ルートプレーニング(SRP)でどこまで治るのか?本当に骨は再生するのか?:再生治療の適応症

歯周病の主な原因は、歯周病細菌による感染症です。
このことは、このホームページのさまざまなところで説明しています。
そして、歯周病の進行程度を検査するために通常『歯周ポケット検査』を行います。

『歯周ポケット検査』以外にもさまざまな検査があります。
そして、歯周病と判断された場合、歯周病の治療を行うことになります。
その中でも基本的な治療となるのが、『ルートプレーニング(SRP)』です。

それでは、『ルートプレーニング(SRP)』によりどこまで治るのでしょうか?
以下は、『歯周ポケット』の深さにより、『ルートプレーニング(SRP)』で取りきれる歯石を研究した論文です。
(1986年 Caffesse)

下のグラフの縦線は、ルートプレーニング(SRP)後にどれだけ歯石が残ったかの割合です。
つまり、0%であれば、歯石が全て取れたということで、20%であれば、まだ少し歯石が少し残っているということです。
100%であれば、歯石はまったく取れず、残ってしまったということです。
歯石残存率が0%であってほしいものですが、実際には、深い歯周ポケットの場合には完璧(100%)歯石を取り除くことは難しいのです。

ルートプレーニング後の歯石残存率

上記の研究から
1~3ミリ程度の歯周ポケット(軽度歯周炎)であれば、SRP後残った歯石は、14%程度であったが、
4~6ミリ程度の歯周ポケット(中程度歯周炎)であれば、SRP後残った歯石は、57%程度、
6ミリ以上の歯周ポケット(重度歯周炎)であれば、SRP後残った歯石は、68%程度にもなった
という結果でした。

歯周ポケットが深くなればなる程、ルートプレーニング(SRP)で歯石を除去するのが困難になるのです。
しかし、上記の結果には、術者の経験が大きく左右されます。
例えば、
歯周病専門医が行うのか?
一般開業医が行うのか?
歯周病認定歯科衛生士が行うのか?
一般の歯科衛生士が行うのか?
誰がルートプレーニング(SRP)を行うかによってこの結果はかなり変わるのです。
歯周病専門医と一般歯科医師との違いについては、下記参考リンク「歯周病専門医」をご覧下さい。