インプラント治療
必見!インプラントの治療費のなぞ
インプラントの本当の治療費は?:隠された追加費用のなぞ
これからインプラント治療を検討されている方にとって治療費は、非常に大きな問題です。
当然のことながら安いにこしたことはありません。
しかし、この治療費が適正表示されていないのが現状です。
つまり、表示されている治療費と実際の治療費に大きな差があるのです。
さまざまなHPを見ると、
インプラント1本○○円というような表示があります。
インプラント治療を行うと本当にこの料金だけで大丈夫なのでしょうか?
追加料金はないのでしょうか?
基本的にインプラントの治療費は2つに分けられます。
一つは、インプラント本体です。
もう一つは、インプラントの被せ物の料金です。
(参考リンク「インプラントの構造」「インプラントの被せ物の種類と違い」をご覧下さい。)
そのため、ホームページで『インプラント1本10万円!』と書いてあっても その費用だけではすみません。
実際には、インプラント本体の費用+被せ物(セラミック等)の費用になります。
これは、ほとんどの歯科医院で行われている治療費の内訳です。
基本的に良心的な歯科医院の場合はこのような表示方法ですが、非常に分かりづらい表示方法を行う歯科医院もあります。
こうした場合は、注意が必要です。
先程の説明では、インプラントの費用は、インプラント本体 + 被せ物(セラミック等)の合計であるとしましたが、それ以外にも費用がかかる歯科医院があります。
一見して 費用を安く見せるために さまざまな方法をとっているのです。
例えば、インプラント1本の費用を低く設定して 安さを強調しているが、セラミック等のインプラントの被せ物の費用を高く設定しており、実際には、合計すると安くはないというようなところもあります。
また、インプラント手術費用を加算する歯科医院もあります。
インプラント1本の料金は低いが、それに付随される手術費用がかかる場合もあります。
インプラント1本 15万円 + 手術費用 5万円
というような具合です。
また、インプラント種類や治療方法により1回法と2回法があります。 違いの詳細は、参考リンク「インプラントの手術方法(1回法と2回法の違い)」をご覧になっていただきたいと思います。
簡単に言えば、1回法は、インプラント埋入に行う手術のみで治療が行えますが、2回法は、インプラント埋入時と骨が結合した段階の2回の手術が必要です。
2回法のインプラントシステムを行う場合には、この2回目の費用がかかる歯科医院もあります。
2次手術費用:3万円
というようなことです。
土台(アバットメント)
次にインプラントには、土台(アバットメント)というものがあります。 この土台(アバットメント)の費用がかかる歯科医院もあります。土台(アバットメント)はどのようなものであるかは、参考リンク「インプラントの構造」をご覧になって下さい。
この土台(アバットメント)を追加加算する歯科医院もあります。
土台(アバットメント)費用:3万円とかです。
それ以外にもインプラント手術に関してもたいぶ加算されることもあります。
具体的には、骨吸収が起こっている場合にインプラント手術と併用して行う骨増大治療です。
骨増大法等の治療には、以下のようなものがあります。(詳しくは参考リンクをご参照ください。)
- GBR法(骨増大法)
- ソケットリフト法
- 人工骨
- PRP法
等多くの治療があります。
こうした治療法が加算される歯科医院もあります。
GBR法費用(骨増大法):5~10万円とか
ソケットリフト法費用 :5万円とか
人工骨費用:5万円
PRP法:3万円
とかです。
現実問題として、インプラント治療を行う場合、半数以上のケースでは骨増大法等が必要になります。
骨増大法の費用はかなり高額なのが一般的です。
そのため、骨増大法を無視して治療費を考えることはできません。
例えば、
GBR法:5万円+ソケットリフト法:5万円+人工骨:3万円+PRP法:5万円
といった追加費用があれば、
合計で18万円も追加にかかることになります。
こうした料金設定の歯科医院もあります。
先程ご説明したように多くの方でGBR法等の骨増大が必要になります。
そのため、単に『インプラント1本 10万円!』という表示だけでなく、全ての合計治療費を知ることが大切です。
仮歯
次に仮歯の費用がかかる歯科医院もあります。
仮歯1歯分:5,000円とかです。
(仮歯については参考リンク「治療期間中の仮歯」をご覧下さい。)
また、麻酔に関わる費用も追加加算されることもあります。静脈内鎮静法という麻酔があります。(参考リンク「歯科治療が怖い方のための麻酔方法:眠っている間に治療が終了(静脈内鎮静法)」参照)
この麻酔は、眠っている状態にさせる麻酔方法です。 眠っている間にインプラント手術が完了するため、患者様は不安もなく楽に治療が行えます。
