歯肉の再生(回復、増大)治療:歯肉結合組織移植

はじめに

歯肉の再生治療とは、骨の増大治療(GBR法、サイナスリフト法等)とは違い、骨を増やす治療ではありません。
歯肉を増やす治療です。
歯肉を増やす?
少し分かりづらいかもしれませんが、インプラント治療においてなくてはならない治療なのです。
特に審美性を重要視する部位においては、大切な治療です。

歯肉が薄い場合に起る問題

以下は歯肉が薄い方に起ることです。
薄い歯肉は時間の経過とともに退縮していきます。
退縮を起すと審美的に問題を生じる可能性があります。
少しでもこの退縮を防止するためには予め歯肉を厚くする治療を行うことが有効です。
そのためインプラントを埋入時もしくはインプラント埋入後(型を取る前)に歯肉を厚くする治療を行う必要性がある可能性があります。 (この歯肉の厚くする治療法を『歯肉結合組織移植』と言います)

歯肉の増大治療(歯肉結合組織移植)

通常、歯周病等の病的な状態でなくとも加齢とともに歯肉は下がってくるものです。
これは生理的な現象です。
歯肉退縮には個人差があり、下がりにくい方もいれば下がりやすい方もいらっしゃいます。
特に歯肉が薄い場合、歯肉が下がりやすくなります。
歯肉が下がってくるとインプラントの金属部分が見えてくることがあります。
奥歯の場合であれば歯肉の退縮がある程度起っても審美的に大きな問題を生じることはありませんが、前歯では問題となります。
歯肉退縮の予防策として歯肉の厚みをあらかじめ増やす(増大させる)治療法が必要になってきます。

最後に…治療方法

治療方法は上顎の内側(口蓋側)に麻酔を行い、歯肉を採取します。
採取した歯肉を歯肉の薄い部分に移植します。
詳細は以下の図を参考にして下さい。
治療は麻酔をして行いますのでもちろん痛みはありませんが、治療後、採取した上顎の内側の部分に違和感を感じたり、食事がしずらいということがあります。
その期間は1日程度から人により10日程度になることもあります。

この治療法は
インプラント埋入時(インプラント埋入と同時)に行う場合と
インプラント埋入後(インプラント埋入後2~3ヶ月後)に行う場合
の2つの方法があります。