緊張時口臭 その5

今日のテーマは、『緊張時口臭 その5』になります。

始めに休診案内です。
以下を休診とさせていただきます。
• 4月28日(月) 
• 4月29日(火) 
• 5月 1日(木) 
• 5月 3日(土) 
• 5月 4日(日) 
• 5月 5日(月) 
• 5月 6日(火)

今までの4回をご覧になった方は、
だいぶ緊張時口臭について分かってきたことと思います。

緊張時口臭にとって
「ストレス」が原因の一つになっていることを解説しました。

何度も同じ話になりますが、重要なことですので
復習しましょう。

ストレスが続くと
交感神経が優位になり、
結果的に唾液の分泌が抑制されます。

唾液の分泌が少なくなることで、
口腔内細菌が増えます。

そして、口腔内細菌が出すガス(揮発性イオウ化合物)により
口臭が起こるのです。

この揮発性イオウ化合物の中には、
硫化水素(腐ったタマゴの臭い)、
メチルメルカプタン(腐ったタマネギの臭い)、
ジメチルサルファイド(腐ったキャベツの臭い)
という臭いの代表的なガスが含まれています。

交感神経は、車のアクセル
副交感神経は、車のブレーキ
に例えることも以前に解説しましたが、
この 交感神経 と 副交感神経 のバランス(自律神経バランス)
が適切に行われていないと問題が起こってくるのです。

現代人は、このバランスが乱れていることが多く、
自律神経バランスを整えることが
口臭予防にとって重要なことになります。

当医院の口臭外来を受診される患者様の中には、
当医院以外にも他の口臭外来を受診されていることが多く、
他の医療機関でも口臭測定器を使用し、
口腔内に存在する
硫化水素、
メチルメルカプタン、
ジメチルサルファイド
といった揮発性硫黄化合物を測定しています。

しかし、口臭測定器の検査結果では、
「問題なし」
という結果がでることがあります。

そのため、
「口臭に問題なし」
という判断になるのです。

この緊張時口臭の話を始める時に
緊張時口臭は、生理的口臭の一つであることを解説しました。

口臭には、大きく分けて
病的口臭 と
生理的口臭
があります。

病的口臭とは、
歯周病であったり、
大きな虫歯であったり
等の実際に口腔内に問題があることで起こる口臭です。
そのため、1日中臭うことになります。

歯周病が進行すると
嫌気性細菌が増殖します。
この嫌気性細菌が揮発性硫黄化合物ガスを発生することで、
口臭が発生します。

当然のことながら
進行した歯周病のある方では、
朝 歯周病があり、
夜 歯周病が治る
ということはありませんので、
1日中 歯周病ということになります。

当たり前ですが…

そのため、
朝も
昼間も
夜も
当然のことながら歯周病ですので、
歯周病の臭いが1日中あるのは当たり前です。

これが病的口臭です。

それに対して生理的口臭は、
1日の中で
口臭がある時間帯もあれば、
口臭が少なくなる時間帯もあります。

口腔内に明らかな原因がなければ、
その差は、非常に大きいものです。

そのため、
口臭測定器を使用して、
「口臭がない」
「口臭は正常値範囲」
と判断があっても
患者様自身では、
「そんなはずはない…」
「必ず口臭はあるはず…」
と考えるようになります。

こうしたことは当然のことであり、
口臭検査機器は、あくまで器械です。
しかし、器械の測定値は正しいことも事実です。(もちろん器械が壊れていなければ…)
そのため、
口臭測定器で検査を行った時点で
口臭がなかったということは、
その時点での事実であるとは、患者様自身もきちんと理解することが大切です。

検査時に臭わなかったことが
常に臭わないこととはまったく違ってきます。

これが生理的口臭の難しいところです。

そのため、当医院では
生活調査票というものを記載していただいております。
これは、1週間分の食生活を詳細に記載していただきます。
そして、
臭いを どの時点(どの時簡帯)で実感したか
それはどのような臭いであったか
を記載していただきます。

これにより、
検査時以外の臭いの状況を客観的に知ることができます。

生活調査票は、
非常に多くの情報を得ることができます。

本日のブログはこれで終了です。
次回は、さらに詳細な内容について解説していきます。

追加)
最近、口臭についてのご質問メールがよく届きます。
「口臭について悩んでいる」
「なにが原因なのか?」
「どうすれば口臭が治るのか?」
ということが多いです。

当然のことです。

しかし、ご質問の内容のみで
口臭状況を判断することはほとんどの場合
無理です。

例えば、
「お腹が痛い」
といった症状があったとします。
症状が分かれば、直接みなくても
ある程度診断できる可能性もありますが、
当然のことながら検査しなければ確定的な診断になりません。

単なる食べ過ぎとか
胃もたれかもしれません。

しかし、検査をしたら潰瘍があるかもしれませんし、
ガンかもしれません。
また、痛みがあるのがお腹でも 原因は他にあるかもしれません。

検査しないと判断できないのも事実です。

口臭の原因は、非常に多くの問題が複雑に絡み合っていることが多くあります。

私の経験上、
口臭の原因が一つだけということはなく、
多くのことが考えられることが一般的です。

そのため、
単に臭うということだけで、
口臭を改善させる方法を的確に説明させていただくとは難しいのです。

口臭で悩まれている方は、
一人で悩むと
どんどんと悪化していきます。

実際に口臭外来を受診される方に記載していただく、
問診票では、
口臭に悩んでいる期間が非常に長いのが特徴です。

5年、10年なんてよくあることで、
15年、20年と口臭に悩んでいる方が非常に多いです。

口臭で悩んでいる期間が長くなれば なるほど
改善するために、長い期間を要することが多く、
再発(一旦治っても また臭いを感じるようになる)する可能性が高くなります。

口臭で悩まれる場合には、
早めにお近くの 口臭外来 や 歯科医院を受診し、
ご相談されて下さい。

また、
口臭で悩む期間が長くなればなるほど
1~2回の通院で完治することが少なくなります。

早めの対応が必要です。

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