この麻酔費用が加算される歯科医院もあります。 静脈内鎮静法費用:1回分5万円とかです。
次に手術等に使用する機材費も追加加算されることもあります。
例えば、骨幅が少ない場合に使用する
これらの機材費が1回分:1万円とかです。
さまざまな考え方があるので、この治療費が加算されるシステム方法が良いか悪いかを言うことはできませんが、私からすれば、『非常に分かりづらい!』と思います。
治療を受ける患者様の立場からすれば、インターネット等で 『インプラント 1本 20万円』と記載されていれば、20万円で治療が可能であると思ってしまいます。
それが、実際に治療となるとその倍になってしまうこともあります。
なんか だまされた感じになってしまいますよね。
まだまだ追加費用のなぞはあります。
インプラント本体の費用
次に インプラント本体の費用です。
例えば、HPで『インプラント1本10万円!』と書いてあるが、
HPを見たら それ以外の価格のインプラントも載っています。
『審美インプラント1本 15万円』、『スピードインプラント1本 20万円』、『最高級海外インプラント1本 30万円』等 いきなり高い設定のインプラントが書いてあるHPも時々見られます。
患者様にとっては、『なにが違うの?』『安いインプラントはダメなの?』等、疑問や不安があると思います。
そして実際に歯科医院に行ったら、『高いインプラントを勧められた!』といったこともあるようです。
当医院に来院される患者様の中にも『他歯科医院で 安いと書いてあったが、トータルの見積もりを聞いたら、何倍にもなった!』
という方が来院されたこともあります。
また、『あなたの骨の状態や噛み合わせの状態では、一番安いインプラントは適応ではないので、その上のランクのインプラントでないとダメ!』と言われた方もいらっしゃいます。
結局は、最初の『インプラント1本10万円!』といのは、安さを強調するための見せかけだったのです。
また、『骨吸収が大きいので、骨を増大させる治療法がかなり必要なので、どうしても治療費が加算されます。これはどこの歯科医院に行っても同じですので、インプラントの基本料金が少しでも安い歯科医院で治療を受けた方が良いですよ!』と言われた方もいらっしゃいます。
先にもご説明したように インプラント治療を行う場合、どうしても骨吸収が起こっている方が多いのも事実です。
そのため、GBR法(骨増大法)やソケットリフト法を行うことが多いのです。
しかし、私から言えば こうした治療法を行うことが多いのであれば、始めから含めた治療費に含まっていた方が分かりやすいと思います。
現実的な話として、インプラント費用の設定がいくつもある歯科医院では、最も設定の安いインプラントが使用されるケースは少なく、『安い!』 というイメージを表現するための 戦略であることが多いのです。
また、インプラントの本数です。
例えば、4歯欠損していたとします。
この場合、何本のインプラントが必要なのでしょうか?
何本のインプラントが必要なのかの正確な答えはありませんが、骨吸収がさほどなく、ある程度長いインプラントが埋入できれば、2本のインプラントで大丈夫です。
4歯欠損に対して2本のインプラントを埋入し、ブリッジとする方法です。
本来は、4歯欠損に対し 2本のインプラントで大丈夫であっても『4本のインプラントが必要です!』という歯科医師がいるのも事実です。
確かにインプラントの必要な本数は決まっているものではありません。
また、多くのインプラントを使用した方が安心感があるかもしれません。
しかし、単にインプラントの本数を増やすことは、治療費が高くなることになります。
治療を受ける患者様のことを考えれば、可能なかぎりインプラントの本数を少なくすることを考えることは、歯科医師として重要なことです。
しかし、インプラントの単価が安い歯科医院では、本数を増やす傾向があります。
インプラントの1本の単価が30%安くても使用本数が1本でも多ければトータルの治療費が高くなります。
こうしたことも考えることが重要です。
そのため、始めから最後までトータルの治療費がいくらかかるのか?
をきちんと見積もり書でもらうことが大切です。
また、こうした見積書を1カ所の歯科医院でなく、数カ所の歯科医院でもらい検討することも重要です。
インプラントの保証
次にインプラントの保証です。(参考リンク「インプラント長期保証」もご覧下さい)
インプラント治療を行ったからといって生涯100%トラブルが起きないという保証はありません。
確かにインプラント治療は、他の歯科治療(差し歯、ブリッジ)と比較すると その成功率は圧倒的に高いものです。
各種の治療方法についての成功率については、以下を参考にして下さい。
ブリッジ、インプラント、被せ物(差し歯)の平均寿命は?
