インプラントの難症例:どのような状態が難症例か?:その3

2/25(月曜日)です。
昨日 私は、都内で『インプラントのセミナー』に参加してきました。
テーマは『インプラントの最新外科』です。
300名ぐらいの歯科医師が参加していたでしょうか?
会場は満員でした。
とくに目新しい内容ではありませんでしたが、時々こうしたことに参加するのは気分もリフレッシュされて良いですね。
他の3名の先生は、留守番で診療でしたが…
さて、今日も前回の続きで、骨の吸収を起こす“3つの理由”その3になります。
3 歯がないまま(欠損のまま)にした結果、骨が吸収してしまった!
不適切な義歯の使用や 歯が抜けたままにしていると 顎の骨は吸収してきます
骨は機能圧(噛むカ)が加えられることによりその高さや幅は維持されます
歯周病に問題がなく 歯がきちんとあれば 顎骨の吸収はほとんどありません。
しかし、抜歯を行うと 個人差はありますが、必ず顎骨は吸収していきます。
特に、上顎の奥歯においては、骨が吸収するとインプラントが非常に困難
になります。
この理由として、上顎の奥歯の上方には『上顎洞』という空洞が存在しま
す。
上顎洞とは、
上顎の奥歯の上に存在する骨の空洞になっている部分のことです。
この空洞は頬骨の奥に存在し、鼻腔へとつながっていて、鼻柱骨により左
右に分かれています。
多くの場合、歯が存在するとこの上顎洞と上顎の骨の距離は一定の幅があ
りますが、歯周病や欠損状態が長く、骨が吸収してしまうと上顎と上顎洞
との距離が薄くなってしまいます。
その結果インプラントを行えないことがあります。
欠損状態を放置すると難症例になります。
次回のブログは2/28(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、難症例その2:噛み合わせによる難症例とは?です。
今週(2/22〜24)のインプラント手術報告
今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。
今回のケースは、口腔内全体を治療した症例です。
今日は、インプラントの話というより 治療開始から現在までの治療の進め方について解説したいと思います。
これも患者様にとって非常に興味があることだと思います。
『どのように治療は進めるのか?』ということです。
今回の患者様は、初診時に 口腔内には全て、セラミックの被せ物がされていました。
そのほとんどが虫歯になっており、インプラントもされていましたが、全てのインプラントが摘出しなければならないような状態でした。
つまり、今まで行ってきた、全ての治療がやり直しなのです。
患者様にとっては大変なことです。
しかし、患者様はそうした状況はすでに ご理解されていたようで、初診時には、『全ての被せ物をやり直してきちんとしたい!』という希望をお持ちでした。
このようなケースでは、全ての被せ物を一度 取り外すことから始めなければなりません。
まず、セラミックを取り外すに型を取ります。
そして、歯科技工士により、口腔内全体の仮歯を作製します。
つまり、セラミックを取り外すすでに仮歯は出来上がっているのです。
ちなみに仮歯といっても、審美的に問題になることはまったくありません。
そして、上顎、下顎と2回に分けて虫歯になっている古いセラミックを除去し、仮歯に置き換えます。
セラミックを除去した当日に仮歯が入りますので、審美的にも、食生活にも問題が生じることはありません。
きちんとした仮歯が作製されると 治療は スムーズに行えます。
歯周病の治療 や インプラント治療の際には、仮歯を一度取り外した方が断然治療が行いやすいのです。
そして、欠損部位にはインプラントを5本埋入することになりました。
今回のインプラント手術は そのうちの1本のみの埋入でした。
通常、多数のインプラント埋入の予定がある場合、
一度に埋入してしまうことが多いのです。
この理由として、何度もインプラント埋入を行うのは、患者様にも大変なことであるためです。
ここで、例えとして、
上下左右の奥歯にインプラント埋入の必要性が合った場合、以下のような進め方があります。
1 上下顎左右ともに1回で全て埋入する
2 上顎、下顎の2回に分けて埋入する
3 上顎右側、上顎左側、下顎右側、下顎左側 の4回に分けて埋入する
です。
どの方法が良くて どの方法が悪いということではありません。
患者様 個人個人により違います。
通院回数を少なくしたい希望があれば、1回で行った方が良いでしょう。
一度に行うのが不安であれば、最初は1本のみにし、治療の結果、不安が無くなれば、次回から2本にしたり、残りを全て行うという方法もあります。
また、埋入本数が多いと腫れる可能性が高くなるため、何回にも分けることもあります。
埋入方法は それぞれです。
今回は、『仕事上、腫れると困る』というご希望がありましたので、5本埋入予定のインプラントは、3回に分けて埋入することになりました。
今回は、その3回目の埋入(1本のみ)の日だったのです。
骨の状態はすごく悪い分けではありませんでしたが、骨の吸収が起っていたため、インプラントの埋入と同時に骨の増大法を行いました。
『GBR法』です。
使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)
SLAタイプ  直径4.1mm 長さ10mmが1本でした。
麻酔方法は虫歯の治療で行うような普通の歯科麻酔です。
今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3ヶ月後に型を取ります。
ちなみに、型は上顎、下顎に分けて一度に全て同時に行います。
多数の型を取る場合、何回にも分けて行うことより、一度に行ったしまうことが多いです。
この方が、色や形態、噛み合わせを 合わせるのが“ 楽 ”だからです。
もちろん、患者様にとっても何回も型を取るのは大変ということもあります。
今回は、インプラントと骨が結合した後、全ての型を一度で取る予定です。
このブログが難しいという方に非常に簡単な『基礎から始めるインプラントブログ』を開設しました。
簡単な話が聞きたい!という方はどうぞご覧になって下さい。
かなり簡単な話ですが…
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。
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