の生活の中でも起こることがあります。
例えば、歯科に関係するところで言いますと
歯肉が腫れたとします。
腫れているということは、その中には 膿み があります。
この 膿み の中には細菌が存在します。
この膿みが血液中に入り込むことで菌血症が起こります。

他にも感染症の外科治療の際にも外部から生体内に細菌が入り込みます。

さまざまな原因により 外来の細菌が 生体内に侵入することがあります。

しかし、こうした細菌が生体内に侵入したとしても
一般的には さほど問題にはならないのです。

しかしながら
大量の細菌が侵入したり、
全身的な病気がある方 等では問題が起こるこがあります。

また 稀ではありますが、全身に細菌が入り込み 敗血症 とう状態になることもあります。
敗血症 になると死亡することもあります。

現実問題、一般的な歯科治療においても 菌血症は起こっています。
例えば 多くの方が お口のクリーニングを受けたことがあると思います。
いわゆる 『歯石を取る』 ということです。
この歯石除去の際にも菌血症が起こっていることが報告されています。
歯石の中には、大量の細菌が存在しています。
歯石除去は、超音波スケーラーといわれる 器具をもちいて 取ることが多いのですが、
歯石を砕く際に、細菌が歯肉の内部に散らばります。
細菌が散らばっているのです。
この細菌が歯肉内部の血管から侵入していきます。
菌血症です。

しかし、こうした歯石除去によって起こる菌血症は、さほど心配することはありません。
健康な状態の方であれば問題となることありません。

この一般的に歯科医院で行われている歯石除去とは、歯肉の上に見える歯石を取り除くことです。
それに対し、今回のテーマであるルートプレーニング は、歯肉の内部深くに侵入した歯石を取り除くことが目的の一つです。

歯肉の深い中に存在する歯石を除去する際には、器具が歯肉に触れるため、
多少の出血を伴います。
そのため、粉砕された歯石は血液に触れることになります。
歯石は細菌の塊なので 細菌が血液に触れることになります。
結果的に細菌が血液中に侵入する可能性が高くなります。
これが菌血症の原因になるのです。

しかし、こうしたルートプレーニング によって起こる菌血症もさほど心配されることはありません。

ただし、あまりにも多量の歯石を一度に取ったり、炎症が強い時にルートプレーニング を行うと菌血症の程度は大きくなります。

そうしたことからもルートプレーニング を行う際には、炎症がある程度おちついてきてから行った方が良いのです。

また、一度に口腔内全てのルートプレーニング を行うと細菌が体内に侵入するのが多くなるため、菌血症のリスクは高まるのです。

こうしたことからも1回で口腔内全てのルートプレーニング を行うことは一般的には行われていないのです。

今日のブログはこれで終了です。
次回のブログは、安全に口腔内全てを1回でルートプレーニング を行うため方法について解説します。
また、1回で行ってはいけない患者様についても解説します。
次回はいよいよルートプレーニング の核心になります。

これを知れば ルートプレーニング を極めた! といってもいいでしょう。

次回のブログは、11月28日(月)になります。

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