よくある質問
5. 子供の口臭Q&A
Q.5-2 アデノイドとは?
A:始めに「子供の口臭原因 子供の口が臭う場合には…」を先にご覧になって下さい。
「子供の口臭」では、
子供の口臭の大きな原因として、
「鼻閉やアデノイド過形成に伴う口呼吸による口腔内乾燥」
ということを解説しました。
この項では、アデノイド(咽頭扁桃)について解説します。
少し難しい話になりますが、
基本的なことが分かっていないと
子供の口臭を理解することはできません。
子供の口臭をなんとか治したいと考えられている方は、
是非ご覧になって下さい。
1.子供のアデノイド(咽頭扁桃)と口臭の関係
鼻閉やアデノイド過形成に伴う口呼吸による口腔内乾燥が起こると
扁桃の免疫機能を低下させ、
バクテリアが舌苔や扁桃腺内の膿栓内で増殖を起こします。
そしてバクテリアが産生する揮発性硫黄化物が口臭を起こします。
子供の口臭の多くはこのアデノイドの過形成に関係しているのです。
2.アデノイド(咽頭扁桃)とは?
のど(喉)の中には多くのリンパ組織が存在します。
リンパ組織の役目は、
鼻や口から侵入する病原体に対する免疫を作ったり、
病原菌が体内に侵入するのを防ぐ働きをもっています。
風邪の時にのどの奥が腫れるのはこのためです。
いわゆる「へんとうせん(扁桃腺)が腫れている!」という状態です。
この腫れは、外来からの病原体を体内に入るのをこの扁桃で防いでいるのです。
ちなみに扁桃組織には腺組織はないので
扁桃腺という言い方は正しくありません。
正しくは「扁桃(へんとう)」です。
喉(のど)のリンパ組織は以下の4つが含まれます。
- 1.咽頭扁桃(アデノイド)
- 2.口蓋扁桃(左右に対に存在し、俗にいう扁桃腺)
- 3.舌根(ぜっこん)扁桃
- 4.耳管(じかん)扁桃
の4つの扁桃が存在しており、そのなかでも口臭と大きく関係しているのが 咽頭扁桃(アデノイド)と口蓋扁桃です。
3.アデノイド(咽頭扁桃)はどこにあるのか?
鼻の奥のほう、口蓋垂(こうがいすい)の裏側にあります。
口蓋垂とは、俗にいう「のどちんこ」のことです。
「のどちんこ」の奥ですので口からは見えません。

4.咽頭扁桃(アデノイド)増殖症とは?
先にも説明しましたように咽頭扁桃は、 鼻や口から侵入する病原体に対する免疫を作ったり、 病原菌が体内に侵入するのを防ぐ働きをもっています。
アデノイドは3~6歳で最も大きくなります。
つまりこの年代の小児では大きいのがあたりまえで、
大きいこと自体で治療が必要ということにはなりません。
なぜ3〜6歳の時期にアデノイドが大きく発達するかと言いますと
乳幼児では、まだ全身の免疫防御機能が未発達なため、
外界に近い上気道に免疫組織を集中させるのが合理的なのです。
小学校高学年頃になると体の成長に伴い、
アデノイドは次第に退縮していきます。
ただし、成人しても扁桃が肥大したままのこともあり、個人差があります。
しかし、この咽頭扁桃(アデノイド)の肥大が原因で、
鼻や耳、のどなどに慢性の炎症を引き起こすことがあります。
これを咽頭扁桃増殖症(アデノイド)と言います。

5.咽頭扁桃(アデノイド)増殖症の症状
アデノイド増殖症になると鼻やのどに症状が起こります。
鼻の症状
- 鼻詰まり
- 鼻呼吸の障害による口呼吸
- 夜間のいびき
- 睡眠時無呼吸症候群
- 睡眠障害
- 鼻水の排泄障害による鼻炎や副鼻腔炎(ちくのう)の慢性化
のど症状
- 食事摂取困難
- いびき
- 咽頭扁桃の側方には耳管があるので中耳炎の慢性化や難聴
6.咽頭扁桃(アデノイド)増殖症の治療
咽頭扁桃(アデノイド)は年齢によって肥大度が異なり、 どこまでが正常範囲でどこからが病的であるかを決めるのは難しいので 治療が必要かどうかは、耳鼻咽喉科の先生とご相談されて下さい。
咽頭扁桃は、免疫に関する重要な器官であること、3~6歳頃に最も大きくなるが、小学校高学年頃になると体の成長に伴い、
アデノイドは次第に退縮していくことから経過観察することが多いです。
しかし咽頭扁桃(アデノイド)の肥大が原因で、周囲器官の耳や鼻のどに慢性の炎症を引き起こしている場合にはアデノイド切除術が必要になることもある。
また、アデノイド切除術は、全身麻酔が必要になり、入院も必要となります。