1. 口臭の悩みについてQ&A

口臭の悩みについてよくある質問をまとめてみました。

Q:私自身の口臭を他人がどの程度感じているかを知りたいのですが、良い方法はありますか?

A:ご自身で口臭を的確に把握することは難しいことです。
例えば、デンタルフロス等を行った後でフロスを嗅ぐと臭いがあります。
指で歯を擦り嗅いでも臭いがあります。
これは当然のことであり、食物が残った状態を嗅いでいるのであり、他人が感じる口臭ではありません。

また、手やコップに息をかけて、その臭いを嗅ぐことを行う方もいらっしゃいますが、こうした状態で嗅いだ臭いは、会話中に生じる口臭とは違いますので、適切な判断方法ではありません。
一番良いのは、家族等に至近距離で通常会話で口臭があるかどうかを聞くことが良いでしょう。
しかし、こうしたことは他の人には言いにくいことですので、やはり口臭で直接会話時の臭いを嗅いでもらうことが一番です。
訓練を受けた歯科医師であれば、口臭の程度、口臭の届く距離等を適切に判断できます。
直接歯科医師が口臭の状態を検査することを「官能検査」と言います。
官能検査は、口臭検査で最も重要な検査と言えます。

また、口臭測定器を使用することにより数値として口臭の程度を判断することもできます。
こうした検査は「口臭」で行う必要性があります。
一般的な歯科医院では口臭測定自体ができません。
口臭は、口臭を検査することが専門ですので恥ずかしいことはまったくありません。

Q:私自身ではなく、家族の者に口臭があります。
本人は自覚していませんが、非常に気になります。傷つけずに本人にどのように指摘したら良いでしょうか?

A:口臭がかなりあるにも関わらず、ご本人はまったく自覚していない方もいらっしゃいます。
臭いというものは慣れがあり、臭いに対して麻痺している状態ですので分からないのです。
私達歯科医師は、当然毎日のように多くの患者様を診察しています。
そのような診察中重度歯周病の方で時々特有の臭いを感じることがあります。
しかし、このような状態の方は、ほとんどご自身で口臭を自覚されることはありません。
臭いに順応しているのです(慣れている)。

ご本人が口臭を自覚されていないのであれば、基本的に問題はないと考えられますが、ご家族の方がどうしても気になる場合には、対応された方が良いでしょう。
先にも説明しましたように「重度歯周病」の可能性もあるでしょうから、健康といった点からも検査されることが良いでしょう。歯周病は早期の段階で治療すれば十分治る病気ですが、進行してしまうと抜歯となってしまうからです。

もちろん歯周病でなくても口臭があることもあります。(現実的には口臭に来院される方で歯周病であることは非常に稀です)
ご本人が自覚していないのでどのように指摘するかは非常に難しいことです。

単に臭うというだけでなく、
「歯周病かもしれないよ!歯周病は臭うらしいから!」
「歯周病治療に行ってみれば?」
「歯周病が進行すると歯が抜けてしまうよ!」
「歯周病は身体にも悪いわしいよ!」
というような感じで、「口臭」を直接感じさせるのではなく、歯周病を指摘されたり等治療を行う具体的な指標を与えたり、身体に悪い等の他の問題も大きくあることの説明も良いかと思います。
相手を傷つけないように単に「臭い」ということだけでなく、思いやりのある行動で対応して下さい。

ただし、気をつけなければならないのが、「生理的口臭」です。
例えば、起床時に口臭が強いのは当然のことです。
これは、就寝時には唾液の分泌が少ないために、就寝時に口腔内細菌が増殖します。
1日の中で最も細菌の数が多いのが起床時なのです。
唾液は、細菌を減少させる非常に大切なものです。
起床時に臭いがあるのは、当然のことなのです。
そのため、起床時に口臭があるが日中には口臭がほとんどない方も多くいらっしゃいます。
こうしたことを確認するためにも「口臭」を受診されることは非常に有効です。
口臭の原因等が分かれば、安心されるかと思います。

Q:家族に口臭があると言われたのですが、私自身は自覚がありません。
本当に臭っているのでしょうか?

A:臭いというものは慣れがあり、臭いに対して麻痺している状態ですので分からないのです。
例えば、毎日使用している部屋はご自身では臭いを感じないことが多いのですが、これは臭いに慣れてしまっているのです。
口臭を受診し、本当に問題のある口臭であるのかを診断することが必要です。
口臭測定器で口臭を数値的にみることも有効です。

Q:自分では口臭があると感じるのですが、家族はないと言います。
家族の者は、遠慮して言わないのでしょうか?口臭があることを理解してもらえずに悩んでいます。

A:本当に口臭があるかどうかは、検査をしてみないと分かりませんが、家族であれば、本当に口臭があれば指摘してくれるはずです。
もしかしたら自臭症かもしれません。
家族や周りの人の意見が信じられなくなると悩みを一人で抱えることになり、本当は他人が気になる程度の口臭がないにも関わらず、口臭に対して理解してもらえないという不安感や不信感がつのり精神的にも追いつめられてしまいます。
また、本当に口臭がある場合には、原因や対処法が分かることにより精神的な不安を取り除くことができます。
専門家にみてもらうことが一番です。

口臭に悩む多くの方が、長い年月誰にも言えずにいます。
歯科医院に行っても、耳鼻科に行っても「問題なし」と言われ、「本当に臭うのに誰も理解してくれない」と考え込むようになります。 口臭は、そのような不安を抱えている方と一緒に問題を解決していく診療科です。