インプラント治療が終わったら

メインテナンス

インプラントに関する質問で多いのが、『インプラントはどれくらいもつのですか?』とか『インプラントは一生もつのですか?』というものです。 インプラントは天然の歯と違い虫歯になることはありません。
しかし、歯周病のような状態にはなります。
歯ブラシがうまくいかないと汚れ(食べかす)はインプラントと歯肉の境目に付着します。この汚れ(プラーク)の内部には細菌(歯周病細菌)がひそんでおり、その汚れは時間の経過とともにどんどん深く(歯肉の内部に)侵入していきます。そして歯肉の中で歯周病細菌が繁殖を起こします。その結果、インプラント周囲の歯肉が腫れ、さらに進行してくるとインプラントを支えている骨が吸収をしてきます。
ですからインプラントをしたからといって歯ブラシをしなければダメになる可能性もあります。
また歯ブラシは毎日きちんとしているつもりでも100%行うことは難しいことです。
そのため定期的に病院で検査をし、歯石等の除去を行う必要性があります。
次にインプラントの被せ物についても定期的な注意が必要です。
インプラントの被せ物も天然歯も長い年月の間には個人差はありますが、必ず磨り減ります。

例えば、靴のかかとも人により、内側が減ったり、外側が減ったりします。
口腔内も右で良く噛む人、左で良く噛む人、歯ぎしりが強い人等さまざまな条件により磨り減り方(磨り減る量)は違いますが、多少なりとも磨り減ります。
ここで天然歯とインプラントの違いにより問題が起ってきます。
天然歯の歯根(骨の中に埋まっている根の部分のこと)の周りには歯根膜と呼ばれる非常に薄い膜が存在します。これは噛んだ時に歯を傷つけないようにクッションのような働きをします。つまり天然歯は噛むと上下に沈みこんだり、左右に動いたりします。
それに対し、インプラントはこのクッションがないために噛んでもまったく動きません。
こうしたことからインプラントの被せ物を装着する際には高さは天然歯よりも若干低く調整します。(200μ程度)
もし、インプラントの被せ物を天然歯と同じ高さにしてしまうと噛みこんだ時にインプラントのみに当たってしまうことになります。(天然歯は歯根膜の分だけ沈みこむためです)
しかし、このように調整した状態はずっと続くわけではありません。
先程説明したように被せ物は磨り減るからです。

磨り減り方によっては大きく被せ物を修正しなければならないことがでてきます。
インプラントを入れたらなにもしなくても大丈夫ということではなく、良い状態を維持するためには定期管理が必要なのです。
定期検査の間隔は個人により違います。
もともと歯周病が重度であったり、プラークコントロール(歯ブラシの程度)、歯軋りや、噛み合わせに問題がある場合には1~3ヶ月程度の間隔で来院していただくことがあります。大きな問題がない方でも6ヶ月に1回はメインテナンスにいらしていただければ理想的かと思います。少なくとも1年に1回のメインテナンスは必要です。
口腔内は過酷な条件です。毎日何千回と噛み、汚れも付着します。そうした状態を何十年にもわたり維持するためにはやはり定期管理が必要なのです。
特に、インプラントをされる方は歯を失っているわけですから、今までと同じような状況ではまた問題が起ることも考えられます。
ご自宅でできることと(ブラッシング)、病院で管理しなければならないことがあります。
インプラントを行ったらなにもしないで良い状態がずっと続くわけではありません。メインテナンスは重要なことなのです。

メインテナンスの詳細については、以下を参考にして下さい。