フッ素を使用した虫歯予防

フッ素洗口法

フッ素を含む水溶液を口に含みうがいをする方法です。
家庭でできる安価で、簡単な方法です。主に幼稚園、学校等の集団で行われている方法です。 2つの方法があります。

(1)毎日行う方法

フッ素濃度100ppm以上(一般的に255ppm)0.05% NaFの使用

(2)1週間に 1回行う方法

フッ素濃度900ppm以上0.2%NaFの使用

フッ素洗口剤 ミラノール
使用方法 (1)4~5歳から始める。(乳歯の段階から始める)
(2)中学校を卒業するまで行う。
効果 (1)4~5歳から始めた場合は55~79%の虫歯予防効果がある。
(2)6歳以上から始めた場合は33~51%の予防効果がある。
(3)中学校を卒業するまできちんと行うと予防効果は止めた後も持続する。
(4)小さな虫歯ができても進行しにくい。
安全性 誤ってフッ素洗口剤を飲んでしまっても安全な量になっています。
急性症状が起こる量としては体重20kgの幼児であると毎日法の量で25人分、体重30kgの小学生であると週1回法の量を7人分以上を一度に飲まない限り起こり得ないことが分かっています。

フッ素歯面塗布

歯科医院でフッ素を塗布する

歯科医院にて歯面にフッ素を直接塗布する方法です。
年2回~3回行うことで効果がある方法です。

使用フッ素 全て900ppm
(1)2%フッ化ナトリウム溶液(NaF)
(2)8%フッ化第一スズ溶液(SnF2)
(3)リン酸酸性フッ化ナトリウム溶液・ゲル(APF)
使用方法 歯面を全体的にクリーニングし、フッ素を歯面に塗布します。
それぞれ塗布後20~30分程度うがいや飲食はできません。
効果 1982年のRipa L.W.の報告によると虫歯予防効果は以下のようになる。
NaF:29%
SnF2:32%
APF:28%
安全性 歯面塗布に使用されるフッ素量は 9~18mgであり、急性症状を起こす量は体重1kgにつき2mg以上とされていますので、体重が10kgの小児に使用しても問題がない量です。

ホームジェル

ホームジェルの効果的な使い方 ホームジェル使用例 ホームジェルQ&A

0.4%フッ化第一スズ・天然素材甘味料キシリトール使用【虫歯予防ジェル】
虫歯予防(フッ素+スズの効果)
ホームジェルを毎日使うことで、虫歯の原因菌の発育を押さえることができます。
同時に、虫歯になりにくい強い歯をつくることで、新しい虫歯の発生も防ぎます。

主成分:0.4%フッ化第一スズ(医薬部外品)
甘味料:キシリトール
内容量: 2オンス(56.6g)

フッ素入り歯磨き粉

歯科医院や施設などで行わなくても個人で歯磨きを行いながらできる非常に簡単な方法です。

使用フッ素 全日本では歯磨き材にフッ素として1000ppm以下が許可されています。
数値だけをみるとフッ素洗口剤と比較して高いように感じますが、実際には歯ブラシに半分ほどつけるのでフッ素としては 0.5~1mg以下であり、口腔内においても唾液や水で希釈されるので、フッ素洗口法と同程度の濃度とされています。
使用方法 歯ブラシの毛の部分に半分ほど歯磨き材をつけブラッシングします。
ブラッシングの後通常どうり洗口してもかまいませんが、効果が高い方法としてはあまり洗口しないほうが良いので、通常どうりブラッシングした後、十分洗口してその後再度フッ素を歯ブラシにつけ、軽く歯全体に塗りこむようにし、10分程度そのままにします。
効果 フッ素歯磨き材は世界中で最も使用されている虫歯予防法です。
その効果については 70%以上から 20%程度と報告されていますが、研究データとして対象年齢や地域差、期間等にばらつきがあり、実際には正確なところは難しいのですが、20~30%であると思います。
小児においてはその効果はさらに高まると考えられます。

水道水フッ素添加

アメリカにおいては水道水のフッ素添加は1988年で約1億3220万人が使用しているとされ、その効果は実証されています。
日本においても1952年から実施されていましたが、現在では行われていません。(フッ素の飲料の程度をコントロールできないことや、地域や行政の理解が得られないことが原因である) しかし、最近(2001.11)になり沖縄では先に実施されたフッ素洗口法で子供の虫歯が1/6 に減少したことがきっかけとなり水道水添加が実施される方向が検討されています。