しかし、インプラント治療といえども100%ということは決してありません。 インプラント治療後のトラブルについては以下を参考にして下さい。 『歯ぎしり』はインプラントをダメにする! インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)
インプラントのトラブルとして多いことの一つとして、セラミック等のインプラントの被せ物の一部が欠ける ということが起こります。
インプラントのセラミックが欠ける確率については、さまざまな論文報告がありますが、ある論文によれば、『治療後にセラミックが10%程度欠けた!』という報告もあります。
特に 歯ぎしりや食いしばりが強い方は、こうした傾向が強いのです。
インプラントの保証とは、こうしたトラブルが起こった際の保証のことです。
この保証期間は、歯科医院により全く違います。
保証が1年とか、3年とか、5年とか、10年とかさまざまです。
例えば、インプラント治療時点での費用が安くても 保証がなく、セラミックが欠けたりした場合に 修正費用や高額にかかったり、再製した場合などには、再度同じ費用がかかる場合もあります。
また、保証期間が短いのも問題です。
最低でも5~10年程度の保証期間があった方が安心でしょう。
また、単に保証期間で納得してはいけません。
保証内容です。
例えば、10年間トラブルが起こっても『100%保証するシステム』もあれば、『10%のみ保証』、『20%のみ保証』という保証システムもあります。
また、年度が経過するたびに保証割合が引き下がるシステムもあります。
これは、なかり多くの歯科医院で行われている保証システムです。
具体的には、
最初の1年間でトラブルが起こった場合には100%保証、
2年目には90%の保証、
3年目には80%の保証、
4年目には70%の保証、
5年目には60%の保証……
といった具合に 年々保証比率が減ってくる歯科医院が多いのです。
この保証システムであると もし5年後にセラミックが欠けた場合、60%の保証ですから 40%の治療費は患者様が負担しなければなりません。
例えば、セラミックが10万円かかるとします。
患者様は、その40%の4万円を負担する(支払う)ことになります。
また、破損する機会が数回あれば、その度に修理費用を支払うことになります。
大変ですよね。
こうしたことを事前に確認しておくことが重要です。
最近は、他歯科医院でインプラント治療を行い、その後にセラミックが欠けたりして修正費用が高額にかかるので、転院して当医院に来院される患者様が多くなっています。
最初は安くても結果的に高額の治療費になってしまったという方も多いのです。
メインテナンス(定期検査)
インプラント治療後には、トラブルが起きぬように定期管理が必要です。(詳しくは参考リンク「インプラント治療が終わったら」をご覧下さい)
車で言えば、車検のようなことです。
今回は、治療費用といったことがメインの話ですので、メインテナンス(定期検査)の費用といったことをお話します。
このメインテナンスの費用も歯科医院により 全く違います。
1回のメインテナンスが3,000円のところもあれば、10,000円のところもあります。
また、このメインテナンス(定期検査)と先程のインプラントの保証には大きな関係があります。
これが重要なのです。
ほとんどの歯科医院では、インプラントの保証には、保証条件があります。
その条件とは、メインテナンス(定期検査)に必ず来院する必要性があるということです。
その来院回数も歯科医院により大きく異なります。
1年の1回のメインテナンス義務となっている歯科医院がほとんどですが、場合によっては、1年間に4回程度メインテナンス義歯が課せられることもあります。
年間4回のメインテナンス(定期検査)は結構大変ですよね。
忙しく1回でもメインテナンスに来院できなければ、保証はなくなります。
現実問題として、厳しいメインテナンス義務が課せられる歯科医院では、保証がなくなる方がほとんどです。
また先程ご説明したようにメインテナンス費用も大きな問題です。
1回10,000円のメインテナンス費用がかかれば、1年で4回の来院義務があれば年間合計で40,000円のランニングコストがかかります。
10年で40,000円のメインテナンス費用です。
これでは、最初にいくら安くても意味はありません。
インプラント本体の費用が安い歯科医院では、こうしたインプラントの保証やメインテナンス(定期検査)にトリックがあることがありますので、きちんと確かめることが重要です。
ご安心していただくために 当医院ではインプラント治療費を明瞭にしています。
治療中のレントゲン撮影や薬代 土台(アバットメント)の費用 仮歯の費用 型を取る費用 治療経過のレントゲン撮影 セラミック等の被せ物の費用 スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)の費用 OAM(大口式)インプラントシステムの費用 GBR法(骨増大法)の費用 ソケットリフト法の費用 静脈内鎮静法(眠っている間に終了します)の費用
つまり、追加治療費はありません。
また、1年間に1回のメインテナンスに来院していただければ、10年無料保証を行っています。
これは、インプラント本体、インプラントの被せ物等インプラント治療に関わる全ての治療が対象になっており、修理や再製(再治療)に関わる費用は、100%当医院負担になります。
また、メインテナンス(定期検査)に関わる費用は、1回2,000~2,500円(口腔内の状態によって違います)です。
そのため、1年間に1回のメインテンスを10年通院したとしても合計20,000~25,000円の費用のみになります。
これで『インプラントの本当の治療費は?:隠された追加費用のなぞ!』は終了です。
追加加算も含めた合計の治療費を知ることが大切ですし、保証やメインテンスについてのことも治療費と同様に確認することが大切です。