手術中の水はしょっぱい、冷たい!

手術中に流れる水はなぜしょぱく、冷たいのか?

虫歯等の治療で歯を削る時に流れる水は特にしょっぱくなく、冷たいこともありませんが、インプラントの手術に行う水は少ししょっぱく、少し冷たい水です。
しょっぱいのは『生理食塩水』という水を使用しているためです。
冷たいのはこの水を冷却して使用しているためです。
それではなぜわざわざこのようにしているのでしょうか?

インプラントを骨内に埋入するためにはドリルのようなもので穴を形成しなければなりません。
骨にこの穴を形成する時には発熱を起こします。

Eriksson(1984年報告)らによればインプラント埋入時に形成する温度が47℃以上になると骨に悪影響を及ぼし、その後の治癒に問題を生じると報告しています。
そのため、発熱を押さえる方法としてErikssonら(1984年報告)や、Adell(1985年報告)らはドリルを低速回転で使用することと、生理食塩水の使用を推奨しています。

これらの報告ではこうしたことによりインプラント形成時の温度を32℃以内に押さえることができるとしています。
骨を形成する時の温度上昇をおさえるため使用する水はしょぱく、冷たいのです。